大阪の銘酒居酒屋で食事をしました。いただいたお酒のうち、いくつかを紹介したいと思います。
3本目はこれです。
「大賀(おおが)純米吟醸」。
福岡県筑紫野市の大賀酒造さんが醸しているお酒です。
大賀酒造は1673年創業で、九州地区の清酒会社としては最古の歴史を誇る老舗です。
古くて価値のある建物がたくさん残っていることから、2017年に老朽化した蔵の改築の時も建物の外観の部分にはほとんど手をつけず、内部の骨組みだけを鉄骨に切り替えました。
ただし、屋根については瓦をやめて、ガルバリウム鋼板にしたそうです。
大賀酒造は現在、特定名称酒が売り上げの7割を占めており、今後もその割合を増やしていく計画でいます。
特に蔵元の大賀信一郎社長がこだわっているのが“フレッシュローテーション”で、「近年の消費者の傾向は、フレッシュな酒を冷たくして飲むというスタイルなので、それにきっちりと対応して、リピーターを増やしていきたい」と話しています。
また、福岡の商圏だけでなく、首都圏や関西圏への拡販にも力を入れたいそうです。
確かに、ここ数年、首都圏の地酒市場でもチラチラと散見されることが増えてきたように思います。
さて、今夜いただくのは、山田錦60%精米の純米吟醸酒、火入れです。いただきます。
上立ち香は芳しい薄甘い香りがほんのりと。
玩味すると、中程度の大きさの均整の取れた旨味の塊が、平滑になった表面にとろみ層を適度に乗せて、余裕たっぷりの態度で、忍び入ってきます。
受け止めて保持すると、自律的に軽快なテンポで膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス玉様の粒粒を連射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。
甘味は氷砂糖を思わせるひんやりとした甘さが中心、旨味はシンプルで個性を抑えた印象で、両者はお互いに譲り合いながらヘルシーな舞いを展開します。
流れてくる含み香はフレッシュフルーティーな甘い香りが適度にやってきて薄化粧を施します。
後から酸味と渋味は僅少で、甘旨味の独壇場が続きます。
後半になると徐々に甘旨味が縮退し、そのピッチを尻上がりに上げながら小さくなって、そのまま一気に昇華していきました。
前から気になっている大賀ですが、ラベルデザインはもう少し改良した方がよいかと思います。
お酒の情報(20年25銘柄目)
銘柄名「大賀(おおが)純米吟醸 2018BY」
酒蔵「大賀酒造(福岡県筑紫野市)」
分類「純米吟醸酒」
原料米「山田錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「60%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「○」
標準小売価格(税抜)「1800ml=2800円」
評価「★★★★★(4.3点)」