自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
山形県天童市の水戸部酒造さんが醸しているお酒です。
山形県の4蔵(水戸部酒造、楯の川酒造、小嶋総本店、男山酒造)が共同で、シーズンごとに輪番で醸造・販売している山川光男は、今回は水戸部さんです。
毎回、その酒を醸した蔵元が「あーでもない。こーでもない」と能書きを考えているそうです。
今回もそれを紹介します。
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最近太ってしまったことをきっかけに健康に目覚めた光男さん。
酒のアテもヘルシーなものを研究中でしたが、どうやら発酵食品を使った、とにかく簡単でおいしいレシピが完成したようです。
今回の酒はそんなアテにぴったりな、白麹を用いた製造方法でクエン酸リッチな味わいです。
レシピはSNSで公開中、ぜひお試しあれ。
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SNSを覗くと、お勧めレシピは鶏むね肉のヨーグルトみそ漬け焼きでした。
ビギナーでも間違いなく作れる一品です。
さて、お酒は60%精米の純米酒です。
上立ち香はややざらついた酒エキスの香りが鼻腔をチクチクと刺激します。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉をたっぷり振って、ややざらついた感触を振りまきながら、まっしぐらに駆け込んできます。
受け止めて保持すると、自律的にぐいぐいと膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味6割、旨味4割。
甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢のやや粗い印象で、両者は仲良くリズムを合わせて、鋭角的にスレンダーな舞いを披露します。
流れてくる含み香はややチクチクとした酒エキスの香り。
その後から、酸味と渋味が結構な量現れて、これがパワフルに甘旨味を大きく包み込んで締め付けるのです。
酸味はクエン酸主体で梅干しの世界に近く、その勢いに甘旨味は押されて縮退に転じ、終盤になると酸渋が主役となって、口中は乾いてしわくちゃになっていきました。
いささか、酸渋が強すぎた感があります。
旨味とのバランスに改善の余地ありでした。
お酒の情報(23年124銘柄目)
銘柄名「山川光男(やまかわみつお)2023はる 2022BY」
酒蔵「水戸部酒造(山形県天童市)」
分類「純米酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「1800ml=4125円」
評価「★★★★(97点)」