草野川第一発電所関連遺構を探して 【8】 (滋賀県長浜市高山町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【7】より続く。
 
 
 
いよいよ目前にした、導水路隧道・取水側坑口。
 
まずは上から観察。
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オールコンクリート・ポータルだが、笠石、そして要石と迫石からなるアーチ環の意匠が施されていて、なかなかイイ感じだ。
 
アーチ環は、ポータルから少し突出したリアルなデザインになっている。こういう場合、線で模様を描いただけのものが多いのに、なかなか行き届いてますな(笑)。
 
 
ちなみに上の写真を撮ってたその足元は、
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開渠の側壁がパックリ割れちゃっておりました。
 
 
 
ポータルの上を越えて反対側へ。
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ここにも関電杭。
 
 
 
こっから霜谷に向けて少し降りまして、
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水路橋の土台部分をサイドアングルで。
 
ささやかな沢とはいえ、10m以上はあるだろう。ワンスパンで水路橋が渡っていたとしたら、どんな型式だったんだろうか。
 
もしかして…こういう心細い感じのやつとか…?あの陶管のサイズ感を見るにつけ、まんざらナイともいえない気がする(笑)。それか、トラス桁でひとまたぎ、かな?
 
 
 
水路橋の付け根、開渠部分との接合部は、
 
 
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石積み土留めで護られていた。しっかりしていて、目立った綻びは見られず。
 
 
 
そして~、その真ん中からの~?
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絶品アングル!

 
思えば目前のこの数mだけが、草野川第一発電所導水路において唯一の開渠部分ということになる、おそらく。4月29日の追加調査においても、開渠となっている区間は他になさそうだったし…。
 
この辺でもうね、写真を撮りまくったんだけども、テンション上がりすぎてたのかブレてたりおんなじようなものばっかりだったりで、まあ、これ以上貼るのは止めとく(笑)。
 
 
 
改めて、正面より。
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時刻は10時19分。探索開始から3時間33分、反対側の坑口を後にしてからも、1時間16分が経過していた。
 
 
いよいよ、
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入洞であります!
 
当然ながら、反対側は曲がっていたのでこっちからも明かりは見えない。漆黒の闇が待つばかり。
 
 
 
奥の方を照らしてみても、
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闇また闇。
 
とはいえ先ほどの調査ですでに反対側の様子や大まかな長さを把握しているので、精神的緊張はない。
 
 
 
そうそう、忘れちゃあいけねぇ。
 
 
ここで振り返って
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鉄板の構図。
 
そして此れ即ち、かつての水路橋を偲ぶアングルである。当たり前ではあるけど、真っ正面やや上に対岸の水管が口を開けている。イマジネイティヴな眺めだ~。
 
 
あー、なんかすっごく満足(笑)。
 
 
 
 
 
30mほど入ると、
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隧道は微妙な「揺れ」を描き始める。
 
さっき反対側から見た時も感じたが、やはり直線ではなくって細かく左右にスネーキングしている。何か事情があったのか、単に測量が未熟だったのか?
 
 
さらに進むと、
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こうもりさんのご家族が数世帯。このへんが「集落」なのか?(笑)
 
期待していた方には大変申し訳ないのだが、わたくしここらで撤収した。完抜けしようと思えばできたが、なんかもうすっかり満足してしまったもので…。
いくつかの過去レポでご存じの方もおられようが、わたくしさほど「完抜け」には拘っておらず、「物理的限界までなんとしても!」っていう根性もポリシーもないので(笑)。
 
雰囲気が味わえれば、もう十分なんであります。
 
 
はい、コッチでも動画を撮っておりましたので、よければご覧あれ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
洞内はともかく、水路橋周辺などはこのほうが位置関係とかわかりやすいかも?やはり鼻をグスグス、口呼吸ハアハアですが(笑)、ご勘弁を。
 
 
 
 
10時27分脱出、そして帰投作戦へと完全移行。
 
 
 
霜谷沿いを遡上、その行き止まりにて。
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ここからは、踏み跡さえもない凶悪な激藪急斜面をひたすら直登…シンド…(苦笑)。
 
 
 
10時44分。

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ゼハゼハ言いながら、鳥越林道に復帰!
 
奇しくも、【1】でも同じような写真を載せている。探索の出だしを勘違いして失敗し、下の林道へと降りて行った正にその地点に、3時間半ぶりに上がってきた。
 
 
 
そして、10時46分。
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ノートさん、ただいま~。疲れたわ~(笑)。
 
 
 

 
 
以上が、二度もミスを犯しながらも大いなるラッキーにも恵まれて、最低限見たかったものは見られたという、第一次草野川探索の顛末。
 
この日に見つけられなかったものの一部は、4月29日の朝練(第二次探索)で発見できた。しかしながら、依然として未発見・未探索部分も残されている。改めて、機会を見つけてアタックする所存である。
 
 
前回ラストに「衝撃の結末が!」とか書いたのは、完抜けしなかったことに衝撃を受ける方がいるかも…と思って(笑)。大した意味はございませんでした。
 
 
 
 
以上、完結。