愛知「醸し人九平次 純米大吟醸 雄町」五味が絶妙なバランスを取りながら、隙のない舞いを見せる | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

醸し人九平次 純米大吟醸 雄町」。

名古屋市の萬乗醸造さんが醸しているお酒です。

 

萬乗醸造の蔵元の久野九平治さんは「日本酒もワインと同じ、原材料で味が決定的に変わる」との信念を持ち、ワイン的な発想を酒造りに取り込んできています。

フランスのワインシャトーも購入し、ボトルもワイン的なデザインがどんどん取り入れられています(今夜いただくのは少し違いますが)。

お酒の裏ラベルでもワイングラスで飲むことを推奨しています。

 

 

こうした活動から、ワイン販売大手のエノテカが九平次のお酒の取り扱いを始めています。

もちろん、日本酒では第一号です。

ただし、近年、多くの酒蔵がワインを意識して高額のお酒のラインナップを充実させてきており、ワインショップに日本酒(火入れ)が並ぶ風景もいずれ当たり前になるのではと、空太郎は想像しています。

 

さて、今夜いただくのは、雄町50%精米の純米大吟醸、火入れです。

 

 

上立ち香はとっても品のいい薄甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快なスピードで駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自立的に半ば浮き上がるようにして膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の澄み切った粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢で気持ちざらつき感もあって、両者は足並みを揃えて、流麗なワルツを踊ります。

流れてくる含み香も均整の取れた薄甘い香りでデコレート。

後から酸味が適量、渋味が少量現れて、絶妙なメリハリを付与。

甘旨味は心地良さそうに、潤いたっぷりの世界を最後まで描き続けるのでした。

 

九平次はいつ飲んでも、頂点に迫る味わいです。

 

お酒の情報(24年139銘柄目)

銘柄名「醸し人九平次 純米大吟醸 雄町 2023BY」

酒蔵「萬乗醸造(名古屋市)」

分類「純米大吟醸酒」

原料米「雄町」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=2200円」

評価「★★★★★★(7.8点)」