Domaine Trapet (déjeuner dégustation)
翌日は土曜日。
基本的に土曜日はドメーヌ訪問は受けてもらえませんので、ドメーヌ・トラペのテイスティング・ランチに伺ってみました。ここには前から行きたかったのです。
まずはその前に、泊まったジュヴレのホテル(Les Deux Chèvres)の朝食から。
BurguetのJean-Lucさんが、「ああ、Les Deux Chèvresに泊まってるんだ!あそこの朝食は凄いよね。実はそこにワインを置いてもらってるんだけど、ある日ワインを届けに行った時さ、ちょうどプティ・デジュネの時間だったんだよ。それは豪華なテーブルでね。僕まだ朝ごはん食べてなかったからお腹が鳴っちゃったよ!それから、うちにテイスティングに来た訪問者が、シャニーのラムロワーズで朝食を食べた翌日にそこに泊ったんだけど、『ラムロワーズよりも素晴らしい朝食だった』って言ってたよ。」
フルーツ
フルーツが多いのは嬉しいですね。
ジューサー
ご主人のPaulさんがジュースを作ってくれます。「ちょこっとジンジャーを入れてヘルシー・ジュースなんかどうだい?」とかいって、ジンジャー入りのオレンジジュースを作ってくれました。これ、本当に美味しかった。
パンとコンフィチュール
いろんなジャムを選べて、小さな器に移して席に運びます。
クロワッサンとブリオッシュとフレッシュ・シェーヴル
クロワッサンは定番ですが、ブリオッシュパンも美味しい。
フロマージュ
フロマージュも豊富。ディジョンの市で買ってくるとか。週に二回は行くそうです。この右のが美味しかったなあ。
この後、地下の巨大なセラーに案内して頂きました。中にはビュルゲのメファヴォリットを含む販売ワイン(ブルゴーニュだけではないです)や、プライベートなワインなどがありました。でも、スペースが巨大過ぎるのでワインがちょっとしかないように見えました(笑)
Date des Vendanges
ホテル内の壁に埋め込んである表。何かというと、ジュヴレ=シャンベルタンにおける、各ヴィンテージの収穫日なのです。1863年から1963年の101年間分ありました。それにその年のワインの出来についても6段階の表記がありました。この101年間、洪水、大雨、害虫繁殖のため収穫できなかった1910年を除くと、ほぼ全てが9月あるいは10月に収穫されたことがわかります。唯一、1893年のみ8月の収穫(8/31)でした。しかし、ご存知の通り21世紀に入ってからの15年間で既に3回も8月に収穫したんですよね(2003、2007、2011年)。なんて思いながらこの表を眺めていました。
さて、これからトラペのテイスティングランチに行く訳ですが、まだ時間には余裕があります。また、プティ・デジュネを頂いたばかりなので腹ごなしが必要。そこで、1時間ほど畑巡りの散歩に出掛けました。
クロ・サン=ジャックの石垣
ここは昨年さんざん写真を撮ったところです。右手がクロ・サン=ジャック、左手がラヴォー・サン=ジャックです。いつ見ても美しい光景です。
ラヴォー渓谷を望む
ラヴォー・サン=ジャックの畑からラヴォー渓谷の方向を見ています。
どこのドメーヌ?

中でおじさんが手を振ってくれました。誰だろ?
Domaine Bernard Dugat-Py
おっと、デュガ=ピイだ。あ、じゃあ、さっきのおじさんは・・・。そう、ベルナールさんだったのかもしれません。
そのままグラン・クリュの畑に向かって歩いていきます。ここはグラン・クリュの北端のリュショット=シャンベルタンの手前。
Gevrey-Chambertin 1er Cru Plantigone ou Issart
ここはプルミエ・クリュ。PlantigoneあるいはIssartというクリマ。IssartはFaiveleyのモノポール(Clos des Issarts)です。
Ruchottes-Chambertin Clos des Ruchottes
ここが最北端にあるリュショット=シャンベルタン。この門には、クロ・デ・リュショットと書かれています。そうです、ルソーのモノポールです。Ruchottes du Dessus(リュショット・デュ・デュス)の北側半分に相当します。
Inside of Clos des Ruchottes
クロ・デ・リュショットは、グラン・クリュの中では最も標高が高いですが、石垣で囲まれているので、その下のRuchottes du Bas(リュショット・デュ・バ)やMazis-Chambertin(マジ=シャンベルタン)よりも冷たい風が遮られるので、温かい畑だそうです。土を見ると、白い小石が目立ちます。傾斜もあるので、表土も薄そうです。
Ruchottes du Bas(リュショット・デュ・バ)を望む
クロ・デ・リュショットから見下ろしたところ。
たぶんマジ=シャンベルタン
この手前で丁度リュショット=シャンベルタンが終わって、この先のクロ・ド・ベーズまではMazis-Haut(マジ・オー)かと思います。クロに囲まれた小さな区画。誰の所有ですかね?さらにこの左側の区画は五角形なのですが、とても良い畑に見えました。
気象観測システム?
この小さな区画の端に据え付けられた気象観測システム。へえ、ここでデータを取ってるんだ。
Chambertin Clos de Béze(Pierre Damoy)
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの北側の端。所有者はピエール・ダモワ。奥に見える建物がいわゆるダモワ小屋。畑の中に太い畦道があるんですね。
赤い屋根の小屋
ここの区画は、おそらくドルーアン・ラローズと思われます。いつか訪問して確認してみたいです。
凍霜害でダメージを受けた新芽
ここクロ・ド・ベーズでも甚大なダメージがありました。
助かった芽
助かった芽もありはしますが・・・。
ダモワ所有区画の畦道
クロ・ド・ベーズの中を貫く畦道。両脇に植えられているのは・・・?
ダモワ小屋
中に何を置いているのでしょうか?
ゆっくりと畑を歩いていたら、テイスティングランチの時間が迫っていました。本当はこれからシャンベルタンの畑も見ようかと思っていたのですが、諦めてトラペ指定の場所へ移動します。
いやはや、前置きで疲れてしまいましたが、いよいよトラペでのテイスティングランチです。予約は12:00でした。
トラペの場所とは、醸造所ではありません。醸造所とはかなり離れた場所にあるシャンブル・ドットやターブルのある建物内。前日のディネを愉しんだビストロの隣なのです。このときは丁度工事をしていて、入り口がわからず迷ってしまいました。
テイスティングルーム
こちらの席に座りました。
参加メンバーは我々二人と、フランス人の老夫婦、また別のフランス人カップルの3組。老夫婦はかなりのワイン愛好家のようで、自宅のセラーには500本ほどのワインを所有しているとのこと。我が家はもう少しだけ少ないですよと言ったら、驚いてました。いつも車でフランス中のワイナリーを巡っているとのことで、今回はロワールのサヴニエールに行ってから、ブルゴーニュに来たとのことでした。サヴニエールのドメーヌ・オー・モワンヌでロッシュ・オー・モワンヌを楽しんできたとのこと。いいですね。車ならいろいろ行けますからね~。
相手をしてくれたのは、トラペのWebsiteに出てくるお兄さん。確か、ダミアンさんと言ったかと思います。弟さんが日本人女性と結婚したとのことで、結婚式に呼ばれて日本に言ってきたとスマホの写真を見せてくれました。日本は本当に綺麗な国だと言っていました。
Gougère(グジェール)
大きくて豪快なグジェール。
Shoenenbourg Riesling 2011 & Sonnenglanz Pinot Gris 2011
まずはトラペ・アルザスから。ドメーヌ・ジャン・ルイ・トラペではアルザスワインも造っているんです。ジャン・ルイ氏の奥さんの実家だったかと思います。
グラン・クリュ・リースリングは良いですね。ピュアな味わい。ピアノ線のように細く長く続く酸。まろやかさと粘性も兼ね備えています。これは美味しかったので、後程1本購入。
グラン・クリュ・ピノ・グリはヴォリューム感があって力強さがあります。これもピュアな味わい。リースリングに比べると、貴品種ではない味わい。
トラペ・アルザス。ジュヴレと同じくビオディナミかと思いますが、透明感があってかなり美味しいと思います。
Jambon Persillé dijonnais (ジャンボン・ペルシエ・ディジョネ)
定番のブルゴーニュ料理。手作り感があって、今までで食べたジャンボン・ペルシエの中ではベストの部類。
Pain(パン)
Gevrey-Chambertin 2011 & Gevrey-Chambertin 1er Cru 2013
これらには別のキュヴェ名がついています。村名についているのはOstrea(オストレア)、プルミエ・クリュについているのはAlea(アレア)。
左のオストレア2011は5つの区画のブドウから。ジュヴレらしい香り。シャンペリエ(ブロション村側)等と言っていましたので、ブロション側的な味わいなのかもしれません。とてもミネラリーでドライ。ドライ過ぎて楽しくないワインだと思いました。もう少し甘味を残した方が楽しいのですが・・・。
右のアレア2013は5つのクリマをアッサンブラージュ。デフォルトは3つ(Aux Combottes、En Ergot、Les Corbeaux)でグラン・クリュの南、東、北側に接するクリマですが、2013年はそれに単独でリリースしている(Petite Chapelle、Clos Prieur-Haut)を追加。低収量のためとのこと。
若いだけあって果実が香ります。厚みのある味わい。これはかなり美味しい。5つのプルミエ・クリュの効果でしょうか?当然ですが、村名に比べて大きく、ミネラルも強靭。ブランデー的な香味も感じます。こちらはジャンボン・ペルシエとマリアージュしました。
Chapelle-Chambertin 2013, Latricières-Chambertin 2013 & Chambertin 2004
続いて、お待ちかねのグラン・クリュ。
右がChapelle2013。閉じています。タイトですが、長い余韻があります。凛とした味わい。そして、内向的な味わいだと思います。
真ん中がLatricières2013。これまた同様に閉じています。ただ、果実味が豊かで、味わいがブレずに一貫性を持っています。Chapelleに比べて外向的な味わい。ブランデー香があります。グラン・クリュ3つの中では最もこの後のブッフ・ブルギニヨンに合いました。
左がChambertin2004。ミントやハーブの青っぽい香り。色合いもそうですが、かなり枯れた味わい。'04だから枯れているのか・・・。いや、どちらかと言うと、抜栓後の経過時間が長過ぎたのではないかと思います。この味わいは少々残念。
Pommes de terre écrasées(ポム・ド・テール・エクラセ)
要はマッシュポテトです。たっぷりの量。メインのブッフの付け合わせ。
Boeuf Bourguignon(ブッフ・ブルギニヨン)
このブッフは結構行けました。肉の質もそこそこ良かったし、きっとトラペのワイン(レジオナルでしょうが)をたくさん使っているだろうし。
続いて、フロマージュに合わせて白ワインを。二種類選べたので、夫婦で別々のを頼みました。
Marsannay Blanc 2011
トラペはマルサネ・ブランも造っています。マルサネらしいタイトな味わい。でも甘味があります。流石にブルゴーニュ白だけあって、下記のフロマージュのうち、ミニエポワスとよく合いました。当然ながらコンテとは合いません。
Sonnenglanz Gewurztraminer 2010
再びトラペ・アルザス。2010の甘口です。こちらもピュアで美味しいです。変な芳香性のないゲヴュルツはとても好みですので。こちらもエポワスとよく合います。やはり、コンテは合いませんね。
Les Petit Gaugry & Comté
フロマージュリー・ゴーグリーから仕入れたようです。まずまず。
Café
これでおしまい。しめて一人90€。うーむ。コスパは良くないですね。
この後、ダミアンさんにドメーヌのワインが買えるかと聞いたところ、買えるけど別のところ(醸造所の方)に行く必要があるとのこと。件の老夫婦も会に行くとのことだったので、よかったら一緒にどうぞと車に乗せていただきました。
醸造所に行ったので、ついでに設備を少々見学。
卵型のタンク
どのキュヴェに使うのかとか質問しそびれました。
木製タンクとセメントタンク(だったかな)と樽
右にある立派なタンクは確かセメント製と言っていたと記憶・・・。
また、樽を分解して線状した後、再度組み立てて再利用したりもしているようです。再生というのかな?
イノックスタンク(キューブ)
ここは資金があるのでしょう。あらゆるタンクが揃っていました。
さて、欲しいワインはあるでしょうか・・・。シャンベルタン2004は今一つだったので、1996年のシャンベルタンと、試飲した中では美味しかったラトリシエールをお願いしましたが、両方とも売り切れ。仕方なく、アルザス一本とプルミエ・クリュを一本のみお買い上げ。老夫婦はヴィラージュとプルミエ・クリュを合わせて6本買ったようで、アルザスを一本プレゼントされていました。車だとワインを沢山運べるのも良いですね~。
老夫婦は既に帰ってしまっていたので、ホテルまで歩いて帰ろうと思いましたが、ボーヌに移動するタクシーの予約時間が迫っていました。そこで、ダミアンさんにホテルまで送って欲しいと頼んでみたら、快くOKしてくれました。しかし、その車は作業車で、座席が二つしかないことが判明。一つはもちろん運転席。そこで、Puligny妻が助手席に座ることになり、Puligny夫はなんと荷台に。椅子がないので乗り込んでしゃがみます。屋根が付いていたのはせめてもの救い。周りを適当に掴んで、揺れに耐え忍びながらホテルまで直行。
ホテルに着くと、オーナー夫人のJolantaさんがいて、タクシーが来るまで何か飲みますか?と。そして美味しい紅茶を入れてくれました。ここのホテルは本当にサービスが良いです。ジュヴレに泊まる際には是非、お勧めです。
額縁に入った絵
最後に、ホテルに飾ってあった絵を紹介。この絵は、各ヴィンテージ毎のシャンベルタンの色合いを表しています。左列の一番上が1980年、その下が1990年、1999年、2003年。右列の一番上が1988年、その下が1996年、2002年、2005年となっていました。1800年代の収穫月の表といい、ワインマニアが喜びそうなホテルでした。
さて、この後はタクシーでボーヌのアパルトマンへと向かいます。翌日は日曜日なので、予定なし。ゆっくりとしながら、部屋でワインを飲むか、レストランに行くか・・・。そんなことを楽しく悩みながら過ごすことにします。
つづく・・・。
Domaine Marchand Frères à Gevrey-Chambertin
Alain Burguetでのデギュスタシオンの後、午後の訪問先はDomaine Marchand Frères(ドメーヌ・マルシャン・フレール)。ドゥニ・マルシャンさんのところです。今回で3度目の訪問になります。
その前に、お昼を食べるためにホテルに一旦戻りました。朝ディジョンで買っておいたサンドイッチなどを部屋でいただきました。前の記事でちょこっと書いた通り、今回のジュヴレのホテルには朝既ににチェックインできています。
Hotel Les Deux Chèvres
ここが今回初めて泊まったホテル。ジュヴレにある数少ないホテルの一つ。
エントランス。このホテルのお隣は、あのArmand Rousseauです。
部屋は広くて快適。アップグレードしてもらったものだからなおのこと。
バスタブ。使いませんでしたが・・・。ちょっと小さいかな?でも、寒いときには温まりますよね。
このアップグレードして頂いた部屋からはジュヴレの畑が見渡せます。
奥に見えるのがジュヴレ側の丘。すぐ手前の畑がプルミエ・クリュのCraipillot(クレピヨ)、その奥がChamponnet(シャンポネ)です。左手にはFontenys(フォントニー)。Lavaux Saint-Jacques(ラヴォー・サン=ジャック)やClos Saint-Jacques(クロ・サン=ジャック)は右方向、そして左方向にMazis(マジ)やRuchottes(リュショット)から始まるグラン・クリュ畑。オーナーのPaulさんが教えてくれました。いやあ、プルミエ・クリュ畑に接しているホテルなんて!良いところに建てましたねえ。
Google Mapより
ジュヴレの街とグラン・クリュやプルミエ・クリュを含む畑のところを切り取ってみました。左斜め上の方向がラヴォー渓谷です。○で示したところがホテルの位置で、先ほどの風景は白線の方向を見ていた訳です。
Google Mapより ホテル周辺の拡大地図
ホテルの周辺の拡大地図です。名だたる生産者の名前が見えますね。ちなみにDurocheはその日のディネの時に飲んだ造り手。
さて、そろそろ約束の14:00が近づいてきました。でも、ホテルからドゥニさんのところには、歩いて5分程度です。上の拡大地図でいうと、さらに左方向です。
Domaine Marchand Frères
呼び鈴を鳴らすと、出てきてくれたのは女性の方。
「デギュスタシオンに来ました。」
「それはできません」
「いや、アポを取ってます。」
「あら、そうだったの、ごめんなさいね。じゃあ、入って。」
と言いながら、門を開けてくれた女性は、どうやらドゥニさんの奥様のようです。突然の訪問客に驚いている様子。
「ドゥニさんは居られないのですか?」
「あいにく、畑に出てしまったの。火曜日の夜の件で新芽の状態を見に行ってしまったのよ。」
ああ、なんだ今年もか~。去年もそうだったよなあ。昨年の今頃は蔓の成長が早く、しかも翌日が雨の予報だったものだから、ドゥニさんは我々の訪問時刻に畑で作業をされていたのでした。
今回は昨年のように戻って来れなさそうとのことで、急遽奥様が我々のお相手をしてくれることになりました。しかし、当主のドゥニさんではないので、楽しみにしていた樽から2015年の試飲はお預け。2014年産のボトルの試飲となりました。致し方なし。
でも、奥様は一生懸命いろんな説明をしてくれました。今回の凍霜害がいかにひどかったか。シャブリのような、スプリンクラーで散水して新芽を氷で守る説明写真などを見せてくれながら、こんなこともしなければいけないかも・・・なんて話してくれました。
さて、デギュスタシオンです。
(1) Chambolle-Musigny Vieilles Vignes 2014
トップバッターはシャンボール村名。これは12月に瓶詰したとのこと。ほう、「トゲのない」味わいですな。ははは。どうもシャンボールに対する偏見から逃れられないようで(笑)。このドゥニさんのシャンボールは、柔らかくて、それでいて強さをも感じます。これがきっと、ドゥニさんにとってのシャンボール像(≒女性像)なのでしょう。そして、その感覚は我々にとってもしっくりとくるのでした。
(2) Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 2014
ジュヴレは確かにシャンボールのような女性的なイメージとは対極ではありますが、やさしさは感じます。シャンボールに比べてややタンニンを多く感じますが、奥様曰く、このためにジュヴレは少し長くキープできると。シャンボールが7~8年に対して、ジュヴレは最長10年くらいではないかとのこと。また、2014年産の味わいは丸くて、そしてバランスが取れているとのことです。
続いて、モレ=サン=ドゥニ・プルミエ・クリュの比較です。
(3) Morey-Saint-Denis 1er Cru "Les Millandes" 2014
こちらはモレの中ではほぼ中央に位置するクリマ。明快な味わい。スリムでいて、質の良いタンニンが豊富。繊細な味わい。このクリマの表土は深いとのこと。こちらは日本には輸出していないそうです。
(4) Morey-Saint-Denis 1er Cru "Clos des Ormes" 2014
クロ・デ・ゾルムはかなりジュヴレ寄りにあるクリマ。ふっくらとしたボディがあります。また、味わいの中心に太い一本の柱を感じさせるところは、なんとなくジュヴレに似ている気がします。それは、このクリマの表土が浅く鉄分を多く含むところから来ているようです。
こうしてほど近い二つのプルミエ・クリュを比較すると、ブルゴーニュって面白いと思います。そして、ドゥニさんのモレは素晴らしく美味しいと思います。ジュヴレ好きの我々にとっては、クロ・デ・ゾルムの方が好みです。
ちょうどこの時、ドゥニさんが畑から戻ってきてくれました。奥様が試飲の間に何度も電話をしていて、相手が誰かわからなかったのですが、きっとドゥニさんだったのでしょう。こちらのデギュスタシオンの状況を心配されていたのかもしれません。
最後はグラン・クリュ。
(5) Charmes-Chambertin Grand Cru 2014
ここはグラン・クリュとしては、グリオット=シャンベルタン、シャルム=シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュを造っていますが、シャルムだけは初めて飲みます。まだ閉じていますが、ドゥニさんらしい優しさを兼ね備えたシャルムだと思います。ドゥニさん曰く、「開けるまでに最低10年は待たないといけないね。最長どのくらいまでもつかって?きちんとしたコンディションなら30年は大丈夫だよ。」
今回の試飲アイテム
ドゥニさんに少々質問。
「長期熟成を目指しているの?それとも、早くから楽しめるワインを目指しているの?」
(なんとなく、早めを重視していると考えての質問)
「良い質問だね。確かに、2011~2014年は早く飲めるワインになった。フィネスを重視したんだ。でも、今仕込んでいる2015年はこれまでとは全く違う。長期熟成向きのワインになると思う。」
「今回の凍霜害の影響は?」
「かなりひどいね。残念ながら、シャンボールのサンティエは全滅だった。」
ドゥニさんのサンティエといえば、2011年にゴー・ミヨで高評価をもらったり、2014年産で特に成功したキュヴェ。それが2016年産はゼロということです。厳しいです。ドゥニさんも残念そうな顔をしました。しかし、ブルゴーニュの生産者の方は皆そうですが、まあ仕方がないとさっぱりと諦めていることも伝わってくるのです。そうなんですね、自然を相手にしているのだから、何でも受け入れるしかない。クヨクヨしても何も良いことないですから。
それから奥様は、有名なブルゴーニュワインの雑誌(Bourgogne Aujourdhu)を持ってきて、「ほら、ドゥニが出てるのよ。」とか、日本のリアルワインガイドの最新刊を持ってきて、「結構良い点数が付いてるのよ」とか、結構ドゥニさんのワインが評価されていることを素直に喜んでいました。リアルワインガイドの担当の方がドゥニさんが載っているところに付箋を付けて送ってくれたそうです。すみません、我が家は最近ワイン雑誌を一切読んでいないので、知りませんでした(笑)
グリオットちゃん
おっと、失礼。手ブレです。
グリオットちゃん2
マルシャン家の愛犬グリオットちゃん、いつもドゥニさんにくっついてばかりなんです。奥様によるとドゥニさんは神様で、他の家族(奥様と二人の娘さん)は全く眼中にないとのこと。今回、ドゥニさんが居られない間、グリオットちゃんはPuligny夫に懐いてくれました。ん?ということは、もしかしてグリオットちゃんは単に女の子だからってだけ?
ドゥニさんはもう畑に戻るよ、また来年来てね、と出掛けていきました。気づいたらもう16:30。もうかれこれ2時間半もいたのですね。奥様が一生懸命相手をしてくれたので、満足できました。ありがとうございました。
もう3度目になりますが、マルシャン・フレールに来ていつも思うのは、ワインを味わうことで、その造り手の人となりを知ることができるということ。今まで何となくそう思っていただけでしたが、ワインを飲み、造り手と会話することでそれが確証に代わるようになりました。そして、ドゥニさんという人は、本当に真面目にワイン造りをしていて、そしてその基本は畑にあると考えている人なのだということ。それでこそ、自分が考える通りのワインになってくれる、ということなのかなとぼんやりと思うのでした。
ドゥニさんは出かけ際に、我々のお土産の日本酒のお返しということで、ワインを一本プレゼントしてくれました。
その後、またホテルに戻って(近いと楽です)、一休み。
この日のディネの予約は19:30。その後まだ時間があったので、畑巡りに出かけました。そのときの写真は、残念なことにカメラの設定が狂っていてすべて白飛びになってしまいました(泣)。でも、また翌日に畑を回りましたので、その時の写真は次回に・・・。
さてその日のディネは、Jean-Lucさんが毎週通っているレストラン。我々にもジュヴレで食事をするなら是非にと勧めてくれたところです。実は、我々は別のレストランを予約していました(日本からホテルを通して)。でも、Jean-Lucさんがあまりに勧めるものだから、そこにどうしても行きたくなり、その予約をキャンセルすることにしました。電話でキャンセルするのは難しかったので、ドゥニさんのところに行く道すがら、直接伺ってキャンセルしたのでした。Jean-Lucさんによると、そのお勧めのレストランはシェフが有名な人で、そのお弟子さんがディジョンで開いたレストランがミシュランの星を獲得したとか・・・。
さてさて、ディネの時間となりました。レストランの名前は・・・。後ほど(笑)
Gougere
まずは定番のグジェール。やや大きめでしょうか?結構お腹が空いていたこともあり、とても美味しく感じました。
ア・ラ・カルト。我々はここから選ぶムニュにしました。3皿(アントレ、プラ、デセール)で26€と36€があります。今回はちょっと気張って36€のMenu Decouverteを選択。でも、かなりお得な料金設定です。
Beignets de ris de veau, salade des Halles, fleurs sauvages
アントレはリ・ド・ヴォー(仔牛の胸腺肉)。ベニエ(フリッターのことかな)にしてあります。ここのリ・ド・ヴォーはとても美味しいです。流石お勧めのお店だけのことはあります。そして、このサラダが絶品。確か、シェフが自家栽培しているってJean-Lucさんが言っていたような。
ここで頼んでいたワインがやってきました。Jean-Lucさんと友達だというソムリエさんに、ジュヴレでお勧めを聞いてみました。「Burguetに行ってきたなら、それ以外がいいよね?」ということで、特に知らなかったこの生産者の村名にしてみました。しかも2014年!
Gevrey-Chambertin 2014 Domaine Duroche
ドメーヌ・デュロシェ。後で調べてみると、日本にも入ってきてますね。グラン・クリュ、プルミエ・クリュを多数もつ老舗の造り手でした。色合いは薄めで、若い今はフルーティーさが楽しめます。ただ、特にBurguetのメ・ファヴォリットなどと比べてしまうと、味わいの持続的な安定性の点で平凡なジュヴレかなと。改めて訪問したところのワインの美味しさを認識した次第。
Pain
普通のパン。
ここでプラの付け合わせがやってきます。二人とも同じにしたので、付け合わせは二人分がお皿に盛られて来ました。
付け合わせ
付け合わせの温野菜。ダイス状にカットされたジャガイモをソテーしたもの。簡単ですがなかなか美味しい。
さて、プラ(メイン)です。
Jarret de veau, oignon, citron
プラは仔牛(ヴォー)。ジャレットはすね肉。他の客は魚を食べていたようですが、ブルゴーニュで魚を食べる気がしなかったので。シャロレー牛とアニョーと比較した結果、やはりヴォーか。仔牛のすねは、しっとりとしてきめが細かいお肉。名前からしてレモンを使ったと思われる酸味の効いたフォン・ド・ヴォー仕立てのソースも良いです。ここでもまた玉ねぎ(というより葉玉ねぎ的)が絶品でした。
Selection de Fromages
3皿目はデセールではなく、フロマージュにしてみました。ハードはコンテ、ウォッシュはエポワス、白カビはカマンベール。ジャム付きでした。フロマージュは特に感動もせず、普通の印象。レストランよりも直接フロマージュリーで購入した方がよいと思うことしばしば。そんなものですかね。
この後は、ちょっと食べたりなかったPuligny夫が小さなアイスを注文。でも写真撮り忘れて、記憶の彼方に・・・。
ゆっくりと食べていたので、かれこれ2時間以上のいたようです。アットホームな雰囲気でなかなかいいレストランでした。地元のお客さん達(だと思いますが)で入口のカウンター含めて満席でした。キャンセルした方のレストランは観光客が多いようですね。
最後にこの日のレストランの名前について。
そのレストランとは、ホテル:
にある
でした。
http://www.rotisserie-chambertin.com/bistrot-lucien/
これで初日の終わりです。
翌日は土曜日ですが、テイスティングランチに伺いました。また、再びジュヴレの畑に繰り出して、ひとつひとつ確かめるように歩いてみました。それについては次回に書きたいと思います。
つづく・・・。
P-V Île des Vergelesses '10 Chandon de Briailles
ブルゴーニュ訪問記の連載中(笑)ですが、なかなか筆が進まないので、連載の合間に載せそびれている記事をちょっとずつアップします。
Domaine Chandon de Briailles(ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ)のPernand-Vergelesses Premier Cru Île des Vergelesses(ペルナン=ヴルジュレス・プルミエ・クリュ・イル・デ・ヴルジュレス) 2010を開けました。今回の訪問記でも載せる予定のドメーヌです。
やや濃いめのルビー・レッド。リムはオレンジ色がかっています。
香りは、チェリーやアセロラ。菫の花。シナモン。ヴァニラ。
口に含むと、楚々として清涼感のある味わい。細身ながら果実感も十分に感じられます。やや高めの酸と目の細かいミネラルがまた、冷涼さを感じさせます。タンニンは、強いて言えばまだ若い硬さがありますが、あまり気にはならず、今でも十分に楽しむことができます。当主のフランソワさんが2010年のイルならもういつでも飲めるよと言われていたのは、確かにその通りでした。
中央に集中し、しっかりとした芯があります。口中は上位。過不足のないバランスの取れた味わい。やさしさと強さの共存。ニュイのあの華やかさはなくても、なんとなくいい感じ。言ってみれば、自分には等身大とも思える、しっくりと来る味わい。
そんな印象の、自分の好みの味わいです。
ほうれん草とエリンギのガーリックソテー
ほうれん草は佐賀県産。エリンギは近くのスーパーから。
ワインとの相性はまあまあレベル(マリアージュ点6/10)。
阿波尾鶏もも肉のグリル ジャガイモ添え
阿波尾鶏のもも肉のグリルはしっかりとしたクリスピーな味わい。こういうお肉にはカリッと感のあるイル・デ・ヴルジュレスなんかぴったりです(マリアージュ点7.5/10)。付け合わせのジャガイモ蒸しとの相性も結構良くて(マリアージュ点7/10)、このお皿には満足。
飲んだ日:2016.2.11
入手日:2013.7.31
購入店:マルシェ・ド・ヴァン銀座
輸入者:豊通食料
容量:750ml
購入価格:\5,119
品種:Pinot Noir 100%
アルコール度数:12.5%
甘さ:辛口
私達のお好み度: B++ (最高A++、最低C)
飲み頃度:今も美味しいし、あと10年くらいはきれいに熟成すると思う。
Rebuy:Yes
Well balanced, fine but pronounced taste with some coolness. One of my favorites.





































































