網代隧道(廃) 【前篇】 (静岡県熱海市網代) | 穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
2012年2月3日、第三次伊豆探索。曽我浦片隧道五号&四号の1時間50分後に訪ねた物件をご紹介。
 
 
まずはコチラ、
923fc2af.jpg
 
 
国道135号、新網代トンネル・東側坑口。
 
 
 
 
で、今いる場所から正面を向いた景が、コチラ。
ff34c6cb.jpg
 
 
(事後に移動する際に撮ったやつで恐縮だが)ちょっと斬新な新道旧道分岐。
 

新旧の道路の位置関係は、地図を見ていただかないと伝わりにくいと思うが、海岸沿いの断崖を行く旧道に対し、行き場をなくした新道は、海上橋という荒業でこの局面を乗り切っているようだった。
 
で、旧道の先には…もちろん「アレ」が。

 

 
 
 
それを目指して歩いておるわけだが…
f83d6314.jpg
 
 
いや、イイねえこの新旧競演!

 

三ケタ国道の旧道として、極上。この険阻なロケーション由来の、路面のペイントもまたタマラン(笑)。
 
 
 

振り返り。

dbc268e0.jpg
 
 
ここは有名物件なので、探索時ですでにネットでどういうところかは知っていた。
 
でも、これまで何度も書いてるが、知ってるのと現地を踏むのでは大違い。
 
 
 

そして、新道は

ef6bd16a.jpg
 
 
トンネル(立岩トンネル)へと吸い込まれていく。そして旧道上にも…
 
見えてきた。
 

 

 
 
お出ましである!
74217a24.jpg
 
 
網代隧道!

 

釣り人?の車(誰かさんの車と似てる・笑)は確かに邪魔だが、サイズ感をつかむ上ではわかりやすいという…(笑)。このいかにも前時代的な狭さでは、伊豆の大動脈を支えるにはいかにもアンダースペックだっただろう。
 
しかし、しかしながらの、威風堂々たるその姿。
 
なんといっても目を引くのは、アーチ環はもとより、パラペット(胸壁)、スパンドレル(翼壁)、ピラスター(付け柱)と、総石造のポータルであること。
 
個人的に萌えなのは、いかにも国道やってました的な、赤黄の警告看板。老体で現役張ってましたっていう健気さが…くるわ~。
 
 
 

で、扁額がないなあと探したら、左のピラスターにあったし。

2607595e.jpg
 
 
「網代隧道」。
 
この蔓の絡まり、この季節で助かった。夏場なら絶対見えへんヤツやろ~これ。
 
 
 

で、右のピラスターにあったのはお誕生日。

aef50703.jpg
 
 
「昭和七年六月竣功」か。
 
石造はおろか煉瓦の時代も過ぎ去った、完全にコンクリ造が主流となったこの時期に、なぜ総石造ポータルの隧道が作られたのかはわからないが、天城峠隧道や観魚洞隧道など、伊豆の有名な明治製石造隧道たちへのオマージュであるという解釈もできそう。
 
 
なにしろ、
f58f6b82.jpg
 
 
伊豆半島の大動脈である国道、その難所を克服する重要な隧道だっただろうから。
 
いやあ、スキがないわ。素晴らしいの一言。
 
 
 

お約束、鉄板の構図。

24f9c4d3.jpg
 
 
マジでジャマやな(笑)。
こりゃまたイイねぇ~!
 
 
 
 
で、洞内がまた、数々の設備遺構が残っていて、感涙モノだった。
4f0bca85.jpg
 
 
 
594b0241.jpg
 
 
 
 
0700a00e.jpg
 
どれも、いかにも幹線国道の隧道に相応しい、見ごたえある遺構だった。
 
 
 
この時、照明は車に忘れてきてしまってたが、
10d6f4d9.jpg
 
 
 
 
一直線に貫通してるので、不安感なく歩いて行けた。

 

 
もちろん、反対側もお見せする。さほど変わり映えはしないが(白状)
 
 
 
 
【後篇】に続く。