飲み放題日本酒酒場51 あおもん」水尾、惣誉、賀儀屋、大七、雅山流・・・・ | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

近年、飲み放題設定のある銘酒居酒屋で飲める日本酒のレベルが急ピッチで上昇しています。

どのぐらい飲み放題ができるお酒の質が上がっているかを、いろいろな店を巡り、散発的にご報告していきます。

 

第51弾は五反田の「あおもん」さんです。

「あおもん」は料理10品に、店が用意した10種類弱の日本酒を2時間飲み放題(席は2.5時間)で税込み7000円です。

初来店で、すぐに「日本酒のメニューをください」というと、フロア担当の女性が「お好みを言って下さればそれに合う日本酒を持ってきます」との返事。

「こちらで好きなお酒を選びたいから」と言うと、戸惑った様子なので、種類が少ないし、どっちにしろ、置いてある日本酒をすべて飲むことになるのだからと、気持ちを変えて、おまかせすることにしたのです。

 

1本目にいただいたのはこれです。

「水尾(みずお)特別純米生酒 金紋錦」。

長野県飯山市の田中屋酒造店さんが醸しているお酒です。

 

とろりとした飴っぽい甘旨味が疲労気味にノロノロと徘徊を続ける味わいで、これは生酒を抜栓して時間が経過した生ダレが起きているなと感じました。

6.0点。

 

2本目にいただいたのはこれです。

「惣誉(そうほまれ)特別純米 辛口」。

栃木県市貝町の惣誉酒造さんが醸しているお酒です。

 

上白糖系の甘旨味が主導で、キリリとした世界を描き、飲み下した後の爽快感もなかなかで、辛口表示に納得でした。

7.5点。

 

3本目にいただいたのはこれです。

「賀儀屋(かぎや)純米 無濾過 和みラベル」。

愛媛県西条市の成龍酒造さんが醸しているお酒です。

 

ザラメ糖系の奥行きのある甘味と多彩なコクが織り上がった旨味が堂々とした態度で主張する印象でした。

7.5点。

 

4本目にいただいたのはこれです。

「大七(だいしち)純米生酛 生詰」。

福島県二本松市の大七酒造さんが醸しているお酒です。

 

ヘビー級の甘旨味が乳酸を従えて、重厚に足を引きずりながら徘徊する印象で、飲みにくかったです。

7.0点。

 

5本目にいただいたのはこれです。

「裏・雅山流(うらがざんりゅう)本醸造 無濾過生詰」。

山形県米沢市の新藤酒造店さんが醸しているお酒です。

 

ライト級の甘旨味が軽快に舞い、涼やかな含み香がさらに甘旨味の舞いをふわふわとしたものにしていました。

醸造アルコールの効果を感じました。7.5点。

 

6本目にいただいたのはこれです。

「神心(かみごころ)純米大吟醸 無濾過生原酒」。

岡山県浅口市の嘉美心酒造さんが醸しているお酒です。

 

良質の甘旨味が伸びやかに心地良さそうに踊り、酸渋が明快なアクセントをつけて、美しいフィニッシュを迎えました。

ここまでで一番の美味さでした。8.0点。

 

7本目にいただいたのはこれです。

「流輝(るか)純米吟醸 おりがらみ生酒」。

群馬県藤岡市の松屋酒造さんが醸しているお酒です。

 

やや特徴のない凡庸な甘旨味が静かに舞い、最後に渋味が取り纏めて、余韻は短かったです。

7.0点。

 

最後の8本目にいただいたのはこれです。

「景虎(かげとら)特別純米」。

新潟県長岡市の諸橋酒造さんが醸しているお酒です。

 

凡庸な甘旨味にヒネが入り、さらに火冷め臭が気になりました。残念でした。6.0点。

 

「あおもん」の店名の通り、青魚を中心とした料理で、光り物の刺身が美味く、特筆できるのは鯵フライでした。

これは店が「半熟」と説明するように、鯵の内部はまだ半生なのですが、それが少ない衣と相まって、本当に軽い仕上がりで、日本酒にもぴったりでした。

 

ですが、日本酒のラインナップは少ないし、こちらで自由に選べないし、しかも、ひねたのもありで、飲み放題部分は改善の余地が大いにあると感じました。

4.3点(★★★)としました。

飲み放題を選ぶかどうかは読んでいる方に判断をおまかせしますが、絶品鯵フライは一度は食べて見てください。

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総合評価が4.8点以上の秀逸飲み放題居酒屋は以下の通りです。

居酒屋純ちゃん(荒木町)、つくしのこ(池尻大橋)、常笑(中野)、サケラボトーキョー(十条)、鳥酎はなれ(飯田橋)、ナイン(船橋)、GASHUE(仲御徒町)、日がさ雨がさ(四谷三丁目)、MrHappy(神保町)、オールザットジャズ(荒木町)、まき野(高田馬場)