茨城「球春 純米」緩いカーブがストライクゾーンぎりぎりに入る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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荒木町の人気居酒屋「純ちゃん」にお邪魔しました。

今夜も極上のつまみと共に25種類のお酒を堪能しましたが、その中から3つご紹介します。

1本目はこれです。

 

 

球春(きゅうしゅん)純米」。

茨城県筑西市の来福酒造さんが醸しているお酒です。

 

見たことも聞いたこともないお酒なので、瓶の裏貼りを見て、造っている蔵が来福酒造であることを知りました。

春の高校野球とプロ野球のシーズン開始にひっかけた企画品だろうなあ、と思ったらその通りでした。

蔵のブログでは次の様な案内が3月4日付けでありました。

 

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企画商品として、「来福 純米酒 球春」をリリースしました。

3月28日よりプロ野球も開幕となりますね。

テレビの前やスポーツバー、居酒屋などでこの一本とともに乾杯しませんか。自分で飲むのもよし!、野球好きの方への贈りものでもよし!。

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こういう安易な(失礼!)企画品というのは誰でも考えつくものなので、空太郎が驚いたのは「球春」という商標が登録されていなかったことです。

びっくりです。

蔵元の藤村俊文さんはほくそ笑んでいることでしょう。

ただ、旬は4月上旬まででしょうから、仕入れた酒販店もすみやかに売り切ってしまわなければならないので、大変だったかも知れません。

 

70%精米の純米酒、火入れです。

 

 

上立ち香は大人しめの穏やかな薄甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡をわずかに内包したとろみ層をうっすらと乗せて、ゆったりとした雰囲気で忍び入ってきます。

受け止めて舌の上で転がすと、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬めの粒々を速射してきます。

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系の肥えたタイプ、旨味はややブヨブヨとした印象で、両者はごくごく平凡に踊ります。

流れてくる含み香も地味な薄甘い香り。

後から酸味は皆無、渋味がわずかに現れて、アクセントをかろうじてつけるのです。

甘旨味は終盤まで単調な舞いを続け、飲み下した後の余韻も気持ち残渣のようでした。

 

 

やはり、企画品の域をでない味わいでした(すみません)。

 

お酒の情報(24年83銘柄目)

銘柄名「球春(きゅうしゅん)純米 2023BY」

酒蔵「来福酒造(茨城県筑西市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「70%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=2800円」

評価「★★★★(7.5点)」