なんだかんだの石集めと与太話

なんだかんだの石集めと与太話

鉱物を初めて手にしたのは、小学生の時。それからずっと中断。
2011年頃より、やっと暇になったので、また石の世界へと羽ばたき始めたけど。

Amebaでブログを始めよう!

 

随分前に書いた文章に鉱物の写真を追加したものです。

 

0.はじめに

 沸石の産地として、菱沸石灰十字沸石トムソン沸石方沸石などの産地として知られている。一度は採集に行きたいと思いながら、全然いかなかった。友人に誘われたので行くことにした。けれど、別な友人には行っても何も採れないよと言われていたのであまり期待しないことにした。

1.産地へ

 この産地は松原先生の本で紹介されている。(参考1)
 当日は、家を出るときには雨模様であったが、予報では天気が回復予定だったので、採集に行くことに。予報では午前中に雨が上がると言っていた。しかし生憎、天気の回復が遅くて、到着しても雨模様で近くの御堂を見たり、吉見百穴を遠めに眺めたり、しばらくマックでのんびり時間を潰したりした。その間に雨が止んだので採集となりました。

 当地は、角閃石の変成岩が露出しているところで、岩は風化などしているので少し脆い。叩くと時折固い岩もあるが、比較的簡単に割れる。案内をしてくれたベテランのT師は、以前は沸石がそのへんのそこここに転がっていたのですぐに採集できたというが、今は白い筋状のものが岩のどころどころに見えるが沸石らしいものが転がっているという状況ではなく、全然見えない。それでも3時間ほど丹念に岩を叩き割っているとその中にある空洞の中に沸石が現れる。とにかく空洞を求めて石を丹念に割って探すしかなかった。

 これが結構いい運動になった。ハンマーを何回も振り回したので、最初はちょいと寒いと思ったが、石を割っている間に体が温まり、出発時には体調が悪かったのが治って、頗る調子がよくなった。
 

2.採集できた石

 石を割っている仲間のうちで最初に最初に見つけたのはT師。さすが目の付け所が違う。見せてもらうと灰十字沸石の3㎜ほどの透明な単晶がコロンと寝転がって、その周りにも将棋の頭のような結晶がいくつか。流石でした。いいものを見させていただきました。この石はI女史の懐に収まりました。

 なんとなく大きな岩を丹念に割りまくると結構小さめの晶洞がいくつか見つかり沸石も、それでようやく採集のポイントを抑えた感じ。菱沸石、灰十字沸石は小さいながらも採集でき、結局いくつか石を拾ってきました。

 もう帰ろうかという頃に、別のI2女史がトムソン沸石を採集。これも小さいながら見事なものでした。やっぱり丹念に採集しないといけないなとつくづく思いました。

 で、自分はというとまだ整理がついてないので写真はまだです。そのうちに追加しましょう。

 

3.採集した石たち

写真1a 灰十字沸石(吉見丘陵)

 

写真1b 写真1a一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

写真1c 写真1bの一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

 

写真2a 灰十字沸石(吉見丘陵)

 

写真2b 写真2aの一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

写真2c 写真2bの一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

 

写真3a 菱沸石(吉見丘陵)

 

写真3b 写真3aの一部拡大(菱沸石、吉見丘陵)

 

写真3c 写真3aの一部拡大(トムソン沸石、吉見丘陵)

    菱沸石の隅にちょこんと見つかった。中央のところは

    ピンボケだけれど、右上辺りににもちょこんと。

    他に灰十字沸石も見られる。

 

 

写真4a 灰十字沸石(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

写真4b 写真4aの一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

写真4c 写真4bの一部拡大(灰十字沸石、吉見丘陵)

 

 

写真5a 菱沸石、吉見丘陵

 

写真5b 写真5aの一部拡大(菱沸石、吉見丘陵)

 

4.おまけ

 沸石は、主にNa,Ca,Al,Si,Oを基本組成として水を含む鉱物なので、組成が類似していて、なかなか判定が困難な鉱物だ。結晶としてはなかなか面白いものがたくさんあるが。

 参考になる本として、参考2があるが絶版で入手が難しい。参考になる文献として、参考6がある。読み物の感じの軽い、判らなくて当たり前の感じで読まないと読み込めない。

 さらに、沸石については、英文のものに参考3,4があり、データベースとして、参考5があるが、専門的過ぎてお手上げだ。

 沸石入門の軽い、分かりやすい本はないものだろうか。ちなみに参考4はPDFファイルとしてネットで入手できる。

 

 

 

 

参考

1.松原聰,鉱物ウォーキングガイド,p80-84,丸善(2005)

2.加藤昭,沸石読本,関東鉱物同好会(1997)

3.G.Gottardi、E.Galli,Natural Zeolites,Springer-Verlag (1985)

4.R.W.Tschernich,Zeolites of the World,Geoscience Pres Inc.(1992)

  こちらの本は、全文がネットに公開されており、PDFで入手可能です。 → こちら

5.沸石について詳しく知りたい人は、以下の英文サイトなども

 → こちら

6.松原聰,岩石鉱物科学,v31,p261-267(2002)

 

 

 

1.産地へ

 最近採集できた石。山師さん(自称は山司だけれど)に案内されて採集できた。

 この3月末に山師さんの案内で背嶺峠でいろいろと採集できたらいいなと思っていたのだが、どういう訳か、生憎の雪で背嶺峠の案内は無理ということで急遽、山師さんが気にかけていた石の産地に行くことに。

 山師さんも産地がどこなのかはっきりわかっていない様子でした。途中で道路パトロールの関係者に聞いたりしてようやく当地へ。車沢の採石場とその近くという情報だけで産地への道はぬかるみがあったので、車から降りて徒歩で進みます。

 帰ってきてから地図などを見ると採石場ってどこにあるのという感じです。ずっと奥まで沢があって道もずっと続いているようで。歩いた道路のわきには雪も積もっていた。そんな中でも、滋賀の友人と山師さんは、産地を見つけ出し大岩を叩くことに。凄いの一言しか出てきません。あんな雪の中で普通は見つけられないよなあと。

 

2.ドミシュタインベルグ石って

 灰長石の同質異像の鉱物で、ドミスタインベルグ石、長石の仲間らしい。松原先生の日本産鉱物種を見ると、怪しいと書いてある(参考1)。理由は、最初に見つかったのとは産状が異なるから。(参考2)

 ともかく、日本では産地はここだけ、普通に採れるということでは世界的にもここだけなのかな。

 石の採集の際には、ルーペがなくとも採集はできました。石を割って断面を眺めると5㎜ほどの結晶がみられました。

 

 以下はその石の写真です。

 群馬県車沢産、ドミスタインベルグ石(CaAl2Si2O8)

写真1a

 

写真1b

 

 

写真2a

 

写真2b

 

 

 

 

参考

1.松原聰,日本産鉱物種 8版,鉱物情報(2023)

2.M.E.Beck,Fleischer's Glossary of Mineral Species,The Mineralogical Record Inc.(2018)

 

 

 

 

 

 このところ、トンデモないことになってしまって、全然書いていませんが、体調がよく暇なのでちょっとしたメモ書きを書いておきます。それが表題のもの。

 

1.日本の名僧

 ちょっと思いついて人を20人くらい書いておきたいと思います。

 1)空海

 2)鑑真

 3)親鸞

 4)一休

 5)西行

 6)法然

 7)良寛

 8)最澄

 9)日蓮

 10)雪舟

 11)行基

 12)道元

 13)沢庵

 14)空也

 15)栄西

 16)無窓疎石

 17)一遍

 18)重源

 19)源信

 20)蓮如

 

2.名僧略解

 1)空海

   言うまでもなく誰でも知っているだろうと思う人。

  弘法大師。唐で密教を学び本格的に伝えた。高野山に金剛峰

  寺を開き、真言宗の開祖となる。東北から九州まで弘法大師

  の「開湯伝説」で知られる温泉や「名水」で知られる名水地

  が日本各地にある。書の達人で「弘法も筆の誤り」というこ

  とわざもある。

   と言っても、私とあまり縁がないよなあ。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 2)鑑真

   唐代の僧。5回もの渡航失敗にめげず、しかも視力を失っ

  ても来日し、律宗を伝えた。医薬にも詳しかったらしい。

   唐招提寺を創建し、鑑真像はよく知られている。

   でも、それ以上には私は知らない。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 3)親鸞

   鎌倉時代前半から中期の僧。浄土真宗の開祖。弟子がまと

  めた「歎異抄」は有名。その中に「善人なをもて往生をと

  ぐ、いはんや悪人をや」とある。何を言っているのという感

  じ、私には。

   吉本隆明、倉田百三、吉川英治、五木寛之など思想家や文

  学者の興味の的になってきている。悪人正機説の斬新さや解

  釈の多様性のためと言われるが。

   そのあたりは全く分からず。実家が浄土真宗なので、私は

  いちおうこの流れの中にいると思っているが。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 4)一休

   いろいろな逸話の多い、室町時代の僧。アニメやドラマで

  親しんだ人も多いかな。とんち話で有名ですな。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 5)西行

   平安時代末期の動乱の時代の僧。もともとは武士。

   よく考えてみたら、この人歌人でもあるんだよね。新古今

  和歌集に名をよく見つけられる。一応名前は知っているだけ

  けだね。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 6)法然

   平安末期から鎌倉時代にかけて活躍した僧。

   「南無阿弥陀仏」と唱えれば、だれでも救われるという「    

  念仏思想と説いた浄土宗の開祖、

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 7)良寛

   江戸時代後期の僧。

   諸国を行脚ののちに質素な生活を送りながら、人々にやさ

  しく教えを説いたと言われる。

   子どもをよくたわむれたと話は有名。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 8)最澄

   平安時代前期の僧。

   遣唐使として唐に学び、帰国後比叡山に天台宗の延暦寺を

  開いた。鎌倉仏教の開祖は、多くは延暦寺で修業した。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 9)日蓮

   鎌倉中期の日蓮宗の開祖。法華経の信仰を説き、他宗を

  批判したので、迫害されながらも辻説法で人々に布教した。

   詳細はwikipediaで → こちら

 

 10)雪舟

   室町時代に活躍した禅僧。

   彼の水墨画はとくに有名。子供のころに、縛られても涙で

  絵を描いたという話はよく覚えている。

    詳細はwikipediaで → こちら

 

 11)行基

 12)道元

 13)沢庵

 14)空也

 15)栄西

 16)無窓疎石

 17)一遍

 18)重源

 19)源信

 20)蓮如

 

3.おまけ

 10人までは知っていることを書いたが、さすがに現在(2024/5/22)病人のみとしては、書き疲れてしまいました。なので途中までで。

 書き足しもないと思います。

 

 下の本などを見た方が心癒されるなどの人も多いと思いますので、少し紹介しておきます。

 

 

 

 

 

 先月月末にさいたまミネラルマルシェに行ってきました。2時間ちょいしか滞在しなかったので、キラキラ系のお店には回ることもできませんでした。が、結構石を購入しました。あまりお金を持って行かなかったので、安いものばかりで。平均単価1500円ほどです。(^^)v

 

1.オパール、北海道然別湖西方

 

色の再現がちょっと悪いけど。もっと黄色、こんなに緑色じゃないよ、ほんとは。一番黄色に蛍光するものを選んできた。他はほとんどが橙色だった。北海道石、カルパチア石は黄色から黄緑色に蛍光するということなので。

 

2A.輝水鉛鉱、栃木県大鷲鉱山

 

母岩付きだから。

 

2B.輝水鉛鉱、栃木県鹿入鉱山

 

3.沸石、埼玉県吉見町

灰十字沸石などがあるというけれど。

 

4.輝水鉛鉱、山梨県乙女鉱山

誰かのコレクションから分けられて私のところに。

 

5.群馬石、群馬県津久原

 

写真中央の薄黄色の丸い結晶がそれ。

 

6.ソーダ沸石、北海道根室市桂木

 

7.ヘルビン、福島県御齊所鉱山

うーん、緑色の再現が悪いけど。小さすぎて写真撮るのが難しいわ。

 

8.蛍石、福島県蛍鉱山

うーん、もう少し青い色だけれど

 

9.重晶石、栃木県伊守山鉱山

 

10.鉄電気石、大分県尾平鉱山

触るたびにぽろぽろと破片が欠けてきて。困った、困った。

 

 山師さん、今は「山司」を本人は使っていますが、山を良く歩き回るのでやっぱり「山師」が適当と思うのでここではこちらを使用します。

 

 先日、山師さんの案内で山を回る予定でしたが、時季外れの雪で駄目になったので別なところに案内してもらい貴重な石を採集できました。

 

 山師さんにお会いした時に、山師さんから石を2個頂きました。それらの石のことは知ってはいたのですが。頂いた石は以下の2つ。

 1)灰鉄柘榴石 群馬県川場村背嶺峠産

 2)ダトー石 群馬県吉井町東谷産

 

 いずれも山師さんが関係し、地学研究に発表されている石です。

 

 で、石の写真です。

 

灰鉄柘榴石(Ca3Fe2(SiO4)3、群馬県川場村背嶺峠産)

 灰鉄柘榴石は、結晶も大きく、結晶面がきらりと光っていることで知られている。(参考1)

 

 

 

ダトー石(CaB(SiO4)OH、群馬県吉井町東谷産)

 ダトー石は、基本的に菱餅状の結晶で星状、金平糖状、球果状の形で見ることができる。(参考2)

 

 

参考

1.成谷俊明、他2名,地学研究,v62,p111-113(2015)

2.鈴木保光、他2名,地学研究,v62,p177-181(2015)

 

0.いざ埼玉ミネラルマルシェへ

 この間の日曜日(2024/3/31)にさいたまミネラルマルシェに行ってきた。他のイベントも行われるようで私が近寄りたくない人たちがごろごろしていた。いや、偏見だわ。よく見るとワイと一緒に同じ会場に入る人もたくさんおったわ。(偏見甚だしい、悪かったわ、ゴメン)

 

 会場は、こんな感じ。市岡元気などのショーも終わってステージには誰もいないけど。写っているのは会場の半分だけだけど。しかも終了も間際の時。(^^;;;v で、人も少なめ。

 

 暇つぶしで行ったので、暇つぶしの時には車で出かけることにしている。のんびり行けばいいわと思ってのんびりしたら、会場に入るのがどんどん遅くなって昼過ぎてしまった。

 最終日は閉鎖時間が早いはず。結局2時間ちょいの滞在だったので、ウロウロできず。まあ、いつもの人たちがいる辺りをウロウロした程度。キラキラしているものも見て回りたかったけれど、時間なくて断念。それでも意外と楽しかったわ。

 

1.印象に残ったもの

 印象に残ったのは、滞在時間が非常に短いので、少ない。

 今ふと頭に残っているのは、然別のオパール。然別のオパールは、知り合いが3年ほど前に購入したもの。20x15x5cmほどのサイズで長波UVを当てると黄色、黄緑、緑、青、紫などと色の変化に富んで、すげえとなるものを最初は値段をつけて売っていた。会場で紫外線を当てるとかなり遠くからでも視認できるのでホント凄かった。店の主人は中国人の店で10万円で売っていたと言っていたが、私は見る時間がなかった。店の主人は結局、20万円でも売らないことにしたと。

 別の店で10個強売っていたので、それらは橙色に光るのがほとんどだったので、その中から黄色から黄緑に光るものを1個購入。北海道石、カルパチア石って、黄色から黄緑色に光るはずだったので。

 次に印象に残ったのは、探金屋さんの砂金。細かいやつがさらさらとあるものでその数凄いわ。よくまあこんな小さいものを集めたなあと。努力がすごいだろうなあ、結構大仕掛けだったのかなあと。でも、キラキラしていいわ、金は。

 他に、友人に天沼の自然金をほしいと私が言ったので準備していたが、女性の人が欲しいと言ったので売ってしまったと。私は結局買いそびれてしまったよ。会場に行くのが遅かったわ。

 

 あと、知り合いのマニアが石の整理だと言って、比較的安い値段で鉱物としてはいいものを高校生でも手ごろな値段で売り出していた。いくつも買ってしまったわ。私だけでなく、まだ高校生だったのかなあ、若い人がこんないいものこんな値段で手に入らないわとスポンサー(親)と一緒に兄弟でたくさん買い込んでいた。若い人は採集に行ってもあまり大したもの得られないこと多いからなあ。時代がそうなってしまったし...。

 知り合いの高配の人が石の処分をしている感じ。なかなかレアなものを持っていたので購入した。実は価格は、持っているお金より高かったが、いいよいいよと言って持っているお金だけで売ってくれた。先の友人も石の整理をしなくてはなあと言っていたしなあ。自分も整理を始めなくてはと思った次第。

 

2.購入した石たち

 で、2時間程度で購入した鉱物一覧を。金は1.5万円ほどしか持っていかなかった割にたくさん購入してしまったな。

1.オパール、北海道然別湖西方、3500円

2.輝水鉛鉱、栃木県大鷲鉱山、

      栃木県鹿入鉱山、合わせて1400円

3.沸石、埼玉県吉見町、2500円

4.輝水鉛鉱、山梨県乙女鉱山、1500円

5.群馬石、群馬県津久原、2000円

6.ソーダ沸石、北海道釧路市桂木、500円

7.ヘルビン、福島県御齊所鉱山、500円

8.蛍石、福島県蛍鉱山、500円

9.重晶石、栃木県伊守山鉱山、1000円

10.鉄電気石、大分県尾平鉱山、2000円

 

 写真は、そのうちまたね。

 

3.おまけ

 埼玉マルシェは結構面白いので、毎年行っているな。

0.はじめに

 海岸で石を拾う人がたくさんいる。私が海岸で石を拾おうと思ったときに一番最初に思いつくのは、糸魚川付近の海岸だ。そう、翡翠を拾うことが。でも、私がいるところから糸魚川までは400㎞以上あるので行ったのは1回ぽっきりだ。

 ヒスイは誰でも軽い気持ちで採集に行ける。そして拾う人も多い。日本の石と言ってもいいかもしれない。

 けれど、いまいち私には響かない。多種多様ではないし、拾っても、それ翡翠じゃないよと言われることがあるし、拾ってきても翡翠なのかなあなどと自分でも自信が持てない。まず自分で判断できないのが嫌いだ。

 

1.津軽錦石

 そんな中でも、海岸で拾う石にはとてもきれいなものがある。私が知っているのは、津軽錦石だ。津軽錦石の成分は、90%以上がケイ酸(SiO2) 分であるらしい。そうであると碧玉(Jasper)やめのう(Agate) 、玉髄(Chalcedony)に近く、不純物が多く変化に富んでおり、多様で大いに楽しめる。

 水石の産地は日本各地にたくさんある(参考3)。津軽錦石も多くの産地の石同様、磨かれて石の素晴らしさがわかるので、水石の一つと思われる。が、水石は必ずしも磨かれるとは限らないようだ。

 

 で、参考1や2を見ると津軽錦石をいろいろ分類している。

  1)赤玉石

  2)めのう

  3)草入りめのう

  4)縞めのう

  5)紫めのう

  6)青めのう

  7)赤めのう

  8)銀花石

  9)的入りめのう

 10)虫食いめのう

 11)鹿の子石

 12)魚々石(ななこいし)

 13)玉鹿石

 14)花子石

 15)花紋石

 16)唐草錦

 17)砂金石

 18)珪花木

 19)ギョク(津軽硬玉)

 

 分類があまり細かいのでびっくりですが、色と模様の組み合わせでこのくらいになるようだ。

 津軽錦石では、研磨のために最後は回転バレルか振動バレルなどを使い、磨き終わりまでに3~4週間要するとあります(参考1と2)。凄い時間がかかるんですね。

 

2.津軽錦石を拾う

 私が津軽錦石を拾おうと思ったのは、堀秀道氏の本だったと思うが、青森県の日本海の海岸で採集できることが書いてあったからと記憶している。

 津軽錦石を採集したのは、もうだいぶ前で2014年5月だ。茂浦鉱山に四面銅鉱の採集に出かけた折に、津軽半島を回った時だ。場所は、青森県北津軽郡中泊町小泊の青岩海岸だ。5月でまだ日本海の水は冷たかったので、一緒に行った人たちは長靴を履いて採集したが、私は長靴がなかったので素足のまま水につかりながらの採集だった。気温が10℃も行かない頃だったが、私は冷たいとはあまり思わずいろいろの石を拾ってきた。

 

3.採集した石たち

 採集した石をいろいろ分類してみました。あまりきちんと分類できたとは言えないけれど。ひとまずこれで。

 

写真1 青森県中泊町青岩海岸で採集した石たち1

 空洞を少し形成し、白い筋が見える石たち

 

写真2 青森県中泊町青岩海岸で採集した石たち2

 白い筋が見えるが、母岩があまり彩のない石たち

 

写真3 青森県中泊町青岩海岸で採集した石たち3

 特徴のあまりない石たち。磨けば綺麗になりそうだけど。

 

写真4 青森県中泊町青岩海岸で採集した石たち4

 白い部分がかなり混ざった石たち

 

写真5 青森県中泊町青岩海岸で採集した石たち5

 もちろん、めのうなども。

 

 これらの石は、2時間程度でどっさり拾えた。たくさん拾いすぎて持て余してますが。まずは磨かなくては、宝の持ち腐れになっているわいな。トホホと石が泣いているかな。

 

5.おまけ

 水石の世界にもそれ関連の雑誌が発行されています。その例を参考のところに示しておきます。(参考5)

 

 青森から帰ってくるときには、飛行機を使いました。青森空港では、磨かれた津軽錦石を見かけ、一緒に採集に行った石の仲間の一人は言いました。ああ、拾ってくるべきだったなあと。それは何故かというと、綺麗だったというのはもちろんのことですが、値札を見て結構な値段をしていたからでした。ジャンジャン。

 

 

 

 

参考

1.津軽 錦石の世界,石小屋出張所 Zhimei(2017)

2.津軽 錦石の世界2 海で拾う錦石,石小屋出張所 Zhimei(2019)

  錦石のサイト → こちらも参考に

3.水石の産地の紹介サイト

  → こちら

4.茂浦鉱山の採集記

  → こちら

5.水石関連の雑誌の代表例として以下のものがあります。

  → 愛石

1.いざ採集地へ
 先日(3/22)は、群馬県の方に採集に出かける。前日より群馬県の北の方では、雪模様で積雪が心配されていた。けれど行ってきた。沼田ではそれほどの雪もなかったが、その北側のみなかみ町ではかなりの積雪で往生した。この時期としては珍しい大雪であったらしい。

 友人の知り合い関係の別荘(?、ロッジか)に1泊したが、みなかみ町では結構な雪で私の車では登れないような坂の上にそれはあった。夜は酒を飲みながらの鉱物談義で、朝は早々に出発して片品村に。そちらには大して雪はなかった。でも産地は山の中なのでそこそこあったな。
 採集の地は、案内人もはっきりわかっているとは言えない場所だったようで、途中で道を間違え、道路パトロールの人たちに聞いて教えてもらってようやく現地に到着した。採石場への道を20分以上歩いて何とか採集できる場所を見つけて採集開始。雪の中に埋もれていたのによくわかったねえという場所。さすがあちこちを探査している達人だわと驚いた。
 採集してみると、いやここも白丸鉱山同様に硬い岩盤で硬い固い。大ハンマー、鏨(たがね)が欲しいところ。落ちている石を割って採集した方がいいくらい。

2.採集できた石とその関連鉱物
 採集できた石は、「ドミスタインベルグ石」。前日にネットで写真を見たのが最初で実物はその時が初めて。何がなんだかよくわからないけれど、放射状に結晶した、割るとチカチカと比較的光沢のあるのがそれだった。この石は、岩の隙間にできていた。

 で、この石、2013年に報告されています。化学式CaAl2Si2O8灰長石と同じ組成。結晶系がこちらは六方晶灰長石は三斜晶で異なる。同質異像の関係にある。名前こそカタカナだけれど、長石の仲間なんだろうなあ。

 参考3をみると、この石の産地が世界的にも少なく、日本ではここが唯一。また参考1をみると産状が怪しいようなことが書いてある。ま、それは気にせずに横においておこっと。


 で、この組成で、以下のような置換をすると別の長石になる。以下に示す。
  Ca  → Ba (重土長石)
  Ca  → Sr (スローソン石)
  CaAl → (Na,K)Si (アノーソクレース)
  CaAl → NaSi (曹長石)
  CaAl → KSi (正長石, 氷長石, 微斜長石, サニディン)

 ウーム、長石ってよく知られていて簡単なようだけれど、色々種類があって意外と奥が深くて難しいわ。

 で、採集した石の写真です。

3.石の写真


写真1a ドミスタインベルグ石(CaAl2Si2O8、群馬県片品村車沢)
 

 岩の隙間を埋めるように存在していた。プロペラのような針状で、細長い。白い結晶で雲母が長細いのかと思うくらい。割った出てきた瞬間に雲母のような真珠光沢が見えることが多いので比較的わかりやすいかな。



写真1b 上の写真の拡大



写真2a ドミスタインベルグ石(CaAl2Si2O8、群馬県片品村車沢)
 写真1とは別の石です。

写真2b 上の写真の拡大

 

 針状の結晶サイズは、大きいもので5㎜ほどあり、採集の際には、割るとチカチカしてすぐ分かった。けれど、結構白い鉱物も一緒についていて、判りにくい箇所もある。白いのはワイラケ沸石らしい。(参考4)

 

4.おまけ

 昔、低温焼成基板の材料開発をやったけど、アノーサイト(灰長石)とかセルシアン(重土長石)ができて、結晶化してセラミックガラス基板を作るのに苦労した覚えが。

 今回論文検索すると、ドミスタインベルグ石を基板強化成分として使うという論文を見つけて、またビックリでした。


5.参考
1)松原聰,日本産鉱物種 7版,鉱物情報(2023)
2)M.E.Beck,Fleischer'sGlossary of Mineral Species 2018,The Mineralogical Record Inc.
3)trekgeoのサイト

 → こちら
4) 加藤コレクションから

 → こちら

 

0.まえがき

 石の写真を撮るのは難しい。石の写真を撮っていると、石の全体がわかるように写真を撮るのに失敗することが多い。ピントが全体にあっていなくて、いくら写真を撮っても満足しないことが多い。

 性能のいいカメラでも、綺麗な光沢のある黄鉄鉱などの写真を撮るのは難しい。けれど、石の場合には、凸凹しているので、接写をして採ることになる。すると被写界深度が限られているので、全体にはピントをあっていない写真を撮ることになるケースが多い。被写界深度とは、カメラで撮影するときにピントの合う空間領域の程度を表す言葉だ。接写するとどうしても被写界深度が狭くなり、空間領域幅が狭くなり、全体にピントの合う写真を撮れないことが多い。

 

1.深度合成

 それをカバーする方法として、「深度合成」という方法がある。この方法、かなり前からあった。写真を何枚も撮り、ピントの合ったところだけを用い、ソフトウェアで写真を合成して、全体としてピントの合った写真が見ることができるというもの。深度合成するソフトというものも実際にはあることも知っていた。けれど、連続的にステージ位置を変えるか、ピントをずらして写真を何枚も撮る必要があり、かなり面倒なんですね。

 

2.深度合成できるカメラを

 かなり前から深度合成のできるカメラが発売されているってことは知っていた。でもカメラが高級だったり、デカかかったりで無視していた。

 石の写真を撮っていると満足のいかない写真が多くなってきて、不満がどんどん増幅されてきて、ついにその機能を持つカメラの中で安目の物を買ってしまった。コンパクトカメラだけれど、意外にこのカメラは高い。そのカメラは、「オリンパスのTG-7」。前のバ-ジョンのTG-6も現在も販売されているけれど、カタログなどを見ると機能は大きな差はないようだ。

 

3.TG-7って

 TG-7には顕微鏡モードがあって、石や植物、小動物などの接写に強い。しかも深度合成をカメラの中でやってくれる。一度シャッターを押すと、普通に撮影した写真と深度合成した写真を一度に撮影、保存することができる。使ってみると、凄いと驚く。あえて欠点を言えば、コンパクトカメラなのに価格がちょっと高めです。7万円ほどもします。耐水性も優れているから雨などの強いなどの特徴も持つ。

 顕微鏡モードで撮りたいので、カメラの前に取り付けるフラッシュもカメラには付けた。

 

4.石の写真を撮ってみる

 で、このカメラを使って石の写真を撮ってみる。カメラでは最大に拡大して撮ってみた。石は、2012年に採集した、青森県平川市碇ケ関、湯ノ沢鉱山産の方鉛鉱。これを目で見ると小さくてよくわからない。カタログを見ると、最大7倍に拡大できるらしい。最大に拡大して早速撮ってみた。

 

 撮影は、カメラを手に持ち、石の上にカメラをのせるほどの接写で撮影してみた。もちろん顕微鏡モードで、かつ深度合成を働かせて。

 カメラは手に持ったので、手振れは覚悟。シャッターを押すと

少し間があって、何枚かの写真撮影が行われ、すぐに深度合成が始まり、普通に撮られた写真と深度が合成された写真がカメラに入れたSDカードに保存された。この接写、カメラと石の間に1mmも隙間がないほどの接写状態なんですよ。以下がその2枚。

 

写真1a TG-7で普通に撮れた方鉛鉱の写真

 普通の写真の場合、かなり手が震えて手振れを覚悟した。当然ですね。かなりなんてものじゃなくて、写真として没ですね。同時に深度合成された写真が以下のもの。

 

写真1b 深度合成された写真

 

 写真を見て、オッと驚くほどに綺麗に撮れている。手振れしたというのにこの見事さにはびっくり仰天です。もちろん深度合成されて奥行きも見事です。

 

 次の写真は改めて、しっかり固定して撮った写真。しっかりと言っても、手で石の上にカメラを抑えて動かないようにしただけだけど。

 

写真2 石の上にカメラを載せて、カメラを抑えて撮った写真

 

 写真1bよりもきれいに撮れていることは、パソコンなどで拡大すると確認できる。 

 

 このカメラ、アマゾンでも購入できますね。電気店でも売っていますが、アマゾンでの方が安い場合があります。

 

 

 

 

 若林標本の図録が、東京大学総合博物館が先月に出版されましたが、私も欲しいと思っていたんですが、入手はできませんでした。限定100部程度の出版だったようで。

 

 で、今日(2014/3/8)にyahooオークションを見ると、図録が出品されてますね。値段を見て、びっくり!10万円を超えていますね。出版されたばかりだけれど。こんなに早く出てくるとは。今の時代、こういうことは当たり前なんで、嫌な時代になったもんだなあと思います。

 以下のところです。(現在、期限切れです)

→ Yahoo!オークション - 東京大学・若林鉱物標本 図録

 メルカリにも (現在、閉じられました)

→ 東京大学・若林鉱物標本 図録 - メルカリ (mercari.com)

 

 いや、こんなに早く出てくるのは、面白くないのかなあ。噂では、限定100部という話を聞いたけど。

 入手したいけれど、値段はと言えば15000円なら買おうかと思うけれど、2万などに下がっても無理だなあ。

 

(追記:24/3/10、24/3/25)

 確認すると値段が半分になってたわ!最初見た時30万くらいしてたのに。たぶん、ヤフオクとメルカリに出品したのは同一人物でしょう。現在は、7万円ほどに。yahooでは5万円まで下がっても落札されず、メルカリは削除されたようです。

(追記:24/3/17)

 って、アマゾンを見たら、16万で出ています。同じ人でしょう。

 

 

 

 双晶鉱物のことを主に書かれた本です。双晶って、結晶が2つ以上重なったものを言うんですね。2つばかり思ってましたが。あまりに数多くなると双晶とは言わないようだけれど。

 綺麗な結晶の写真が結晶の解析と説明が一緒になされていて、楽しめます。

 

 

 つい、2,3年前までは1500円もしないで売られていたのに、こんな値段までになってしまったのかとびっくりです。鉱物の結晶については網羅的に書かれており、結晶をある程度分かった人向きです。この類の本は少ないのでなかなか貴重かと。

 出版が古いので入手も難しいですね。