年に一度ほど連絡を取り合う伯母は、肉でもやろうとしたら、
飼い犬にかまれたと、いやな声で言った。
鎖のチェーンがピーンと張って、
のどに食い込むほど、それでも向かう。
牙を剥き出し吠える。
小振りな体からメラメラとした炎さえ見えるよう。
すごい迫力と威力。
絶対に近づいてはいけないと、若夫婦にも念を押されていた。
私は、正面にしゃがみ込んで見つめた。熱い砂ぼこりが立つ。
「すごいね」
つい、声に出して話しかけていた。
「いつも偉いね。番犬、ほんとお疲れさま」
メラメラが一瞬にして
「ん?」という。何かハッとしている。
可愛い。
こののち、テリトリーに入って代えた水で、
お座りもお手も、待ても良しも。
おしりが痒いとおしりを向ける。
「え?かくの?かけって?うんも~、ちょっとだけだよ~
あんまりかくと、もっとかゆくなっちゃうからね~」
すっかり二人は、ラブラブのデレデレ。
名が無い以外
実話です
