JALの酒①「長命泉 純米吟醸」凡庸な甘旨味がのろのろとか弱く踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

JAL(日本航空)のビジネスクラスで豪州へ遊びに行ってきました。

もちろん、ラウンジでも機内でもしっかりと日本酒を楽しみましたので、ご報告します。

さくらラウンジでの1杯目はこれです。

 

 

「長命泉(ちょうめいせん)純米吟醸」。

千葉県成田市の滝沢本店さんが醸しているお酒です。

 

滝沢本店の創業は明治5年(1872)創業です。

創業者で新潟出身だった滝沢栄蔵氏が、江戸時代の末期に成田山に参拝した際に、この地で飲んだ井戸水の旨さに惚れて、酒蔵を建てたのだそうです。

ここの井戸水は「病気が治った」「長生きできた」と評判だったようで、そこで、銘柄を長命泉としたそうです。

 

成田山の表参道に蔵があることから、参詣客相手の小売りで長年やってきていました。

成田空港ができてからは、周辺のホテルなどにも地酒として売り込んで、事業を拡大。

いまも、表参道の売店には多くの外国人旅行客がやってきて、土産として買っていくそうです。

 

日本航空も「空港の地元で醸している地酒」ということで、ラウンジにはいつも、長命泉のお酒が置かれています。

 

60%精米の純米吟醸酒、火入れです。いただきます。

 

 

上立ち香は酒エキスの香りが少々。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、表面にとろみ層を適度に乗せて、ゆったりとしたペースで転がり込んできます。

 

受け止めて舌の上で転がすと、ややだるそうな態度でのろのろと膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのゴム毬様の粒粒を次々と射掛けてきます。

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は濃くもなく薄くもなくの中庸な印象、旨味もややふやけたようなタイプで、両者はのろのろとしたペースで徘徊するのです。

 

流れてくる含み香も酒エキスの粘っこい香り。

後から微量の渋味が現れて、アクセントをつけるものの、甘旨味の動きは鈍いまま。

最後に微量の辛さがくると、それをきっかけに縮退に転じ、そのまま、喉の奥へと吸い込まれていきました。

 

 

トラディショナルな純米吟醸でした。

続いて、さくらラウンジのお酒、2本目に参ります。

 

お酒の情報(19年241銘柄目)

銘柄名「長命泉(ちょうめいせん)純米吟醸 2018BY」

酒蔵「滝沢本店(千葉県成田市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格(税抜)「720ml=1240円」

評価「★★★★(4.0点)」