新潟「山城屋 1ST CLASS」五味が手堅く、無難に中庸の世界を描く | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

山城屋(やましろや)1ST CLASS(ファーストクラス)」。

新潟県長岡市の越銘醸さんが醸しているお酒です。

 

越銘醸はコロナ禍以後、動きが急に活発になり、何があったんだろうと思っていました。

すると、小林幸久社長の娘婿だった吉原雅史氏が2020年1月に後継者として蔵入りしていたのです。

コロナ禍で打撃を受けていた真っ最中でしたが、特約店流通の山城屋拡販のために次々と手を打っています。

 

特に出色なのは、湖池屋と組んでポテトチップと日本酒のコラボ(セット販売)などを実現させていることです。

その折には外部の頭脳も上手に活用しているようで、結構な話題になるとともに、売上増にも貢献しています。

 

 

また、山城屋の銘柄については、表ラベルを山城屋の文字としゃれたデザインだけのすっきりとした眺めにして、裏ラベルでもスペックはほとんど書かないという戦略に切り替えています。

今後もさらなる変革が起きるのではないか期待しています。

 

 

上立ち香は手堅い酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、気持ちスベスベの感触をアピールしながら、穏やかな雰囲気で滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の儚いタイプ、旨味はシンプル無垢で感触は鮫肌のよう。

甘味はすぐに昇華して、旨味が紳士的に踊ります。

流れてくる含み香も素朴な酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味は皆無、渋味が微量現れて、旨味に巻き付くのです。

味わいは引き締まり、ゆったりとしたテンポで少しずつ縮退して、最後は喉の奥へと消え去って行きました。

 

まさに、スタンダードな仕上がりでした。

あと少し、輝く個性がほしいところでした。

 

お酒の情報(24年96銘柄目)

銘柄名「山城屋(やましろや)1ST CLASS(ファーストクラス)

 2023BY」

酒蔵「越銘醸(新潟県長岡市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=1870円」

評価「★★★★(7.4点)」