山口「わかむすめ 瑠璃唐草 純米吟醸 無濾過生原酒」適度な色気を放ちながら甘旨味が可憐に踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。

 

 

わかむすめ 瑠璃唐草 純米吟醸 無濾過生原酒」。

山口市の新谷酒造さんが醸しているお酒です。

 

新谷酒造は今季の造り(2023by)を前に、搾り機を新しくしました。

藪田産業の最新鋭圧搾機なのですが、驚いたのが、その色でした。なんとド派手なピンク色なのです。

「蔵元杜氏の新谷文子さんの趣味なのだろうなあ。特注してでも、他の蔵とは違うインパクトを狙ったのだろう」と空太郎は勝手に想像したのですが、特注ではなく、色合いは120色の中から選べるのだそうです。

 

 

新谷さんによれば、

「当初はコーポレートカラーの牡丹色にしようとしたものの、派手すぎるピンク色に社長(旦那の新谷義直さん)がドン引き。もう少し穏やかな、桜色に近いピンク色に決まりました」

とのことでした。

いやいや、これでも、まだド派手です。

ほとんどの酒蔵は定番の水色ですので、十分に我が道を行っていると思います。

 

さて、今夜いただくのは、酒米非公開の60%精米、純米吟醸、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は生酒らしいフレッシュでやや太めのとろりとした香りが鼻腔を撫で回します。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触を振りまきながら、思わせぶりな態度で忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポ良く膨らみ、拡散して、適度な大きさのウエットな粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の妖艶さを感じさせるタイプ、旨味はシンプル無垢でやや粗めな印象で、両者は足並みを揃えて、適度な色気を放ちながら踊ります。

流れてくる含み香は多彩なジューシーさで派手めにデコレート。

後から酸味は微量、渋味が適量現れて、味わいをしっかりとクリアな世界へと導きます。

甘旨味は終盤まで活力を落とさず、最後は反転縮退して昇華して行きました。

 

ここ数年、酒質は着実に上がってきました。今後に期待します。

 

お酒の情報(24年94銘柄目)

銘柄名「わかむすめ 瑠璃唐草 純米吟醸 無濾過生原酒 2023BY」

酒蔵「新谷酒造(山口市)」

分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「15.5度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=1770円」

評価「★★★★★(7.6点)」