【案内】《講座「新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?」
《講座「新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?」》
グローカル座標塾第Ⅳ期第4回
【新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?】
[日時] 2月15日(金)午後6時半~9時
[講師] 白川真澄(ピープルズプラン研究所)
[会場] 文京シビックセンター3階C会議室
[参加費] 通し4000円 1回1000円。要申込
※申込みは下記へ。詳しくは問い合わせください。
▼現代世界を動かしている最も強力な思想は、新自由主義(ネオ・リベラリズム)である。この思想はグローバリゼーションを推進し、各国の社会・経済「改革」をリードしている。それは、人間をどのように見ているのか、国家の役割をどのように見ているのか。新自由主義の思想と歴史を捉えかえし、これに対抗する私たちの考え方を論じてみたい。
[連絡・申込先] グローカル座標塾
東京都千代田区富士見1-3-1上田ビル210工人社
tel03-3264-4195
fax03-3239-4409
E-mail: im43wj【@】bma.biglobe.ne.jp
(【@】=@ 迷惑メール防止のための表記です)
http://www.winterpalace.net/zahyoujuku/
◎グローカル座標塾第Ⅳ期
2007年10月~08年3月
第1回 格差と貧困の現在 07年10月19日(金)=終了
第2回 働くということ 07年11月16日(金)=終了
第3回 「安全」を守る? 08年1月18日(金)=終了
第4回 新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ? 08年2月15日(金)
オプション企画「いま地域、農村、農業は」 08年3月21日(金) 特別講師 大野和興さん
レギュラー講師 白川真澄(ピープルズプラン研究所)
◆連絡・申込先 グローカル座標塾
【報告】WSFあらかわ1・26グローバル・アクション
WSFあらかわ1.26グローバル・アクション
1月26日、東京・荒川で「WSFあらかわ1・26グローバル・アクション」が開催された。今年の世界社会フォーラムはひとつの都市でフォーラムを開催するというスタイルをとらず、同時行動が行われた。福田康夫がダボスの世界経済ファーラムで、空疎な演説をしているとき、世界各地で反グローバリゼーションの声が響き渡った。日本では東京のほか、札幌でデモが行われた。
東京・荒川では午前中から新自由主義グローバリゼーションに反対する様々な社会運動の18のワークショップが行われた。
シンポジウム 資本と国家の東アジア共同体構想への否!とオルタナティブ!
一月二十六日、東京・荒川で「WSFあらかわ1・26グローバル・アクション」が開催された。今年の世界社会フォーラムは一つの都市でフォーラムを開催するというスタイルをとらず、同時行動が行われた。福田康夫がダボスの世界経済ファーラムで空疎な演説をしているとき、世界各地で反グローバリゼーションの声が響き渡った。
二十六日、日本では札幌でデモが行われ、荒川では午前中から新自由主義グローバリゼーションに反対する様々な社会運動による十八のワークショップが行われた。
ワークショップの一つとしてピープルズ・プラン研究所と脱WTO/FTA草の根キャンペーンの共催で「シンポジウム 資本と国家の東アジア共同体構想への否!とオルタナティブ!」が開かれ、七十人が参加した。
シンポでは、最初に金子文夫さん(横浜市立大学教員、横浜アクションリサーチセンター)が「東アジア共同体とはどういうものか、何が問題か」と題してレクチャー。
金子さんは、「第一に東アジア共同体の形成過程だが、域内諸国の経済成長とグローバリゼーションによって相互依存関係が深化してきた。この十年で貿易額は日中間で四倍、中韓間は八倍、中ASEAN間は六倍に増加。域内貿易依存度も八〇年三三・六%から〇四年五五・九%に拡大した。
九七年アジア通貨危機後、地域協力の重要性の認識が高まり、ASEAN+3、東アジアサミットなどの枠組みが作られてきた。
乗り遅れると不利になるという強迫観念で日本もシンガポール、マレーシア、タイ(未発効)などたくさんのFTA(自由貿易協定、日本側ではEPA=経済連携協定)を結んできた。FTAには、事前から企業の論理がどんどん入っている。
第二に東アジア共同体の論理は何か。資本の論理としては、市場の統合と資本活動の自由。日本経団連は、昨年十月十六日に出した『対外経済戦略の概要と推進を求める』の中で東アジア共同体構築に向けた具体像の明確化、東アジア経済統合の推進などを提唱している。奥田ビジョンは二〇一二年までに『五つ(物・サービス・人・カネ・情報)の自由』を実現した自由経済圏の実現を提言していた。経産省がやっていることは経団連の主張通り。
国家の論理としては、経済統合による『国益』の増進。外務省『東アジア共同体構築に係る我が国の考え方』(〇六年十一月)は日本側から共同体の論理を打ちたてようというもの。フィリピンからの看護労働者が認められるが、補助的労働で安く使い捨てようとしている。テロ対策など軍事的連携も進んでいる。地域の安保をどう考えるかも課題だ。
第三に何が問題か。多国籍企業支配体制の成立、農業の破壊、労働の分断と階層化、軍事的連携が挙げられる。
現状では強者・多国籍企業が一人勝ち。これに対して連帯経済・協力経済の試み、『社会的ヨーロッパ』のような社会的共同体の主張もある。様々な観点から対抗の論理を立てていく必要がある」
続いて、菅野芳秀さん(アジア農民交流センター共同代表、山形・農民)、伊藤みどりさん(働く女性の全国センター代表)、鳥井一平さん(全統一労働組合書記長)、湯浅一郎さん(ピース・デポ副代表・広島)をパネリストにディスカッションが行われた。
菅野さんは「コメ買取価格の暴落で農家は農業機械が一つでも壊れたら、コメ作りをやめるといっている。今後、一万以上の限界集落が消滅の危機にある。貿易自由化で自給率はさらに低下する。一体どういう国を構想しているのか」。その中で、具体的にどのような地域社会を育むかの具体的実践として地元・長井市の全9千世帯が参加して行われているレインボープランやアジア農民との交流による森作り・地域づくりについて報告。
伊藤みどりさん(働く女性の全国センター代表)は「女性の貧困化と貧困の女性化」と題して、女性労働者の現状について報告。
92年に同労組に外国人分会をつくった鳥井さんは「移住労働者と国境・国籍をこえた連帯の課題と挑戦」と題して報告。昨年12月9日強制帰国されそうになった外国人研修生の身柄を空港で奪還した時の映像を上映しながら、奴隷制度と言うべき研修生制度の実態について報告。「強制帰国されそうになったケースでは、一人400万円未払い賃金があった。研修生は来日前補償金100万円を積み、途中帰国すると没収される。
研修制度は良い人だった農家の親父が労働者を物扱いするようになる人身売買制度。彼らの時間給は研修250円、実習300円。基本給が月1万5千円、3万5千円が強制貯金で230時間残業しても月12万5千円。さらに家賃5万5千円、布団リース代、トイレへ行った罰金などが天引きされる。
近代の労使対等原則は破壊されており、ILO条約違反。私も米国務省から日本の人身売買の実態についてヒアリングされた。資本の側はとっくに国境がない」
湯浅さんは、米軍事戦略による在外米軍の再編によって、呉・岩国で具体的にどのような米軍再編が行われているかを報告した。
希望と連帯のグローバリゼーションともうひとつの世界を目指す夕べ
26日夜には全体会として「みんな あらかわにあつまろう!希望と連帯のグローバリゼーションともうひとつの世界を目指す夕べ」が開かれた。
シンポジウム「希望と連帯のダイアローグ《対話》、今日から明日に向けて」では、鈴木ふみさん(すぺーすアライズ)、白石孝さん(荒川区職労)、木元茂夫さん(全ての基地にNOをファイト神奈川)、藤田五郎さん(「持たざる者」の国際連帯行動)が発言。会場からは昼のワークショップの報告などが行われた。シンポの前後には、東京朝鮮第一初中級学校生徒による民族舞踊、ノレの会の韓国民衆歌謡などが披露された。