もう一度、ニコ・ロズベルグに祝福を。 | 穴と橋とあれやらこれやら

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需要がないのにごめんなさい、書かずにおれませんでした。なにしろ、今年もっとも驚いたニュースでしたんで…。
 
 
2016年にF1ワールドチャンピオンに輝いたニコ・ロズベルグ。先ごろお祝い記事を書いたばかりですが…なんとタイトル獲得からわずか5日後の12月2日、現役引退を発表したんでございます!
 
 
けんさんからいただいたコメントで知ったのですが、いや~コレには驚いた。この驚きを何に例えたらいいのか…。野球やサッカーで例えてもピンとこないし、アーティストも違うし…。
キャリアのピークで止める…このような引き際を見せたアスリートは、他のスポーツも含めてほとんど記憶にないですね…。
 
 
F1にデビューした新人が目指すのは、まずは入賞、そして表彰台、そしてあわよくば、勝利。そこに辿りつけるドライバーさえ、ほんのひと握りなのです。ましてや、勝利を重ねてワールドチャンピオンになれる者なんて…(ニコの親父であるケケは、たまたまシーズン1勝で王者になっちまいましたがね)。
ロズベルグは2006年のF1デビューで今季が11年目。チャンピオンに登りつめた者としては、(おそらく)史上最も遅咲きだった、つまり時間がかかったドライバーだったと思われます。
 
 
王座にたどりついた数少ない者が次に目指すのは、その防衛、または再度の戴冠…のはずです。複数回王座を獲る者こそが、真の偉大な王者として称えられる(と言われている)から。なのに、ロズベルグは悲願の王座獲得をもって、スパッと引退を表明したのです。
 
 
さかのぼれば、1993年王者のアラン・プロストもこの年限りで引退しましたが、プロストはこれが4度目の王座、すでに「偉大なるプロフェッサー」として、もはや何を証明する必要もない立場でした。対してロズベルグは、ついに王座を獲ってさあ、これから!だとばっかり…。なんで!?
 
 
引退の理由は、端的に言えば「やり切った」から、のようです。
 
 
当然、ロズベルグの目標も王座獲得だったわけですが、全身全霊をかけて、できる限りの努力を重ねて、レース以外のすべてを置き去りにして、ようやくつかんだ夢の王座と、それを支えてくれた家族と周囲の人たち。
夢を実現させた以上、もはや同じことを繰り返すだけの余力は残っていない、と。支えてくれた家族を、今度は自分が支える…と、まあそこまでストレートには言ってなかったですけど(笑)、そういうことでしょう。
 
 
そこまでしなければいけなかったほど、やはりチームメイトである3度の王者、ルイス・ハミルトンを倒すことは困難だったのでしょうし、そこまでの集中がもうできない以上、続けてもしようがないのかなと。
あるいは…総合力でハミルトンにわずかに及ばないことは、実際のところ本人にもわかっていたと思いますし、単に王者になることよりも、「ハミルトンから一度でも王座を奪うこと」が最大のモチベーションだったのかもしれません。
 
 
いちファンとしては、来季覚醒した新王者と雪辱を期すハミルトンとのガチ勝負が見られなくなって残念ですが、アラフィフの単なるおっさんとしては、彼のこの決断を無条件で支持します。レーシングドライバーらしからぬ(笑)、非常にまっとうな、バランスのとれた考え方だと思いますし、勇気のいる決断だったと思います。
 
 
もともとわたくし、F1でも技術方面にはほとんど興味がなくて、「機械を使って行うスポーツ」におけるニンゲンくささの部分が大好きでして。
その意味で、彼の引退を機に、ハミルトンとの関係がどうなっていくか、に非常に興味があります。
 
 
前回の記事にも書いたのですが、2人は幼なじみ同士。競争の世界に身を置いている以上は友達関係など有り得なかったでしょうが、競う必要がなくなった時、カートチームでコンビを組んでいた少年の頃の2人に戻れるのでしょうか。
 
 
 
夢と野望と現実と。なんか、いろいろ考えさせられたこの驚きのニュース。まだ消化できてないのですが…。
 
まあとにかく、改めてニコ・ロズベルグに祝福を。彼の第二の人生に幸多かれ。