【前篇】より続く。
龍神村の光が近づいてきた。
たかだか87mの隧道、11分かけてじっくり鑑賞しながらここまできた。
ここで初めての大きな崩落痕。そして、その先には、個人的に驚くべきものがあった。
それは、
コンクリ巻き立て。
完全素掘りだと思いきや、旧唐尾隧道・龍神側はコンクリ巻き立てとなっていた。
崩落痕が見られたように、地質的に印南側よりも少し安定が悪いのだろうか?
このパターンにおいて、つい見てしまう
素掘りとコンクリの境目(笑)。
巻き立てに用いられたコンクリートは、
あまり質は良くなさそう。
ところどころで
ジャンカが露出している。
まあ・・・みんな大好き楢尾トンネルに比べたら全然マシやけど(笑)。
ここで、洞内を振り返り。
イイねぇ~。
関西圏において、この規模の素掘り隧道は紀伊半島でしか見られない。・・・どれも廃物件やけど(笑)。
そして、鉄板の構図。
ちょっと近づきすぎやけど、でもイイねえ~!!
抜けてすぐにぶった切れているように見える道は、しかし、
鮮やかに左ターンして続いていた。
隧道を抜けた先の旧道を、さらに進むかどうかは決めていなかったけど、この光景を見た瞬間、最後まで行こうと決めた。
それほどに、グッときた。
極限まで引いて、
初代唐尾隧道・龍神側坑口。印南側とあまりに違いすぎて、同じ隧道とは思えない(笑)。
このコンクリ巻き立てはオリジナルではなく、後年の補修だと思われる。先ほど述べたように地質的に不安があったのか、実際になんらかの不具合が発生したのか。
向かって左には、微妙な高さの擁壁・・・ってかコレ、ポータル倒壊を防ぐ支え壁か?
まったくもって殺風景極まりない、扁額も銘板もないポータルだけど、このくらい年季が入ってくると、なかなかのオーラをまとうようになる。個人的には、悪くないと思う。
こうして見ると
遺跡みたいですなあ・・・。
いやいやどうして、悪くない(笑)。
堪能した。
時刻は8時21分。さて、それでは・・・
後半戦、いってみようか。
【次回】に続く。