消灯時間になっても、手術当日の患者は戻りません。
ナースステーションのすぐ前(はっきり言って廊下にカーテンのみ)か、
同じく隣の2人部屋で過ごすことになります。
ということは、夜中も話し続けている向いのベッドは、
きれいにベッドメイキングされた別のベッドに変えられていました。
ようやくウトウトし始めた頃、
カンカンカン……
ベッドの柵を叩く音が響き始めました。
えっ! もしかして△△さん!
そう、カーテンで仕切られた廊下にベッドが置かれていたので、
話し声は聞こえませんでしたが、金属の音は響きます。
無事に手術を終えられたんだな、と安心するも、
一晩中鳴り続けた金属音には参りました。
最後の夜も睡眠不足。
そして夜は明け、看護師さんの挨拶と共に起床。
朝食を済ませると、
いつものように、談話室にある手洗いコーナーで歯磨きと洗顔。
6Fの窓から見える空は晴れ渡り、
容赦ない日差しが街並みに照り付けていました。
ここで歯磨きと洗顔をする患者さんは見たことがありません。
でも、せめて一日の始まりと終わりくらいは、
広い窓から外を眺めたい。
病室に戻ると、一緒に検査入院した方が退院の準備を始めていました。
私も時計を見ながらゆっくりと荷物をまとめることにしました。
すると9時少し前、看護師さんが回ってきて、
「総回診がありますから、ベッドにいてください」
と、病室の患者全員に聞こえる声で伝えて行きました。
この日は木曜日。
5年前と変わらず、木曜日の朝が総回診でした。
退院準備をしていた方がキョトンとした顔を私に向け、
「総回診って、テレビでは見たことがあるけど…」
と、尋ねて来ました。
「週に一度、整形外科部長と医師全員(多分)が、
入院患者全員を回診するんです。
あっという間に終わりますよ。」
と、答えると、
「ホントにあるんですね。」
と言って着替えをやめ、落ち着かない様子でした。
ほどなく、早足で整形外科部長を先頭に医師がやってきました。
患者ごとに主治医が説明をして、
整形外科部長が患者の顔(もちろん状態も)と、
カルテを一致させてさせているように感じます。
私の主治医は私のベッドの前に立ち止まったままで、
整形外科部長に一瞬(ホントにあっと言う間)説明し、
「ああ、4番と5番ね。」
と言って去って行きました。
すごいですね、私のこと頭に入ってる!
骨折で入院している患者が多いせいか、
私の主治医が担当している患者は少なそうです。
助教授でもありますから、他の仕事もあるのでしょう。
火曜日は外勤日に変わっていました。
その限られた患者の中にいることは、
ホントに幸せだと思っていますし、
めぐり会わせに感謝をしています。
総回診が終わると私はベッドを下り、
再度帰り支度を始めました。
すると、同じように帰り支度を始めた方が、
「これで終わり?」
と、あっけにとられた顔で尋ねて来ました。
「ええ、いつもこんな感じです。
先頭におられた白髪の多い先生が、有名なS先生です。」
そう答えると、
「えっ!今の中におられたんですか?
気付きませんでした。」
と、少し残念そうでした。
やっぱり有名なんですね。
神の手を持つ医師として紹介され、
その後も何度も取材を受けているほどの先生ですからね。
ダンナさんは9時半頃にやって来ました。
まだ精算が終わっていないので、
そのまま荷造りを手伝ってもらいながら、10時に。
看護師さんから精算の書類の説明を受け、
退院の書類にサインして、左腕に付けられたIDのリングが外されました。
病院の向いにあるスーパーのマルエツにこっそり行く時も、
いかにもパジャマ(部屋着)という服装でも、
このリングがあれば恥ずかしくない、魔法のリング。
一旦さようならです。
全部の荷物をまとめ終わって、
看護師さんに忘れ物のダブルチェックをしてもらい、
病室を出ました。
また2週間ほどで帰ってきますが、
退院のすがすがしさは格別です。
外は照り付ける太陽が、痛いほど肌に刺さってきます。
花壇には夏らしい花が植えられて、スプリンクラーが回っていました。
暑さに負けない、元気なルドベキア。
しっかりと空を見上げています。
また帰って来るよ!
私も病気と手術に負けないよう、
次に来た時も、ルドベキアに元気をもらおう!
ナースステーションのすぐ前(はっきり言って廊下にカーテンのみ)か、
同じく隣の2人部屋で過ごすことになります。
ということは、夜中も話し続けている向いのベッドは、
きれいにベッドメイキングされた別のベッドに変えられていました。
ようやくウトウトし始めた頃、
カンカンカン……
ベッドの柵を叩く音が響き始めました。
えっ! もしかして△△さん!
そう、カーテンで仕切られた廊下にベッドが置かれていたので、
話し声は聞こえませんでしたが、金属の音は響きます。
無事に手術を終えられたんだな、と安心するも、
一晩中鳴り続けた金属音には参りました。
最後の夜も睡眠不足。
そして夜は明け、看護師さんの挨拶と共に起床。
朝食を済ませると、
いつものように、談話室にある手洗いコーナーで歯磨きと洗顔。
6Fの窓から見える空は晴れ渡り、
容赦ない日差しが街並みに照り付けていました。
ここで歯磨きと洗顔をする患者さんは見たことがありません。
でも、せめて一日の始まりと終わりくらいは、
広い窓から外を眺めたい。
病室に戻ると、一緒に検査入院した方が退院の準備を始めていました。
私も時計を見ながらゆっくりと荷物をまとめることにしました。
すると9時少し前、看護師さんが回ってきて、
「総回診がありますから、ベッドにいてください」
と、病室の患者全員に聞こえる声で伝えて行きました。
この日は木曜日。
5年前と変わらず、木曜日の朝が総回診でした。
退院準備をしていた方がキョトンとした顔を私に向け、
「総回診って、テレビでは見たことがあるけど…」
と、尋ねて来ました。
「週に一度、整形外科部長と医師全員(多分)が、
入院患者全員を回診するんです。
あっという間に終わりますよ。」
と、答えると、
「ホントにあるんですね。」
と言って着替えをやめ、落ち着かない様子でした。
ほどなく、早足で整形外科部長を先頭に医師がやってきました。
患者ごとに主治医が説明をして、
整形外科部長が患者の顔(もちろん状態も)と、
カルテを一致させてさせているように感じます。
私の主治医は私のベッドの前に立ち止まったままで、
整形外科部長に一瞬(ホントにあっと言う間)説明し、
「ああ、4番と5番ね。」
と言って去って行きました。
すごいですね、私のこと頭に入ってる!
骨折で入院している患者が多いせいか、
私の主治医が担当している患者は少なそうです。
助教授でもありますから、他の仕事もあるのでしょう。
火曜日は外勤日に変わっていました。
その限られた患者の中にいることは、
ホントに幸せだと思っていますし、
めぐり会わせに感謝をしています。
総回診が終わると私はベッドを下り、
再度帰り支度を始めました。
すると、同じように帰り支度を始めた方が、
「これで終わり?」
と、あっけにとられた顔で尋ねて来ました。
「ええ、いつもこんな感じです。
先頭におられた白髪の多い先生が、有名なS先生です。」
そう答えると、
「えっ!今の中におられたんですか?
気付きませんでした。」
と、少し残念そうでした。
やっぱり有名なんですね。
神の手を持つ医師として紹介され、
その後も何度も取材を受けているほどの先生ですからね。
ダンナさんは9時半頃にやって来ました。
まだ精算が終わっていないので、
そのまま荷造りを手伝ってもらいながら、10時に。
看護師さんから精算の書類の説明を受け、
退院の書類にサインして、左腕に付けられたIDのリングが外されました。

病院の向いにあるスーパーのマルエツにこっそり行く時も、
いかにもパジャマ(部屋着)という服装でも、
このリングがあれば恥ずかしくない、魔法のリング。
一旦さようならです。
全部の荷物をまとめ終わって、
看護師さんに忘れ物のダブルチェックをしてもらい、
病室を出ました。
また2週間ほどで帰ってきますが、
退院のすがすがしさは格別です。
外は照り付ける太陽が、痛いほど肌に刺さってきます。

花壇には夏らしい花が植えられて、スプリンクラーが回っていました。

暑さに負けない、元気なルドベキア。
しっかりと空を見上げています。
また帰って来るよ!
私も病気と手術に負けないよう、
次に来た時も、ルドベキアに元気をもらおう!