広島「烏輪 赤いからす 特別純米」肌理の粗い甘旨味が渋味と共に、味わいを毛羽だたせる | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

烏輪(うりん)赤いからす 特別純米」。

広島市の旭鳳酒造さんが醸しているお酒です。

 

「旭鳳」を主力銘柄にしている蔵が最近、新しくデビューさせたのが「烏輪」です。それについて、蔵元が詳しく語っていますので、そのままご紹介します。

 

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「烏輪」というブランドは、旭鳳酒造の7代目である濱村洋平の新しい挑戦です。旭鳳酒造は広島市北部の可部という町にある酒蔵で、慶応元年(1865年)に創業し、現在創業158年になります。

代表銘柄「旭鳳」は、蔵が積み重ねてきた歴史や想いを承継し、可部のその土地らしさを大事にしながら、今日も新たな歴史を紡いでいます。

 

「烏輪」は「旭鳳」で培った技術的・精神的土壌に、七代目自身の、今この瞬間の感性を芽吹かせて創り上げるブランド。

同時代の人たちを巻き込んで、高く、遠くに羽ばたいていくための新しい翼です。

烏輪とは「太陽」を表すことが。烏輪がつくるのは「ひだまりで飲みたいお酒」。

キラキラとした日差しの昼間、そして笑顔がさんさんとこぼれる夜に、日々のささやかな幸福を祝福し、あなたの隣に寄り添います。

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赤いからすはそのシリーズ第一弾。

裏貼りで追加の説明があります。

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「赤いからす」の特徴である、自社酵母による爽やかな酸の輪郭は残しつつ、米の旨味、栗を思わせるまろやかな味わいがじんわりと広がります。

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中生新千本60%精米の特別純米酒、火入れです。

 

 

上立ち香は地味な酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、よく踏み固められて平滑になった表面に打ち粉を振って、ややザラザラとした感触を強調しながら、まっしぐらに駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に粛々と膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味と旨味が等量。

甘味は上白糖系のカラカラに乾いたタイプ、旨味は複数の肌理の粗いコクが織り上がった印象で、両者は気持ちギクシャクした感じで駆け回ります。

流れてくる含み香はチクチクとしたアルコールの香り。

後から酸味が少量、渋味が結構な量現れて、渋味は甘味とともに、味わいを毛羽立たせながら、踊ります。

終盤まで褪せたような世界が続き、飲み下した後の余韻も余熱を持ったものでした。

 

まだ、挑戦は始まったばかり、ということでしょうか。

 

お酒の情報(24年60銘柄目)

銘柄名「烏輪(うりん)赤いからす 特別純米 2022BY」

酒蔵「旭鳳酒造(広島市)」

分類「特別純米酒」

原料米「中生新千本」

使用酵母「自社酵母」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3300円」

評価「★★★(7.2点)」