兵庫「龍力 純米 神龍錦70」均整の取れた甘旨味が健やかな含み香に囃されて潤いたっぷりの踊りを | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

船橋の銘酒居酒屋「ナイン」さんにお邪魔しました。1人でお邪魔をし、気になるお酒をいくつかいただくことにしました。

 

1本目はこれです。

 

 

龍力(たつりき)純米 神龍錦70」。

兵庫県姫路市の本田商店さんが醸しているお酒です。

 

この神龍錦という酒米は本田商店が自力で開発し、2022年4月に酒造好適米に登録されたものです。

 

まずは、裏貼りで蔵元が語っていますので、ご紹介します。

 

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龍力は、酒米の王様と言われる「山田錦」と、兵庫県御津町発祥の伝説のお米「神力」を交配し、12年の歳月をかけ、新品種を生み出すことに成功しました。

日本酒の蔵が、お米を栽培することはありますが、新品種を生み出すということは非常に珍しいことです。

日本のお米の未来を見据え、龍力は挑戦と歩みを止めません。

全力で日本のお酒造りを楽しみます。

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酒蔵が新しい米を開発するというのは非常に珍しいことは確かですが、「十四代」を醸す高木酒造は「酒未来」「羽州誉」「龍の落とし子」の3品種を開発しています。

 

本田商店は10年以上栽培を重ね、酒米としても優れた性質を持っていると確認できたことから、2022BYから本格醸造に入っています。

いまのところ、自社のみで取り組む予定です。

 

70%精米の純米酒です。

 

 

上立ち香は引き締まった薄甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触を強調しながら、まっしぐらに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままにテンポ良く膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系に別個性の甘さが加わったタイプ、旨味はシンプル無垢で肌理の細かな印象で、両者は足並みを揃えて、均整の取れた舞いを披露します。

流れてくる含み香は多彩な甘い香りでデコレート。

後から酸味は僅少、渋味が適量現れて、くっきりとしたアクセントを施します。

甘旨味は心地良さそうに最後まで潤いたっぷりの世界を描き切るのでした。

 

山田錦の特性を引き継いだ味わいでした。

 

お酒の情報(24年146銘柄目)

銘柄名「龍力(たつりき)純米 神龍錦70 2023BY」

酒蔵「本田商店(兵庫県姫路市)」

分類「純米酒」

原料米「神龍錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「70%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=1980円」

評価「★★★★★(7.6点)」