【前篇】より続く。
徒歩進軍約5分で到着した、
戸倉隧道・宍粟側坑口。
無骨な…いささか無骨すぎるコンクリート・ポータルが迎えてくれた。そこそこ高さのあるコンクリフェンスの上に、隙間なく張られた金網。一見して、完全に役目を終えた隧道であることがわかる。
隧道を観察する前に。
旧道敷きが大きく改変されてわかりにくくなっていたが、どうやら旧隧道は右カーブした後に進入する線形だったようで。
右側路肩を通ってここまで来たが、盛り土の反対側…つまり左側路肩をチェックに行ってみると、
やたらキレイなカーブミラーと、30km制限標識が佇んでおりました。
補助標識は「ここから」かな?隧道内は速度30km制限だったようですな。
隧道左側から。
そういえばここにあったよくわからんコンクリ遺構、なんだったんだろうか。忘れてた…。
盛り土がしてあるのに、さらにガードレールまで!どんだけ厳重やねん!…まあ実際は盛り土のほうが後のような気がするが…。
そのガードレール下から、遂に現れる
アスファルト路面、そしてセンターライン!
「廃の様式美」の典型例のひとつ、ですな。
では、ようやく、隧道そのものを観察。
だいぶ明るく補正してますよ(笑)。まずは…
扁額。
「戸倉隧道」。右端には「宮田書」と。
「宮田」とは…すいません、調べてません(爆)。
兵庫県知事じゃなさそうなのよね…。
ここで、戸倉隧道のスペックを。
昭和29年建造、延長742.0m、
幅員5.5m、有効高4.5m。
現トンネルよりもほぼ1kmも短いけど、それでも742mもあるのか…。
進入できないのは悔しいような、有難いような(笑)。
そして幅員5.5mは、いかにも狭い。
しっかりと見るべく、コンクリフェンスによじ登って見たのがコレ。
おおおぉお…イカツイ。色んな意味で…。
700m超でこの狭さ。洞内での大型車同士の離合は神経を使っただろうな…。
いや~しかし雰囲気あるわ。さっきはああ書いたけど、やっぱちょびっと入ってみたいな…。
いやっ、入ってませんから!無理ですから(笑)。
手前にはこんなんも落ちてた。
進入禁止の掲示。
元は金網かどっかに掲げられていたものだろう。先ほどの黄色い掲示の先代かな?
ふと頭上を見上げれば
たったひとつ、フェンス外に逃れた(って表現もおかしいが)照明が。
あ~こういうの、なんか愛おしい…(笑)。
堪能した。なんだかんだで、25分くらいいたな~。
隧道前より。
うーん、しっとり。
戸倉隧道、以上宍粟側をお送りしました。
さて、現道へと。
もちろん反対側も拝まないとな。
【若桜側】へ続く。