2011年7月16日、この趣味で初めての紀伊半島彷徨。
紀伊半島ではいつも膨大な数のネタを拾えるのだが、まったく記事作成が追いついていない。今回は、以前ご紹介した毛原宮の参宮橋からさかのぼること1時間弱に見つけた物件をご紹介。
場所はコチラ。
和歌山県道4号高野口野上線を東進中。ここは、紀美野町北野地内。
道の感じと切れ味鋭い(謎)分岐の感じがかっこよかったので、ちょっと撮影。
県道に沿って流れるのは真国川。何の気なしに見下ろすと…
ぅうお!?
めっさ小さい橋があるやん!しかもアレ…まさかのポニートラスかよ!?
…ってのが、数秒間でのファースト・インプレッション。次いで思ったのが…
低ッ!めちゃめちゃ低ッ!!
あきらかに、車道橋ではない。そして、県道から優に5~6mは低いところに架かっている。これじゃあ、普通に運転してたら見落としてた可能性が大。…また呼ばれたかな~?
これはもちろん捨て置けない物件。さっそくチェックだ!
あんな低い橋だが、県道からの取り付きはちゃんとあった。
あったけど…
きゅ、急すぎるやろコレ(笑)。
その急すぎる取り付き道…いや、スロープ(笑)から。
いろんな情報が見て取れた。いや、これはいいぞかなり。
まず作りとしては二径間で、手前がコンクリートガーダー、向こうがポニートラス。いやぁ、こんなミニマムなポニートラス橋、他に1件くらいしか思い当たらない(まだ記事にもしてません)。そして背の低さでは…コレも2位かな?(笑)。
そして、橋の取り付き部は、真夏の植生に覆われている。僅かな区間だが、うるさそうだ。そして対岸は…完全にグリーンヘル(久々・笑)に飲み込まれている。そのことは、コレが事実上の廃橋であることを示していた。
さらに真国川の流れの中には、
先代以前の橋のものと思しき、橋脚遺構。
でもなんか、真新しく見えるのが不思議…。流れに浸されている構造物は、経年感がつかみにくい。橋の方がくたびれて見えるし。
けど橋の真下にあるし、旧橋のものとしか思えんよなぁ…。
取り付き部のうるさい夏草に取り込まれつつも、
親柱があることを確認!
しかし残念ながら銘板は失われていた。橋野郎にとっての「悔しいあるある」ランキングTOP3に間違いなく入る展開(爆)。
でも、予告篇で触れた「悔い」とは、もちろんそんなこっちゃない。
橋上に立つ。
コンクリートのガーダーも高欄も、くたびれてはいるものの大きな綻びは見られない。渡ることに何ら問題なし!
存外にしっかりした橋脚。
この立地で河中に立てるからには、このくらいの橋脚が必要なんやろうね…。ちなみにこれは下流側だが、先の写真でもわかるとおり、水切りなどの制水工は特にない。
そして…
二径間目に。
しかし低いな~このポニートラス!
これは確かしゃがんで撮ったかと思うが…高さ1mあるかないかくらい?トラスそのものは、さすがにけっこう華奢やな。
先ほど低さで2位とか書いたが、コレより低いポニートラスとか存在するのか!?と思うでしょ?そのうち記事にしましょうか。ちょっとした衝撃でっせアレ。いや、小ネタやけど(笑)。
さて、この短い橋。
すぐに、橋ごと植生に飲み込まれるポイントへ。
これこそが我が悔いの元凶。
このグリーン・ヘル見てうんざりしたわたくし、この奥を確かめることなく引き返してしまったのである。
橋野郎にあるまじき愚かな行為。そのときはもちろんもうエエわ~と思っての行動やけど、あとあと気になってしょうがない。例えば…アッチの親柱にはお名前とかお誕生日、書いてあったんじゃ?とか、対岸の道はどうなってたのか?とか。
リアルに遠い和歌山県西部、そうそう再訪の機会もないというのに。
写真にはギリで写ってないが、100mちょい下流側に車の通れる橋がある。最初の地図を航空写真モードにして拡大していただくと、その橋と、その先にある数棟の建物が確認できるはず。おそらくこの廃橋は、その旧橋では?対岸から続いているであろう道も、その建物のほうへと続いているのではないだろうか。
…って、せめて対岸の様子だけでも、ちょいっとかきわけて確認に行きゃあよかったものを…
そこのけそこのけ、愚か者がお帰りじゃい(爆)。
以上、完結。