1350年前の7月24日から8月21日にあったといわれる壬申の乱。ちょうど始まった頃にそれを描いた最終章を読み始め、読了しました。
澤田瞳子さんにしか書けない、ならではの熱い大作でした
今では考えられないぐらい言霊の力があった古代。
それを操る女性歌人・額田王。
繰り出す歌の前後の情景、
一方、高松塚古墳壁画の女子群像のように色鮮やかな宮廷において、その色が見えない劣等感、
(土針(黄緑)、縹(はなだ水色)、朱華(はねず薄赤)など初めて目にする色の表現がより彩りを加えました)
宝王女(斉明天皇)の漢(あや)、葛城(一貫して中大兄ではない)、大海人の3王子の間で揺れ動き、
最強(最恐?)の女性・讃良(持統天皇)への嫌悪、嫉妬、信頼の複雑な感情、
大陸、半島、国内の緊迫した情勢、
見事に描き上げられてました
第5章挿絵は、タイトルの歌
古(いに)しへに 恋ふらむ鳥は 杜鵑
けだしや鳴きし 我が念(おも)へるごと
そもそも『飛ぶ鳥』と書いて『あすか』今気が付きました。
牽牛子塚古墳(斉明天皇陵)で鳥の鳴き声に耳を傾けたのもよいつながりでした
さて、大注目の壬申の乱は近江側に居た額田王視点。
読み応えありました。
犬上川でのごたごた、格好イイ村国男依も
今では和歌の聖地のようになった近江神宮にいろんな意味で行かねばなりません。