山形「楯野川 無我 グリーンボトル」上質な甘旨味がやんちゃ坊主のようにキレよく駆け回る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

楯野川(たてのかわ)無我 グリーンボトル 純米大吟醸生原酒」。

山形県酒田市の楯の川酒造さん醸しているお酒です。

 

先日、久しぶりに楯の川酒造の蔵にお邪魔してきました。

瓶詰めされたお酒にラベルを貼るなどして出荷までを受け持つ製品部の仕事を見学させてもらいました。

朝7時30分から作業が始まるのですが、その際の朝礼では「クレドカード」の読み上げが行われていました。

 

 

楯の川酒造のクレドカードは「経営理念」「ミッション」「基本方針」「人事ビジョン・人事ポリシー」「フィロソフィー」からなり、それぞれの要点を読み上げています。

これはそれぞれの職場でも行われていて、すでに楯の川酒造が家業ではなく、企業であることを感じさせる光景でした。

 

さて、2本目にいただくのは、1本目と同じ無濾過生原酒の純米大吟醸です。米がこちらは出羽燦々です。

 

 

上立ち香は生酒らしい初々しくもシャープさを感じさせる甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡をかすかに包含したとろみ層を乗せて、キビキビとした態度で滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自立的にグングンと膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系の適度な奥行きを感じるタイプ、旨味はシンプル無垢で滑らかな印象で、両者はエネルギッシュにジグザグに駆け回るのです。

流れてくる含み香は1本目とは異なる個性を放って、薄化粧を付与。

後から酸味と渋味は僅少現れて、薄氷の輪郭を施します。

甘旨味は終盤まで活力を落とさずに、やんちゃ坊主のようにキレよくグルグルと駆け回り続けます。

飲み下した後の余韻はクリアで短いものでした。

 

 

文句なしの生原酒でした。

それでは、楯の川酒造のお酒、もう一本いただくことにします。

 

お酒の情報(24年131銘柄目)

銘柄名「楯野川(たてのかわ)無我 

グリーンボトル 純米大吟醸生原酒 2023BY」

酒蔵「楯の川酒造(山形県酒田市)」

分類「純米大吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「出羽燦々」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=2420円」

評価「★★★★★★(7.7点)」