ニコイの深淵【4】~Jaws of the ABYSS ・ ニコイ大滝上の謎穴 | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
 
 
廃桟橋~廃橋~廃隧道~廃橋。めくるめくようなニコイの廃ランド。その最奥部に鎮座する謎の穴。なんと禍々しいんだ!あの思わせぶりな扉の開き方…。見ようによっては、爬虫類動物の目のようにも見える。
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上の画像はトンネル坑口からズームしたもの。あそこへ行くには…ということで、再度この画像登場。
一見して分かるように、橋を渡ってからのちょっとした距離がけっこうリスキー。しばしの検討の後、最短距離のトラバースは危険と判断、まず直登してから左へ下るルートを選択。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんかこの辺りもう撮影がおろそかになっててあまり使える画像がないのだが、直登中に見下ろしたのがこれ。
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画像右側、足を滑らせれば余裕で急流へ一直線なのが一目瞭然。それよりも、このアングルで先ほどの橋のヤバさが分かる。桁の鉄板を支える二本のH鋼、そのうち一本がほぼ宙に浮いている事実。このニコイにまともなものなどないのか!?
 
 
 
 
そして、穴の前へ到達。そこからの振り返りが
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ニコイトンネルのベストアングルではないかと。
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イイねぇ~!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、いよいよ問題の穴に直面。やたら近いが、これ以上下がると滑落必至なので…(汗)。
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半壊した扉には南京錠がぶら下がっている。何者かがこじあけたのだろうか?ひときわ目をひくのが「火気厳禁」の赤い表示。この言葉から連想するのは火薬や薬品類だが、果たしてこの穴の用途はなんだったのか…?
 
まずは中をちらっと。
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うーん…。物置か?予想に反してあまり怖くなさそう?まあ入ってみよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
中にあったのはいつのものとも知れない金属製キャビネット。錆び切っており、なおかつバラバラの無残な姿だ。そして…ちょっと待ってぇな…あの奥…。
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ああ…アレはあかーーん(泣)。
怖くなさそうとか言ってごめん(謎)
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ひと目見て、これ以上の深入りはやめようと思った。実際、この奥をのぞきこむこともしていない。ここまで逝っといてなんで?と、今なら自分でも思うのだが、あの時は…なんだろう。
 
ここに至るまでで充分におなかいっぱい(爆)だったこと、あまり時間的余裕がなかったことなど、理由はいくつか挙げられる。が、やっぱりこの穴の発散する異様な雰囲気、これに尽きる。
 
極狭の穴は急に左カーブして下っていくように見え、勇者ではない自分は未知の穴に匍匐前進で(あるいはそれに類する方法で)潜っていく気にはなれなかった。そう、怖かったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「OK、わかった。もう十分だ。」(あれ?どっかで聞いたような…) 
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帰ろう、相棒が待っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もちろん、来た時と同じルートだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちなみに謎穴からの帰還所要時間、ジャスト20分。
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ネットで先人のレポ・記事を見ていると、どうもあの謎穴は鍾乳洞の入り口である(とされている)ようだ。崩落しているとかいないとか、まあ情報は錯綜している…というか、はっきりしたことはよくわからない。また、かつては逆回り、つまりどこかから謎穴のほうへ降りてきてトンネル、そして滝へ、というルートも存在したようなのだ。あるいはその順序のほうがメインだったのかも。
 
前回チラッと触れたのだが、トンネルの通行に関する注意を含んだ看板が上部坑口にしかなかったのは、そういう事情の可能性も排除できないと思う。
 
 
今回ご紹介したニコイの廃物件群は、観光開発が頓挫してのもの。だがニコイ高原の一部土地売買に関する訴訟が起こるなど、近年もニコイ周辺での動きがないわけではない。
 
行政としては、本当はあの滝見橋を撤去してしまいたいのが本音なのだろうが、そんな予算もないだろう。現代においてニコイ大滝を観光資源として活かすならば、あのおぞましい廃橋は撤去して、もっと下流から遡って滝の全貌が見える辺りまで、自然を最大限生かした遊歩道を整備するのがベストだと思う。しかし…
 
我が趣味的見地から言えば、今の状態がある意味理想なのだろう。遅かれ早かれ、このまま放置を続ければあの橋は、(そしてあの橋も)落ちる。それが10年後か20年後かそれとも…明日か。その暁には、自動的にあのトンネルは孤絶した伝説の物件となる。賞味期限にはまだ余裕があるのか、残り少ないのか。
 
個人的ジャッジは、後者。でも、しつこいようだが、お勧めはしない(爆)。
 
 
 
 
以上、完結。