ということで、初読みの澤田瞳子さん「日輪の賦」読了しました。
直木賞受賞作は文庫本になってから・・・と思っていたある日、古本屋さんで名前を見付けてその本を手に取ってみると
好きだけどまだまだ良く知らない7世紀後半、持統天皇(この作品では讃良大王)の物語!
と言う事で、購入し読み始め、
読んでいる途中で、ブロ友さんの記事に澤田瞳子さんがちょっと登場してからの、日曜美術館だったのでした
天智天皇の娘であり、天武天皇の妃である持統天皇。
「天」とか「武」とか「神」とかが付いてないので名前(諡号)からはちょっと地味な感じですが、
聖徳太子の時代以来の念願の律令を完成させ、国号を日本と定めたとても重要な天皇。
出典は『継体持統』から来ていると巻末の解説にありました。
皇統にとっても継体天皇並みの重要な天皇。
(井沢元彦さんの「天武系排除」説、説得力あります)
納得でした。
さて物語の方は、そんな讃良大王が主人公のはずなんですが、あまり登場せず腹心や周りの人達のサイドストーリーが強く、ぼやけた感じでした。
そんな中、国号日本の決定の件は熱かったです。
書き写しておきます。
それは他国から与えられた名でも、なりゆきで付けられた国号でもない。この国の民によって選ばれた、日の御子の治らす日の国の名。
いつか、国土が悉く焦土と変じたとしても、この辺東の小国の民は、必ずや日本の国号の下に集い、立ち上がるだろう。そう、日々新たなる命を得る、あの力強き日輪の如く。
持統天皇は後の諡号なので讃良(さらら)と言うのはもちろんとしても、
(それでも、「さらら」とはなんとも美しい語感です)
大納言=おおい ものもうす の つかさ
刑部省=さばき つかさ
などと全てやまと言葉で読ませるのも良かったです。
とここで、来月出張ついでに河鍋暁斎の絵を観に行けるかもしれなくなりました
ということで、急遽「星落ちて、なお」を読み始めます