1.適格消費者団体
消費者機構日本(COJ)
2.概要
消費者機構日本は、医療法人社団サカイクリニック62(東京都渋谷区)に対し、再生医療や免疫療法などに関する広告表示が優良誤認表示に該当するとして、2024年以降、質問・申入れ・訴訟提起を行ってきた。
問題となったのは、同クリニックのホームページ上で「マクロファージ活性化療法」「エクソソーム点滴」「テロメア注射」などについて、実際よりも著しく優良であるかのように示す表示を行っていた点。
同機構は、当該表示が景品表示法第5条第1号(優良誤認表示)に該当するとして是正を求めたが、改善が見られなかったため、2024年9月に東京地方裁判所へ差止請求訴訟を提起。その後、2025年3月28日、同クリニックが優良誤認表示の削除および修正広告の掲示を行うことを確約したうえで裁判上の和解が成立し、訴訟は終了した。
3.経緯
2024年4月4日
消費者機構日本、医療法人社団サカイクリニック62に対し質問書を送付。
2024年4月12日・18日
同クリニック事務担当者より電話およびメールで「今後ホームページに掲載しない」「現在HPを変えている」との回答。
2024年5月8日・14日
同団体が改訂時期を確認したところ、同クリニックから「編集終了は来年になる予定」と回答。
2024年7月8日
同団体、正式な申入書を送付。景品表示法に反する表示の速やかな削除または改訂を求める。
2024年8月17日
同クリニックより「現在編集中で来年になる予定」との回答。
2024年8月29日
当機構、消費者裁判手続特例法に基づく差止請求書を送付し、相手方に到達。
2024年9月10日
是正措置が取られなかったため、東京地方裁判所に差止請求訴訟を提起(令和6年(ワ)第24453号)。
>>訴状
2025年3月28日
東京地方裁判所において裁判上の和解が成立。(東京地方裁判所令和6年(ワ)第24453号)
同クリニックが下記①の確約および②を実施することで和解となった。
①医学的効能及び安全性を裏付ける客観的・合理的な根拠資料を有することのない広告表示を行わないこと。
②広告表示の削除後も残る一般消費者への影響力なくす措置として当該医療社団法人のホームページ上に優良誤認表示(実際のものよりも著しく優良であると示す表示)があった旨、修正広告を和解成立日から1か月間掲示し、消費者への周知を行うこと。
>>和解調書