新潟「越乃鹿六 純米吟醸生酒」気持ち中濃寄りの甘旨味がねっとり、こってりとした世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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新潟県五泉市の近藤酒造さんのお酒を何本か取り寄せて飲み比べをしました。

1本目はこれです。

 

越乃鹿六(こしのかろく)純米吟醸生酒」。

 

 

近藤酒造のある五泉市はその名の通り、「五つの泉が湧き出ていた」と言われるほど湧水が多く、水が豊富な場所です。

実は新潟県は山間を別にすると良質な水が出る場所は少ないのです。

新潟平野はかつて多くの油田が掘られるぐらい、石油資源が豊かでした。

ということは井戸を掘っても、飲料、ましてや酒の仕込み水には向かないことが多く、現在も大手を含めて仕込みに水道水を使っている蔵が多いのです。

 

 

それが五泉市には良い水が出るので、近藤酒造は1865年の創業以来、敷地内の井戸水を使って酒を醸しています。

 

1本目にいただくのは、55%精米の純米吟醸酒、生酒です。

 

 

上立ち香はトロトロで粘り気のある甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にうっすらととろみ層を乗せて、ゆったりとしたムードで忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの粘っこい粒々を連射してきます。

 

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は水飴っぽい粘度の強いタイプ、旨味は凹凸の目立つコクが重なり合った印象で、両者はねっとり、こってりとした世界を踊ります。

 

流れてくる含み香はサシの入った生酒らしい湿潤な香りでデコレート。

後から酸味は皆無、渋味が少量現れてメリハリをつけるものの、甘旨味は最後までマイペース崩さず、粘っこい世界が終幕まで続くのでした。

 

 

それでは、近藤酒造のお酒、2本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(25年140銘柄目)

銘柄名「越乃鹿六(こしのかろく)純米吟醸生酒 2024BY」

酒蔵「近藤酒造(新潟県五泉市)」

分類「純米吟醸酒」「生酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「17~18度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2090円」

評価「★★★★★(7.5点)」