薬水橋梁 (近鉄吉野線 薬水~福神) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2011年7月16日、この趣味で初めての紀伊半島彷徨…の最序盤に訪ねた、ずっと紹介しそびれていた物件をご紹介。
 
この日のネタで記事にしてるのは、ここの3時間40分後の初生谷の人道橋、4時間50分後の毛原宮の参宮橋、9時間後(!)の下湯川のプチ未成道
 
 
 
 
さて、まずは…タメなく登場。西側より。
 
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近鉄吉野線の薬水駅にほど近い、その名も薬水(くすりみず)橋梁。
 
 
コンクリートのゴツイ…言葉を選ばず言えば不格好な控え壁は後付けだと思うのだが、個人的にはコレ、美しい橋梁を損ねている気が。でも確かに個性的ではある。ちなみに、土木学会の選奨土木遺産であります。
 
 
道路と河川を二径間でまたぐこの橋梁、特筆すべきはやはり、
 
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扁額があること。
 
橋梁でありながら、隧道、あるいは薬水集落の門としての機能を持たせているという点で、非常に珍しいものでありますな。
ちなみに右書きで「薬水門」と刻まれているらしいが、達筆すぎて解読できない(汗)。
 
また、扁額の上下にあしらわれた、ちょっと変わった櫛歯?の帯も実に装飾的。
 
 
 
さらにほじくっておくと(笑)、
 
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アーチ環も興味深い。煉瓦四層巻きだが、赤丸のところ要チェック。
 
煉瓦の小口面で構成されたアーチ環の中に、長手面を見せる部分が、4か所ずつ配されている。俗に「竪(たて)積み」と呼ばれる手法で、強度面では特に効果はなく、やはりアクセントの意味合いが強いもの。
 
いやぁ、装飾的ですねい。
 
 
 
で、東側。
 
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こちらは一転してスッキリ。やっぱ、控え壁ジャマでしょ(笑)。
 
左端、ヘンな切り取り方してるのは、電柱がめっちゃジャマなのよ。
 
 
 
こっからタテナガ三連発!
 
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マルチアーチはやっぱこの部分が好きだ~(笑)。
 
以前はどっちも川だった…ってことはないと思うのだが、流れに対して三角形に尖らせた水切り施工となっている。
 
 
 
この造形…
 
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タマリマセンね~。
 
堅牢そのものだ。大正元年の完成だというから100年以上前の建造だけど、綻びは全く見られない。
 
 
 
そして、ここにも注目!
 
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側壁下部に用いられているのは、角を取った円弧煉瓦。
 
いや~こだわるねぇ~(笑)。
 
 
 
舐めるように観察してたら、
 
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吉野行き始発電車が通過していった。
 
 
 
 
…始発?
 
 
 
 
はい、ただ今の時刻、まだ早朝5時41分でありました(笑)。
 
 
 
以上、完結。