株式会社和漢 2025年9月22日 適格消費者団体の再申入に回答書 | 林田学監修:適格消費者団体の動向

林田学監修:適格消費者団体の動向

元政府委員・薬事法ドットコム社主の林田学です。適格消費者団体の動向についてお伝えしていきます。
適格消費者団体は、景表法・特商法に関して消費者庁を補完する役割を果たしており、その動向は重要です。

1.適格消費者団体

埼玉消費者被害をなくす会

 

2.概要

2025年5月7日、埼玉消費者被害をなくす会は、株式会社和漢に対し、同社が販売する機能性表示食品「スルフォラファン&ギャバの恵み」の広告表示について、景品表示法第5条第1号(優良誤認表示の禁止)に違反するおそれがあるとして、表示の使用停止または修正を求める申入書を送付。
これに対し、株式会社和漢は2025年5月28日付で回答書を提出し、各指摘に対する見解および一部表現の見直し意向を示したが、同年9月、同団体は再申入書を送付、これを受けた同社は再回答書を提出した。

 

 

3.経緯

2024年11月14日

埼玉消費者被害をなくす会、対象製品の広告表示に関する問い合わせを実施。

 

2024年12月3日

株式会社和漢、問い合わせに対して回答。

 

2025年5月7日

同団体は、同社が公式サイト等に掲載した「血中ALT値を下げる」「肝機能数値の対策に」「多くの方が見事に成功」などの表示が実際より著しく優良であると誤認させるおそれがある、また打消し表示が適切ではないとし、是正を求める申入書を送付。

>>申入書

 

2025年5月28日

 同団体が同社からの回答書を受領。

「ALT値を下げる」などの表示については景品表示法に違反しないとする一方で、「多くの方が見事に成功」など一部の表現は誤認の可能性があるとして見直しの意向を示した。

>>回答書

 

2025年9月8日

同団体、再申入れ。 

同社が修正不要としてた「ALT 値上昇の要因と広告表現」について、現状の記載では一般消費者がALT値の上昇要因が活性酸素以外にもあること、活性酸素を減らせば必ずしもALT値が直接的に下がるわけではないことを理解することは難しいと考えられるとし、使用停止、又は、適切な内容に修正を要望。

あわせて「スルフォラファンの抗酸化力により肝細胞を守る」という表現についても、スルフォラファンにより、肝細胞にある抗酸化力が高まるのであって、スルフォラファンに抗酸化力があるわけではないとし、使用停止、又は、適切な内容に修正を要望。

更に、同社が提示していた修正案が実装されていない点も指摘。

>>再申入書

 

2025年9月22日

同社、再申入れに対して回答書。

指摘をうけていた「ALT 値上昇の要因と広告表現」については、活性酸素の前文に「原因の1つである」と明示すると回答。

「スルフォラファンの抗酸化力により肝細胞を守る」という表現については「スルフォラファンは肝細胞の抗酸化酵素などの働きを高め、肝細胞を守ることが報告されています」に内容修正すると回答。

未実装と指摘を受けていた修正案については変更済みとした。

>>回答書