大山の人車軌道隧道 (廃) 【3】 (富山市岡田~東小俣) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

【2】より続く。
 
 
いったん車へ戻ってきた。これより反対側へ赴く。
 
 
 
青矢印が最初に降りた階段、
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そして赤矢印が、今から降りようとしているところ。
 
 
 
とは言え、道などない。
 
 
 
 
 
ただの崖だったり。
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それもまた予習済み。動揺することもなく、慎重かつ大胆に降りていく。
 
 
 
 
 
ガサ、ガサ、ガサ。
 
 
 
 
 
もう、そろそろ…?
 
 
 
 
 
ちらっ。
 
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イタ――!!
 
やはり目視できると安心しますな~。
 
 
 
 
 
 
程なくして、谷底へ。そこはすなわち、かつての軌道跡のはずだが、
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痕跡、一切なし!これは隧道とは逆方向を向いているが、とてもここに線路が敷かれていたとは思えない。
 
 
 
それはもちろん隧道方向も同じ。藪をかきわけ、隧道前へ。
 
 
 
 
 
 
 
乱積みの擁壁が辛うじて一部残っているが、
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全体的に崩落が進んでしまっている。よろしくないな…。
 
 
 
 
 
 
改めて、正対。
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なんという、痛ましい姿。
 
その姿は、遡ること3ヶ月ほど前に見た柏嶺隧道を思い起こさせた。地山からいきなりアーチが生えてるところとか(笑)。
 
 
 
 
 
見た目はともかく、土木構造物としての健全性では、はるかにこっちが優良だ。あっちはもはや「死んで」いたけど。
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要石のズレが気にはなるけど、
 
 
 
 
 
 
 
 
改めて、見事なり!
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明治製の石アーチは堅牢そのもの!まったく不安を感じさせない。先人の確かな技術の賜物だ。いや、本当に素晴らしい仕事されてる。
 
 
 
 
 
 
…それだけに。
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この斜面崩壊と土砂の流入具合はヤバい。このままでは埋没閉塞してしまう…。
 
 
 
 
 
 
素晴らしい先人の遺産、貴重な土木遺産がこのような惨状に棄て置かれていることは、極めて遺憾。行政にはぜひしかるべき保全の手立てを打っていただきたい!
 
 
 
 
最後になったけど、改めて険酷隧さんに感謝します。この「大山の人車軌道」、ぜひ氏のブログをご覧ください!
 
 
 
 
 
以上、完結。