和歌山「紀土 純米大吟醸 山田錦」鮮明で潤い溢れる甘旨味が都会的なダンスを踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。

 

 

「紀土(きっど)純米大吟醸 山田錦」。

和歌山県海南市の平和酒造さんが醸しているお酒です。

 

平和酒造はこの6月、南海電鉄和歌山市駅に隣接してオープンした大型複合商業施設、「キーノ和歌山」に直売所兼バー「平和酒店(HEIWA SAKETEN」を出店しました。

 

平和酒造は海南市の蔵には直売店はなく、これまでは特約店を紹介するだけでしたが、「飲み手の生の声を杜氏や蔵人が直接聞くことが重要」との山本典正社長の判断で初めてのお店を出したというわけです。

 

店は大変おしゃれで、空太郎も一度は足を運んでみようと思います。

 

 

地酒蔵は長年、販売は酒販店任せ、という姿勢の所が多かったのですが、近年は蔵の直売所を充実させたり、ネットショッピングに力を入れるなど、自力での販売にも乗り出すところが増えています。

 

SNSを含めて、自力での情報発信ができるようになったことも背景にあると思いますが、是非、こうした動きは広まってほしいものです。

 

さて、今夜いただくのは、山田錦50%精米の純米大吟醸酒、一回火入れです。

いただきます。

 

 

上立ち香はカプロン酸エチルの好ましい甘い香りが漂います。

玩味すると中程度の大きさの均整の取れた旨味の塊が、よく磨き込んで鏡面のようになった表面に産毛を適度に乗せて、周囲を刷毛で撫で回すように忍び入ってきます。

 

受け止めて保持すると、促される前に自律的にどんどん膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのクリスタル様の粒々を連射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味は鮮明でかつ厚みのあるタイプ、旨味はシンプルで肌理が細かく、両者はキビキビときれのよい都会的なダンスを踊るのです。

 

流れてくる含み香はデリシャスりんごの甘い香りでデコレート。

後から酸味が微量、渋味が適量現れて、甘旨味の舞いに効果的なメリハリを付与。

味わいは終盤まで衰えを見せずに進み、最後は反転縮小して、一気に昇華していきました。

 

 

まさに、これは紀土の看板商品です。

 

*一升3000円以下の美酒に登録します。

 

お酒の情報(20年189銘柄目)

銘柄名「紀土(きっど)純米大吟醸 山田錦 2019BY」

酒蔵「平和酒造(和歌山県海南市)」

分類「純米大吟醸酒」

原料米「山田錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税抜)「1800ml=2800円」

評価「★★★★★(4.5点)」