【ニコイトンネル後篇】より続く。
最後の左直角コーナーをクリアすると、ついに見えた外界の光。
久々の生還!って感じだ。デジカメのタイムスタンプによると、入洞からここまでジャスト10分。長いのか?短いのか?あまりにトリッキーな洞内のせいで、感覚が麻痺している…。
さて、外はどんなんだろう?なんか見えているが…。
良い廃景。
同業者にだけ理解しうる表現だろうが…(笑)。そこには廃色濃い…橋?なのか?ざあざあと瀬音が聞こえるからには橋なのだろうが、対岸に道の痕跡が皆無なのが異様な雰囲気を醸し出す。
そして外界へ出るまさにその地点に、なにやら立てかけられている。あれは…?
出~た~。
ニコイトンネル
延 長 134m
高低差 30m
トンネル内は急勾配で
す足元に充分ご注意下さい。
このスペックを見ての感想は様々だと思う。まずトンネル銘板に高低差表記がある時点で前代未聞だが、改めて感じたのが、10分かけて抜けて(登って)きたトンネル、あの延長がたった134mしかなかったのか!?という驚き。狭小断面、屈曲、階段そして暗闇。この全てに完全に五感を眩惑されてしまった。まさに魔窟。
そして、明らかに通行者に向けた注意書き。確かにこのトンネルが供用されていた時期があったことを意味する。そしてその文言は、特に下りについて書かれているように見える。
(失われただけかもしれないが)入洞時には見当たらなかったこの看板、上部坑口にだけ設置されていることに意味は見出せるのか?頭に疑問がよぎる…。
ちなみに銘板(看板?)の最下部、腐葉土で隠れているが、それをどけてみると…
「ニコイ高原管理センター」。まあ当たり前すぎるんやけど、納得。入り口は赤基調やったけどね。
さて、ようやく目前の橋と向き合う。
色んな意味でなんやコレ
…えーっと、まず橋上にあるものの意味がしばらく分からなかった。なぜか撮影し忘れたが、右下の河中を見て納得。これは、そう欄干ですね。あまりにキレイに倒れてるんで、思わずこういう仕様かと思ってしまった。桁板は、なんていうのか、昔ながらの鉄板。
対岸は…
イカンイカン疲れてるみたいだネ!
なんか見えるけど!気のせいだネ!
橋上へ踏み出す。眼下には、雪解け水を含んだ急流。けっこうな水勢、水量だ。
上流側。ここは…。
そして下流側。…やはりここは、ニコイ大滝の上だ!画像奥、流れが消えている地点、あれこそがニコイ大滝の落ち口に違いない。ここでようやく脳内でトンネルの全貌が…ちょっとだけ分かった気が…。
おっと、忘れちゃいけない、ここで振り返り。
ニコイトンネル、上部坑口。離れて見るともっとイイんやけど、まだ出さない(笑)。