山形「出羽桜 純米吟醸生酒 出羽燦々」ノーブルな甘旨味がマイルドに隙を見せずに踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

出羽桜(でわざくら)純米吟醸生酒 出羽燦々」。

山形県天童市の出羽桜酒造さんが醸しているお酒です。

 

出羽桜酒造では今年(2024)3月に労災事故が起きました。

 

製造部の51歳の男性が酒瓶を2階から1階に運ぶ作業を行っていたところ、誤って転落したようです。

一人で作業をしていたので、しばらくしてからテーブルリフトの上で倒れているのを社員に発見され、救急車で病院に搬送されましたが、死亡が確認されたそうです。

 

 

酒蔵の労災事故というのは結構な数、起きていますが、近年は安全対策の徹底などもあって、醪への転落事故などは減っていると思います。

しかし、それ以外でもフォークリフトがらみの事故は意外となくならないものです。

小さな蔵ではなく、大手の蔵でこのような事故が起きたことは、会社としての安全対策に厳しい目が向けられると思います。

蔵元さんには本当に気をつけてほしいです。

 

さて、いただくお酒は出羽燦々50%精米の純米吟醸、生酒です。

 

 

上立ち香は安定感のある薄甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触を振りまきながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

 

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の幅のあるタイプ、旨味はシンプル無垢でシルキータッチの印象で、両者は足並みを揃えて、隙の無い優等生的な舞いを披露します。

 

流れてくる含み香もごくスタンダードな香りで、生酒特有の香りは皆無。

後から酸味はごく少量ですぐに消え、渋味はそこそこ現れて、味わいに薄氷の輪郭を施します。

甘旨味のエリート然とした舞いが終盤までやや単調に続くのでした。

 

 

いつもの出羽桜酒造のお酒でした。

 

お酒の情報(24年164銘柄目)

銘柄名「出羽桜(でわざくら)純米吟醸生酒 出羽燦々 2023BY」

酒蔵「出羽桜酒造(山形県天童市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「出羽燦々」

酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=1760円」

評価「★★★★★(7.5点)」