少し間が空きましたが…
擬似リア充〜叶えた夢の先⑮ の続きです。
ここでは、私のアロマセラピーへの関わり方、サロンを開いてからの10年で変化した向き合い方について綴っていきます。
アロマセラピーを知った20代半ばの頃から、精油は常に自分にとってなくてはならない存在でした。
朝シャキッと目覚めたいときはレモン、不安なときはベルガモット、落ち込んだときはローズウッド…当時の手持ちはわずか5〜6種類でありながら、若さゆえ不安定すぎた情緒をしっかり支えてもらいました。
それから30代に入って本格的にアロマを勉強し始め、アロマトリートメントやインストラクターの資格を次々と取得、自宅サロンを開くまでに。
その後は、お客様からのご要望にお応えする形で様々なアロマクラフトを作ったり、自分や家族の不調にアロマを試してみる中、これはさらに知識がないと追いつかないと感じて本を読みあさり、メディカルアロマの講座や嗅覚反応分析について学びました。
そんな風に知識をつけ、経験を積み重ねる一方で、今後アロマセラピーを仕事として続けることの可能性についても幾度となく考えました。
要は、仕事にしたことで、ただ大好きなものとしてアロマセラピーを捉えることができなくなったんです。
どの業界も似たような感じかと思いますが、深く知れば知るほど、問題点も浮き彫りになります。
例えば、この10年で精油の価格はどんどん値上がりしており、自然の植物が原材料である以上、どの精油も恒久的な安定供給がされる保証はありません。
なおかつ、精油は日本では雑貨扱いのため、特に資格がなくても誰でも取り扱えますし、アロマセラピーのやり方も書籍やネットである程度は調べられます。
(ネットで個人が発信しているものは、必ずしも正しい情報ばかりではありませんが…)
まして、アロマセラピストの資格はすべて民間資格であり、数十万単位のお金もかかる上、あくまでもその団体や協会が認めた一定レベルの知識を持っているという証明を得られるにすぎないわけです。
もしアロマセラピーを仕事にしてそれなりに稼ぎたければ、最低限アロマの安全な使い方を教えることができる資格(トレーナー、インストラクター等)に併せて、別のスキル(体に触れる施術や他のセラピー、ヒーリング等)と抱き合わせで提供できる必要があると思うんです。
私の知っているアロマセラピストさん、大体みんなボディやフェイシャルのトリートメントも学んでいますし、見映えするアロマクラフトを研究していたり、医療の専門知識と組み合わせて活かしていたりします。
何を学ぶにもお金がかかりますが、アロマ関連の資格取得だけで、私自身は多分200万円くらい使ったような…もし仕事にするとしたら、その分を回収できますか、元は取れますか?って話になります。
それに、いくら技術が高くたって、個人サロンはまず存在を知ってもらわないと何も始まりませんし、新規集客とある程度のリピーターの確保ができなければ、長くは続けられません。
これも、アロマとは全く別の知識が必要な分野。
皆さん、よく『アロマの仕事がしたいです』とおっしゃるんですが、以上の理由から単純にアロマのこの資格だけ取れば仕事になるよ〜とは、軽々しく言いたくないんですよね…
どちらかといえば、アロマの資格よりもトリートメントや揉みほぐしのやり方を身につけた方が、より早くお金に替えられるんじゃないかな?
普通に考えて、こっちの方がニーズ多いですし。
もちろん、仕事にするとかではなく単に楽しみたい、癒される手段としてアロマの使い方を詳しく知りたい方には、学んだ成果としての資格取得というのは大きな意味があると思います。
長々と書きましたが、私自身は今もアロマセラピーが大好きですし、暮らしになくてはならないもの。
そこは、万が一自分が嗅覚を永遠に失ってしまわない限り、もう変わらないです。
ただ、それを《仕事として》どのように続けていくかについては、また別の話だと思っています。
自宅サロンも、やっぱり商売ですからね。
それでは、うちのサロンのもうひとつのメインメニューであるTCカラーセラピーについてはどうなのか?
次回は、カラーセラピーに思うことを綴っていきたいと思います。
〜⑰につづく〜
【香りと色の癒し処 ふわりあん】