音詩昔侍 -10ページ目

音詩昔侍

音詩(おんし)
物語・詩を
音の流れで表そうとする音楽のこと




ざらめ雪は消えました

三寒四温

もうすぐ春ですね










犬の名前を尋ねた。 番犬。 名は無い。

年に一度ほど連絡を取り合う伯母は、肉でもやろうとしたら、
飼い犬にかまれたと、いやな声で言った。

鎖のチェーンがピーンと張って、
のどに食い込むほど、それでも向かう。

牙を剥き出し吠える。
小振りな体からメラメラとした炎さえ見えるよう。
すごい迫力と威力。

絶対に近づいてはいけないと、若夫婦にも念を押されていた。
私は、正面にしゃがみ込んで見つめた。熱い砂ぼこりが立つ。

「すごいね」
つい、声に出して話しかけていた。
「いつも偉いね。番犬、ほんとお疲れさま」

メラメラが一瞬にして
「ん?」という。何かハッとしている。
可愛い。

こののち、テリトリーに入って代えた水で、
お座りもお手も、待ても良しも。
おしりが痒いとおしりを向ける。

「え?かくの?かけって?うんも~、ちょっとだけだよ~
あんまりかくと、もっとかゆくなっちゃうからね~」
すっかり二人は、ラブラブのデレデレ。

名が無い以外
実話です虹
傾城に誠なし

けいせいにまことなし
ケイセイニマコトナシ

遊女というものは、客の機嫌をとるために
うまいことを言うが
本当のことではないから、だまされてはいけないという戒め。
(傾城)は、遊女。

エトセトラ
傾城に誠あれば三十日(みそか)に月が出る。
傾城の心と猫の鼻は冷たいもの。

「泣くな。いや、泣け。」

「どっちだよ。」

「泣け!だが、泣かずに泣くな!おもいっきり泣き叫んだっていい。

 おまえは、泣かずに泣く。今まで、泣かずに泣いていたから。」



我が糞は臭くなし


わがくそはくさくなし

ワガクソハクサクナシ


自分の欠点には気がつかないという例え。



卵を割らなければオムレツは作れない


たまごをわらなければおむれつはつくれない

タマゴヲワラナケレバオムレツハツクレナイ


何もしなければ成果は得られないという例え。


「自分に言ってるんだ。」


「失敗?大歓迎だぜ。」

旨い物は宵に食え


うまいものはよいにくえ

ウマイモノハヨイニクエ


おいしい物は明日になると味が変わってしまうので、

今宵のうちに食べたほうがよい。

好都合なことは、早くするのがよいとの教え。


「カレーは飲み物って言ったの誰ー?」


「・・・パパかな?」


「パパは、イジュウインになるの?」


「・・・よく噛んで食べよっか。」



草木も眠る丑満時


くさきもねむるうしみつどき

クサキモネムルウシミツドキ


人や動物はもちろん、草木に至るまで、生あるものすべてが、

眠りに落ちる時。すなわち真夜中。

(丑満時)は(丑三つ時)。(丑)は現在の午前一時から三時。

それをさらに四つに分けた三つ目で、午前二時から二時半頃。


「ねーむれー♪ねーむれー♪」


「ふんふんふふふふふーふん♪」

風林火山


ふうりんかざん

フウリンカザン


戦いをするにあたって、戦いに対する四つの心構え。

出撃するときには、風のように速く。

時機を待つときには、林のように静かに。

攻撃をかけるときには、火のように激しく。

敵襲には、山のように動かず。


「速く。静かに。激しく。動かず。」


「うん。なんか落ち着いてきた。」


「うん。なんか自信を取り戻してきた。」


「速く。静かに。激しく。動かず。やれそうだ。」



搗き臼で茶漬け


つきうすでちゃづけ

ツキウスデチャヅケ


餅をつく臼は大きすぎて、茶漬けを食べる茶碗の代わりにはならない。

(大が小を兼ねる)のも、時によりけり、ということ。


「熱々が基本だな。」


「だな。」


「いつも月夜に米の飯、つってな、夜なら毎晩明るい月夜であって、

食べるなら毎日米の飯であれば、こんな申し分ないことはない、

つうことだ。」


「猫舌、気いつけろよー。」



炬燵で河豚汁


こたつでふぐじる

コタツデフグジル


炬燵にあたってのんびりしながら、一方では危険な河豚汁を食べること。

養生しながら、危険なこともするという、矛盾した行為の例え。


「こたつこたつこたつー!」


「おっきなカメさんねー。」