【2】より続く
睥睨する、魔窟。なんだこの威圧感。
「全面通行止」
でしょうね、実は自分もそうじゃないかって思ってたんスよ、ええ。
だからって、見ずに帰れるかい!
けど…
怖ァァァァ
洞内からは白い靄。見る者をからめ捕るかのような地層のうねり。しかしながら遥か彼方に、心細いほどの小ささながらも、まぎれもない明かり。よし、貫通している!これはかなり勇気づけられた。これで先が見通せなければ、さすがに逡巡したことだろう。だが、これなら行ける!
…って、甘かったよ、僕…。
それでは、イヤというほどご覧に入れようではないか、驚愕の洞内を。
月面かここは!とか呟きながら進む。
足元は比較的サラサラな、砂と言っていい状態。それも洞内ぐるりと天井まで。これはおそらく一気に崩落して圧壊するのではなく、サラサラと徐々に崩落してきた結果ではないかと思われる。そうでなければ、一枚目の画像で明らかな路盤との高低差が説明できない。
振り返り。
鉄板の絶景!ちなみにこれでもカメラは水平に構えている。
ふたたび前進。
この辺りから、地質に少しづつ変化が現れてくる。
そう、ここからが本番だ。
洞内に挑んだ者だけが目にする、隠された凶器。
殺す気か!?
自分内ランキング
「もっとも獰猛な穴」部門 暫定1位
たる所以を。
【4】へ続く。