自宅の晩酌に新潟県長岡市の朝日酒造さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。
最後の4本目はこれです。
蔵を見学したことで、いわゆる1000石以下の銘酒小蔵と比べた酒造りの違いを再確認しました。
原料処理現場は見せてくれませんでしたが、10~15㌔単位で洗米はしていないようでした。
麹造りは自動製麹機が大半で、ごく一部が手造りです。
仕込みの大きさは朝日蔵は総米3㌧、地酒蔵の2倍ですし、松籟蔵は6㌧です。
ちなみに、久保田をデビューさせる以前は12㌧だったそうです。
こうした大量醸造に加えて、やはり、決定的な違いは搾った後、朝日酒造ではほぼ全量がタンク貯蔵であることでしょう。
冬場の超季節商品で仕込み1本だけの場合はすぐに瓶詰め出荷する場合もあるそうですが、大半は同じスペックのお酒をたくさん造ってタンクに貯蔵し、それを出荷前にブレンドして瓶詰めしています。
大半の銘酒小蔵が火入れにしても限りなく生酒の良さを残そうとして瓶貯蔵しているのとは真逆といっていいでしょう。
ま、いまでも生産石数は30000石近いだけに、瓶貯蔵が現実的でないことは確かですが。
さて、最後の4本目は、地元産越淡麗、50%精米の純米大吟醸、火入れです。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面をワックスをかけてキラキラと輝かせながら、ツルツルの触感で滑り込んできます。
受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの透き通ったガラス玉様の粒々を連射してきます。
甘味はザラメ糖系のドライなタイプ、旨味はシンプルで艶やかな印象で、両者は仲良く肩を並べて、流麗なワルツを踊ります。
後から酸味は皆無、渋味が少量現れて、効果的なアクセントを付与。
味わいは終盤まで乱れることなく、調和のとれたハーモニーが終盤まで続きました。
正統派の大吟醸酒でした。
銘柄名「朝日山(あさひやま)純米大吟醸 越淡麗 2022BY」
酒蔵「朝日酒造(新潟県長岡市)」
分類「純米大吟醸酒」
原料米「越淡麗」
使用酵母「不明」
精米歩合「50%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「720ml=1965円」
評価「★★★★★(7.6点)」