Dom. Chandon de Briailles à Savigny-les-Beaune
久しぶりに更新します。
ドメーヌ・ド・ベレーヌのシルヴァンとの畑ツアーにデギュスタシオン、そしてデジュネと思う存分に楽しませて頂いた後、いやこの日はもうこれで十分かなと思ったくらいだったのですが、事前にアポを取っていたので次の訪問先に向かいます。
シルヴァンに車で送ってもらったその訪問先とは・・・
ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユ。
やはり、ここを訪問しない訳にはいきません(笑)。できることなら、1日1ドメーヌにできるほど余裕をもった訪問旅行にしたいですが、それは贅沢というもの。
2013年の5月に訪問して以来、3年ぶりの訪問。今回はフランソワ・ド・ニコライさんに直接メールしてアポを取らせていただきました。
ドメーヌの入り口
歴史的建造物に指定されています。17世紀建立ということですから、1834年にドメーヌが創設された際には既にあった訳です。
門の先の母屋
カッコいい。さすがは伯爵家だけのことはあります。
母屋
ここは恐らくドメーヌ経営者家族の家だろうと思います。また、確か一般訪問客が宿泊可能な部屋もここにあるかと・・・。
現在、ここは姉弟が代表者となり運営しています。学校で栽培と醸造を学んだお姉さん(クロード・ド・ニコライさん)と、ビジネススクールを出て、パリでカヴィストとして働いていた弟(フランソワ・ド・ニコライさん)。その姉弟が力を合わせて、品質向上に邁進しているドメーヌなのです。
犬
人懐こいワンちゃんがいち早くお出迎え。この日相手をしてくれたフランソワさんが運営しているメゾンもののエチケットにもワンちゃんの絵がモチーフとして使われていますが、このワンちゃんなのかな?
ワンちゃんの写真を撮っていると、母屋から女性が現れます。
「デギュスタシオンですか?アポイントメントはありますか?」
写真でしか見たことのない、クロードさんでした。
「ええ。フランソワさんと。」
「フランソワはそちらの醸造所の方にいますから、どうぞ入ってください。」
醸造所のある建屋に入ると、すぐに目につくのがこのエメラルドグリーンのワックス。フランソワさん、そこで自らキャッピングをしていました。
「やあ、いらっしゃい。」
「私たちのこと覚えてます?3年前の雹害の時まさにここにいたんですよ。」
「ああ、あの雹害は酷かったね。」
・・・
ワックス
この色はフランソワさんの好きな色だそうです。
完成品
蝋キャップっていいですよね。美しいです。ボトルの先端をちょこっと漬けるだけのようです。
醸造所内
2014年産は全て瓶詰が終わっているようです。
カーヴ
17世紀に建てられた建造物の地下にあるカーヴ。とてつもない歴史を感じます。2013年の7月の雹害の真っ最中にこのカーヴに居たのですが、集中豪雨が壁を伝って少しずつですが流れてきて驚きました。でも、それがまたこのカーヴの湿度を高く保つ要因になっているとフランソワさんに聞いたっけ。
さて、デギュスタシオンです。
今回は、2014年を中心としたボトル試飲と2015年の樽試飲もさせて頂きました。
ボトルを準備するフランソワさん
フランソワさんは現在伯爵位を継承されています。そんな称号がついているとは思えないほど気さくで実直な人です。こちらからメールでお礼や質問などをすると、必ず返信してくれる律儀な人でもあります。伯爵だからこそそうなんだ、という言い方の方が正しいような気もします。
試飲ボトル
PIVはPernand Vergelesses Ille des Vergelesses(ペルナン=ヴルジュレス・イル・デ・ヴルジュレス)、CBはCorton Blanc(コルトン・ブラン)。
まずは赤から。そう。ここは赤から白への順番です。
(1) Savigny-les-Beaune Premier Cru Les Lavieres 2014
最初からプルミエ・クリュ。ピュアでフレッシュな果実。イチゴのような赤果実が感じ取れます。噛むような厚みのある味わい。2013年同様に2014年も雹害に悩まされた年。このキュヴェは50%がやられてしまいました。ただ、不幸中の幸いと言うべきか、収量の少ない分だけミネラル感が豊かな味わいになっているように思います。
(2) Pernand-Vergelesses Premier Cru Ile des Vergelesses Rouge 2014
我が家が好きな「イル」。男性的で芯が強く、ミネラルを感じる味わい。あと2,3年もすれば結構飲めそうな予感。
(3) Corton les Bressandes Grand Cru 2014
3つ目で既にグラン・クリュ(笑)。ブレッサンドはコルトンの丘の中腹からやや下にあるので、品格としてベストではない(失礼!)クリマですが、その分バランスの優れたグラン・クリュだと思います。力強さもあり、今でもそれなりに飲めそうです。もちろん、実際には10年級の熟成は必要ですが。
(4) Corton Clos du Roi Grand Cru 2013
続いて、ブレッサンドの上部に位置するクロ・デュ・ロワ。こちらのヴィンテージは2013年。閉じていますが、非常に力強く、高いポテンシャルを感じます。こちらはその品格を感じます。ちなみに試飲したボトルは2日前に開けたとのことです。それでもなおかつこの状態。こちらはブレッサンドとは異なり、20年級の忍耐が必要そうです。
続いて、2015年ものを樽から。
(5) Savigny-les-Beaune Premier Cru Les Lavieres 2015
(6) Pernand-Vergelesses Premier Cru Ile des Vergelesses Rouge 2015
(7) Corton les Bressandes Grand Cru 2015
どのキュヴェもマロラクティック醗酵が終わったばかりと見え、まだピリピリしてはいるものの、ワインの性格としての印象は2014年と似ています。しかし、ヴォリューム感、果実の豊かさ、そしてタンニンのレベルが段違い。聞きそびれましたが、この蔵も2015年は全房醗酵しているのではないかと思われます。この果実味に対抗できるだけのタンニンを有し、かなりの長熟となりそうです。
続いて、白のボトルに移ります。
(8) Pernand-Vergelesses Premier Cru Ile des Vergelesses Blanc 2014
こちらは「イル」の白。2つ目の「イル」赤と非常に良く似た印象があります。ピノとシャルドネというメッセンジャーとしての決定的な違いにより、表現の方法は全く違うのですが、「言いたいこと」=テロワールは同じだと思いました。
(9) Corton Blanc Grand Cru 2013
我が家が好きなコルトン・ブラン。この'13は素晴らしい。丸みがあり、適度な酸が乗っていて、今でも旨い。シャルルマーニュに比べてかなり早く飲み頃に達するところも、我が家のような早飲みが好むグラン・クリュかと思います。
(10) Pernand-Vergelesses Premier Cru Ile des Vergelesses Blanc 2014 (Sans Soufre)
こちらはサン・スフル。なんと、ドメーヌ・ド・ベレーヌで経験した直後に、白で味わえるなんて幸運です。もちろん、アタックは酸化のニュアンスがありますが、柔らかさとエネルギー感があり、面白い白。とても面白かったので購入。日本でも買えるそうですが、劣化がちょっと怖かったので。まだ開けていませんが、早めに飲んでみたいと思います。
店舗
醸造所の建屋の対面の建屋が店舗になっており、ラベリングされたボトルが保管されています。ドメーヌものだけでなく、フランソワさんご自身のメゾンものも置いてありました。そこで、少々お買い物。
フランソワさんに丁寧にお礼を言って、ドメーヌを後にします。
ここサヴィニーから我々の滞在先のボーヌ・サントルまでは約4km。その程度なら、歩いてしまいましょう。丁度お天気も良いことだし!いろんな景色を眺めながら歩くのは、とても楽しいのです。
Savigny-les-Beauneの街並み1
整然としていて、可愛らしい街並みです。この水路はこの地を流れるロアン川(Le Rhoin)のようです。
Savigny-les-Beauneの街並み2
思い込みかもしれませんが、サヴィニーの街並みは、サヴィニーのワインの味わいに通じるものがあるように思います。丸みがあって、綺麗で、整っていてチャーミング。
モニュメント
モニュメントがあったので、パシャリ。1914-1918と書かれています。
この辺からルートD2に入って、ボーヌに向かって歩きます。両側にブドウ畑があって、のどかな道路です。
通り道にあったとあるドメーヌ
どこかで聞いたことがあるような、ないような名前のドメーヌ。知っているドメーヌは頭に"Clos du"が付いていたし、確かAuxeyの造り手でした。名前の似ているドメーヌは結構あるようですね。ここはロアン川のほとりで、とても美しいところでした。右前方の、ロアン川の左岸に当たるサヴィニーの丘側の畑が見えます。ちょうど見えているのがオー・セルパンティエールやレ・ラヴィエールなどのプルミエ・クリュ。イル・デ・ヴルジュレスはもっと右の方向にあります。
とある村名畑
今回の凍霜害は、ここサヴィニーの地においても例外ではありませんでした。
Vieilles Vignes
二桁程度かとは思いますが、相当な古樹のようです。
ロアン川右岸のプルミエ・クリュ畑
サヴィニーもロアン川を境にして両側に畑がありますが、こちらは右岸、つまりボーヌ側にある畑。プーイエやオー・ジャロンやマルコネなどのプルミエ・クリュがあります。
この辺りから次第に道が太くなり、ブドウ畑以外のものが見えてきます。丁度、R2がR18に合流するところです。
ルートD18
やってきた道をちょっと振り返って撮影。サヴィニーは左前方、右方向がぺルナンです。
Savigny-les-Beauneの畑(ボーヌ側の丘)
プーイエやオー・ジャロンやマルコネなどのプルミエ・クリュを別の位置から。
まもなく大きな道路との立体交差があります。
A6との立体交差(R18側からA6を見下ろす)
D18は自動車道路A6と立体交差します。D18が上です。
実は、このA6がサヴィニー=レ=ボーヌとボーヌの境界になっています。
Maison Louis Jadot
昨年訪問したルイ・ジャドの正門。ここまで来ると、もうボーヌの中心近くです。
D18からD974へ
このD18がD974にぶつかり、右折するとボーヌ・サントルです。
Sushi Kai
何度も通っているけれど、一度も入ったことのない寿司海。というか、和食のレストランには一度も寄ったことがありません。でも、最近はボーヌ市内の和食レストランは非常に人気があるとのこと。日本人シェフ頑張ってますね~。次回は少なくともどこかに寄ってみようかなあ。
Porte Saint-Nicholas
ボーヌ・サントルの入り口、ポルト・サン=二コラ。
楽しく歩いたので、ワインも抜けて、お腹も空いてきました。
宿に戻ると、その日の夕ご飯の買い出しです。ボーヌの中心に滞在していると、こういうところが便利です(レンタカーではないので)。
夕飯を買いに行ったのは、Charcuterie Raillard(シャルキュトリ・ライアール)。ここは多分、ボーヌで一番美味しいシャルキュトリ。そして、再びAlain Hess(アラン・エス)へ。
ワインは一昨日の残り。
Puligny-Montrachet Premier Cru La Garenne 2011 Au Pied du Mont Chauve
Chassagne-Montrachet Premier Cru Les Ruchottes 2013 Ramonet
レンズ豆のテリーヌ。二種類のシャルキュトリと、レンズ豆と人参などのゼリー寄せ。なかなか美味しい(19.20€/kg)。
Foie Gras (Charcuterie Raillard)
このフォアグラは絶品でした。周囲を薄いゼラチンでコーティングされています(124.00€/kg)。
Pommes de Terre (Charcuterie Raillard)
要はポテトサラダ。日本で食べるポテトサラダと似ていますが、ちょっと違います(9.00€/kg)。
Sauce financière au poulet et champignons (Charcuterie Raillard)
器のせいか、見た目があまりよくないですが、鶏とキノコのフィナンシエール。お味はまずまず(25.90€/kg)。
Fromages (Alain Hess)
フロマージュは軽く。右上が言わずと知れたエポワス(Episses Perriere)。トロッとした状態ではなかったですが、固めのバニラアイスクリーム的な高密度な食感。左上がMIni-Clacbitou(ミニ=クラクビトゥ)という名のシェーヴル。結構乾燥した濃厚なタイプ。下のハードタイプは前々日の残りのトム・ド・ブルビ。
いやあ、それにしてもラモネは旨いです(笑)。抜栓後2日経過したことで、角が取れてさらに美味しくなっています。エポワスにもシェーヴルにもよく合って、満足。しかしこのレ・リュショット、最後の一本だったんですよね。一期一会です。対して、APdMCのピュリニー・ガレンヌ'11は2日はもたなかったようです。
こんな感じで、この日は軽く済ませて、また翌日のドメーヌ訪問に備えます。翌日は今回の最終日。訪問先は2軒で、一つはモンテリー、もう一つはムルソー。
訪問記事もあと2軒を残すばかりです。
つづく・・・。
Domaine de Bellene à Beaune
また、間が開いてしまいましたが、続きです。
翌火曜日(5/3)は、我々のブルゴーニュ訪問のメインイベントとなる蔵への訪問です。そのメインイベントとは・・・
ドメーヌ・ド・ベレーヌ。その醸造責任者であるシルヴァン・デボール氏との再会。
2009年2月、当時まだドメーヌ・ポテルという名称だったこのドメーヌを訪問して以来、シルヴァンが毎回相手をしてくれて、今回で4回目の訪問になります。いつの間にかシルヴァンとは仲良くさせて頂くようになりました。人柄が素晴らしく、またいつも笑わせてくれるユーモアのある人物で、それでいて繊細さも兼ね備えた、我々が大好きなフランス人。そして、我々にとっては「そのためにブルゴーニュに行く」くらいのモチベーションが、シルヴァンと会うことなのです。
シルヴァンは、二コラの右腕としてワインを形にしていく醸造責任者としての仕事と、自身のメゾンの運営も行っています。そして、もう始めて1年になりますが、インスタグラムやツイッター等のSNSでドメーヌの広報活動も熱心に行っています。特にインスタグラムには、畑の作業、醸造工程などを綺麗な写真を載せていますので、好きな人なら非常に勉強にもなります。また、ここのワイン(ドメーヌものとメゾンもの)を載せた世界中の方の写真をリポストしたりして、飲み手との繋がりを作ることにも余念がありません。シルヴァンは英語を話せる(書ける)ので適任ですね。
さて、今回のベレーヌへの訪問では、シルヴァンが特別プログラムが組んでくれていました。それは、ドメーヌでの試飲に加えてコート・ド・ニュイの畑ツアー、さらにデジュネをご一緒するというもの。比較的閑散時期だったとは言え、予想外の雹霜害の直後であったにもかかわらず、半日もの貴重な時間を我々に割いてくれたシルヴァンには本当に感謝です。
さて、シルヴァンから提案されたランデヴーは9:30。ボーヌの凱旋門ポルト・サン・二コラから歩いて5分もかからない所にドメーヌはあるので、サントル内に滞在している我々には余裕。ドメーヌに到着すると、門の前で男性と話をしているシルヴァンの姿が。
「シルヴァン!おはよう!!」
「やあ、よく来たね!」
実はインスタグラムのメッセージ機能で9:30に迎えに行くよと伝言が入っていたのですが、気付かず・・・。そのもう一人の男性は、道路を隔てて向かいにあるドメーヌの造り手のようで、やはり例の凍霜害の影響についての情報交換だったようです。
「さあて、行こうか!」
シルヴァンの車に乗り込むと北に向かって出発です。
車は国道を走り、ボーヌからショレイ・レ・ボーヌ、アロース=コルトン、ラドワ=セリニーを通過。途中、コート・ド・ボーヌとニュイの境(ラドワ=セリニー村とコルゴロアンの境)を教えてもらいました。コンブランシアンやニュイ=サン=ジョルジュには人工丘(石切り場で石を取り出した後の残骸を積み上げた丘)がいくつか見られるのですが、この人工丘のお陰で冷気の通り道が遮られて気温が下がりにくくなり、今回でも凍霜害から免れたんだよ、とシルヴァン。例えば、J.F.ミュニエのクロ・ド・ラ・マルシャル。ニュイ=サン=ジョルジュに入ってすぐのところにあります。その丘側には確かに人工的な丘が・・・。この辺、興味のある方はグーグルマップで見てみると面白いですよ。
じゃあ、どこから畑の中の道に入ろうか?と言いながら、シャンボール=ミュジニー村に一旦入ろうとしたシルヴァン、気が変わったのか、再び国道に車を戻します。畑のある丘の方向に舵を切ったのが、モレ=サン=ドニ村でした。こっちから入った方が面白いから、と。
モレの街に入って、そのまま突き当たったところがクロ・ド・タール(Clos de Tart)。元のシルヴァンの同僚が、今はこのクロ・ド・タールで働いているとのこと。ちょうどその人が働いているところが見えましたが、仕事中なので声がけせず。このクロ・ド・タールを起点として、シャンボール=ミュジニー村方向に戻っていきます。クロ・ド・タールを右に見つつ車を進めると、隣接するのがシャンボールのボンヌ・マール。そこから、一旦シャンボールの街に入ってから、再びグラン・クリュ畑へ。レ・ザムルーズが左手に見えると、右手にはミュジニーが。
この辺で雨が少し降ってきました。
Les Grands MusignyとLes Petits Musignyの境界
ミュジニーは、レ・グラン・ミュジニーとレ・プティット・ミュジニー、ラ・コンブ・ドルヴォーという三つのリュー=ディからなっていますが、ここはグランとプティットの境界。詳しくは見ませんでしたが、この辺も凍霜害にやられていたようです。
この左手のレ・プティット・ミュジニーの真向いがクロ・ド・ヴージョの北端なんですよね。そしてその北端の区画にシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョがあります。
ここで急に雨が強くなってきました。でも、シルヴァンに頼んで無理にシャトーに入ってもらいました。例のクロ・ド・ヴージョの所有者が載っている地図が売っているかを確認したくて。中に入ると、ありました!でも価格は28ユーロ・・・。ということで断念。だって、Faiveleyのレセプション・ルームで写真撮ったので(笑)
シャトーを出ると、再びプティット・ミュジニーを通り、今度はエシェゾーです。エシェゾーのリュー=ディ・アン・オルヴォーを右手に見たら、すぐに左方向へ。そこはグラン・ゼシェゾー。その道はグラン・ゼシェゾーの中を走ります。一部のグラン・ゼシェゾーはクロ・ド・ヴージョと道ではなく石垣で区切られていますので、境界部近くは両者は同じ畑だと思いました。その後四つ角にぶつかったら、そこはエシェゾーの下部。右手がリュー=ディ・レ・トリュー、左手がリュー=ディ・レ・カルティエ・ド・ニュイ。
シルヴァンはここで車を止めます。
ここまでのルートは下記のグーグルマップを参照ください。
Google Mapより
この矢印のところで、シルヴァンは車を止めました。
Vosne-Romanée Les Quartier de Nuitsにて
ここがうちのカルティエ・ド・ニュイだよ、とシルヴァン。
リュー=ディ・レ・カルティエ・ド・ニュイは、グラン・クリュ・エシェゾーに格付けされる区画と、村名格に格付けされる区画に分かれていますが、ドメーヌ・ド・ベレーヌは村名格の区画の方を所有しています。
Domaine de BelleneのLes Quartier de Nuits所有区画
木の杭の先端が赤く塗られているところから数十畝がベレーヌの区画。一面に背の低い雑草が生えており、土壌の見た目も柔らかで良好な状態に見えます。ここは2009年に購入したとのこと。前の所有者は残念ながら除草剤が使っていたようですが、ベレーヌが入手してからは一切使用禁止。7年目の今、その影響はなくなったと考えているとのことです。一般的には5年辛抱すると、元の健全な畑に戻るとのことですので、2014年ヴィンテージ辺りから品質が向上しているということですね。実は、2012年のカルティエ・ド・ニュイがあまりピンと来なかったのですが、その原因がわかったような気がします。
凍霜害にあった新芽を解体するシルヴァン
これが死んでしまった第一芽。こちらが第二芽で、第一芽がダメになると第二芽が咲くことになる。自然はよくできているよね、とシルヴァン。第二芽をサンプリングして顕微鏡で芽が出るかどうか確認しているとのこと。ですので、凍霜害にあった今年でも第二芽が生きていさえすれば全滅ということではないそうです。しかし、やはり問題はあります。第二芽の場合は時間的な遅れが生じてしまうので、第一芽由来の収穫時期と第二芽由来の収穫時期が異なってしまうというのです。そうしたら、収穫を二回もやらないといけないの?という我々の質問に、それはこれから状況を見ながら判断していかなければならない、というのがシルヴァンの回答。
Domaine de BelleneのLes Quartier de Nuits所有区画
適度に雑草が生え、ふかふかそうな土壌からは、良いヴォーヌ=ロマネが採れそうです。ただただ、今年の雹霜害の影響が少しでも軽くなればいいなと思います。この奥の畝では馬で耕している最中でした。
Echezeaux(左)とVosne-Romanée(右)の境界
左側がEchezeaux Lieu-dit Les Treuxで、右側がVosne-Romanée Lieu-dit Les Quartier de Nuits。つまりグラン・クリュと村名の境になります。
Echezeaux Lieu-dit Les Treuxの一区画
どなたの区画かわかりませんが、ここはひどい。雑草一つ生えていません。シルヴァン曰く、除草剤だと。まだこういう生産者もいるのですね。隣の所有者は気が気ではないでしょう。これなら反対側の村名の健全な畑の方がずっといい。折角のグラン・クリュなのだから、もっとエネルギーを費やしてもらいたいものです。
また車に乗り込んで、ほんの少しだけ移動。エシェゾーの隣はプルミエ・クリュのレ・スーショ。その先にはロマネ=サン=ヴィヴァン。なので、次の角を右折すると、右手にスーショ、左手にロマネ・サン=ヴィヴァンとなります。段々とクライマックスが近づいてきます。
Vosne-Rmanée Premier Cru Les Suchots
ここがレ・スーショ。畑の中央が窪んでいる特徴的な形状をしています。この辺がドメーヌ・ド・ベレーヌの所有区画。
Les Suchots(左)とRomanée Saint-Vivant(右)の境界
左がスーショ、右がロマネ・サン=ヴィヴァン。スーショには石垣がありませんが、グラン・クリュには石垣があります。
Romanée Saint-VivantからRichebourgs方面を望む
ロマネ・サン=ヴィヴァン。ほとんど芽が出ていなく、寂しい光景。この奥にはリシュブールがあり、その先がクロ・パラントゥーやらレ・プティ・モンがあります。
この先を左折すると、左にロマネ・サン=ヴィヴァン、右手にリシュブールとなる道路になります。ここまで来ると、もうクライマックス間近ですね(笑)
その道をそのまま進むと・・・
La Romanée-Conti
リシュブールの隣に当たります。右手に見える十字架が有名なスポット。
ロマネ・サン=ヴィヴァンに比べると幾分緑が多いようです。感慨深い・・・とは思いますが、実のところ、飲むことのないワインの畑を見てもあまりピンときません(笑)
La Romanée-ContiからLa Romanée及びAux Reignots方面を望む
手前がロマネ=コンティ。この一つ先がラ・ロマネ。その先がプルミエ・クリュのオー・レイニョになります。
La Romanée-Contiから高台を望む
重機が入っていました。あとで調べてみると、リシュブールとレ・プティット・モンの境界か、あるいはプティット・モンの中のようです。パーセルとパーセルの間の農道を整地しているようでした。
ここまでを下記の通りグーグルマップで示しておきます。
ロマネ=コンティの先がグラン・リュー、そして、あのラ・ターシュ。ここもゆっくりとみて行きたかったのですが、時間がなくなってきましたので、そのままラ・ターシュを通過して、ニュイ=サン=ジョルジュ村に入ります。
Nuits-Saint-Georges 1er CruのAux Chaignotsを望む
この辺りは、NSGのプルミエ・クリュのエリア。手前がAux Vignerondes(オー・ヴィニュロンド)で、その上がドメーヌが所有するオー・シェイニョです。
Nuits-Saint-Georges La Charmotte
ここはニュイ=サン=ジョルジュの村名区画。もう国道近くです。この辺はラ・シャルモットという名のリュー=ディで、この辺りがドメーヌ・ド・ベレーヌが所有している区画だそうです。
ここからまた車を飛ばして、ドメーヌに戻ります。お待ちかねのデギュスタシオンです。これから怒涛の樽試飲が始まるのです。
まずは白のカーヴへに入ります。ここのドメーヌは白→赤と進めるスタイル。
(1) Bourgogone Chardonnay 2015
'15のレジオナルはAloxe Croton村から。ここのACブル白は毎年同じではありません。2007年産はSaint-Romainの村名区画のブドウをデクラセして、日本市場に出していました。その後Savigny-Les-Beauneをデクラセして出したり、2013年産はコート・ド・ニュイ・ヴィラージュのデクラセでした。今年はアロース=コルトンだそうです。デクラセではないし、日本向け特別キュヴェでもなくなったようです。でも、今回もなかなか旨い。
(2) Saint-Romain Vieilles Vignes 2015
続いて我々が好きなサン=ロマン。今回はとても面白い飲み比べ。樽違いの飲み比べなのです。同じ生産者が同じ木から作る新樽なのですが、その作製日が違います。ビオディナミカレンダーで言う、根の日(Root Day)と花の日(Flower Day)の違い。それぞれの味わいの印象は次の通りです。
花の日:アロマティック。文字通り、フローラル。そして、ミネラル感が際立つような印象。
根の日:ボディがあり、複雑。まろやかさもあります。ワインの良いところが引き出されている印象。
ビオディナミの手法を樽にも取り入れる実験とのこと。樽職人には渋られたとのことでしたが、こう明確に異なる味わいを経験してしまうと、樽職人の仕事も複雑になってしまいますね。でも、数年後にはAOCによって、ヴィンテージによって樽作製日を変えるのが普通になっているのかもしれません。
ちなみに、ブドウの収穫日は2015.9.11。プレスは10.7でした。
Saint-Romainの樽
(3) Santenay Les Charmes Dessus 2015
続いて、サントネイ。これは毎年貴腐がつく畑なのですが、今回はやや少なめな印象です。シルヴァンによると、2015年は2、3粒/房程度だったとのことで、貴腐らしい複雑な香味がとても良いバランスで感じられると思います。我々がフォアグラと合わせた2011年は貴腐がもっと多かったとのこと。
(4) Côte de Nuits-Villages Les Monts de Boncourt 2015
次はニュイ。Comblanchien(コンブランシアン)とCorgoloin(コルゴロアン)の間に位置する畑。D974からそう遠くない西側斜面にあります。味わいは、今回試飲したCdBの白に比べると、実にソリッドな味わい。
(5) Meursault Les Forges 2015
白のフラッグシップ。一口飲んで唸ります。これは素晴らしい。新樽の香りが優勢ではあるものの、ワイン自体の味わいの素晴らしいこと!もちろん、村名区画ですから、そこから逸脱するものではありませんが、とにかく旨い。シルヴァン曰く、畑を入手して5年以上が経過し、段々レベルが上がっている。シルヴァンもこれは気に入っているようでした。これ、出たら半ダースくらいは買っておきたいと思います。ずいぶん先ですが・・・。
Meursault Les Forgesの樽
確か、3樽くらいしかなかったような気がします。リリースも1000本くらいなのかもしれません。
白のカーヴ
白の樽は金属部分がシルバーになっています。後述の赤のカーヴにある赤の樽は金属部がもっと黒っぽい色にしてあります。
このドメーヌは、白と赤のカーヴが異なります。赤の試飲には赤のカーヴに移る必要があります。
垂直式プレス
赤白カーヴの間の場所に置いてあるプレス機。ここのドメーヌは、この古き良き垂直式を愛用しています。どんなに最新のプレス機が出ても、この昔ながらの方式が良いのだとか・・・。
さて、赤のカーヴに入り、赤のデギュスタシオンに移ります。
赤のカーヴ
(6) Bourgogne Maison Dieu Vieilles Vignes 2015
赤のトップバッターはメゾン・デュー。レジオナル。これを飲んで素直に思うのは、2015年は赤の年だということ。メゾン・デューがここまでのレベルになったのは初めてかもと思いました。レジオナルを超える味わい。
(7) Saint-Romain Rouge 2015
これはなあんだ?とシルヴァンが聞いてきましたが、よくわからず。まろやかで、ぽちょん・・・とした味わい。なんとなく下膨れでヴォーヌ=ロマネ的なバランスの味わい。へえ、これがサン=ロマンの赤の味わいなのか・・・。サン=ロマン赤はこれが初ヴィンテージのはず。標高が高いので、この赤がドメーヌ最後の収穫。2015.9.16のことでした。プレスは10.7。
(8) Volnay Les Grands Poisots 2015
続いてヴォルネイ。ポマールとの境界に位置する村名区画。こちらは相当にガチガチで、ピリピリとした味わいが強く、他に比べるとテイスティングが難しい状態でした。
(9) Savigny-les-Beaune 1er Cru les Hauts Jarrons 2015
サヴィニーのプルミエ・クリュです。スパイシーなアロマですが、サヴィニーらしい柔らかさがあり、ちょうど良いシラーのようなイメージがあります。プルミエ・クリュとしてのミネラリティもあり、良いワインです。
実はシルヴァンの一番のお気に入り。だって、シルヴァンはシラーが好きですから(笑)
(10) Beaune Premier Cru 2015
ボーヌ・プルミエ・クリュ。いつもはクリマ毎に仕込むのですが、2015年は5つのクリマをアッサンブラージュ。その5つとは、Clos du Roi、Les Bressandes、La Montée Rouge、Les Reversés、Pertuisots。サヴィニーとの境界近くからボーヌ中央部のややポマールに近い側まで、結構広い範囲に亘るプルミエ・クリュをブレンドしています。味わいは、これが凄かった。味わいのスペクトルが広く、とても楽しい味わい。確かにピュアリティに欠けるとは思いますが、美味しさという点がそれを補って余りあるという印象。恐らく、各々単独では力不足だったのでしょう。また収穫量の問題もあったとは思いますが、このアッサンブラージュは適切な処置だったと思います。これもリリースしたら購入したいキュヴェ。
(11) Beaune 1er Cru Les Grèves 2015
こちらは逆にアッサンブラージュの仲間には入らなかったレ・グレーヴ。確かに、これは単独で素晴らしいバランス。しかも、ピュアリティがあります。ここのレ・グレーヴは以前のヴィンテージで評価が高かったのですが、それもうなづけます。2015年はさらに高い評価を得ることでしょう。これも購入したい一品。
(12) Nuits-Saint-Georges Vieilles Vignes 2015
続いてNSG村名。ここ、シルヴァンに連れて行ってもらったLa Charmotteというリュー=ディだと思います。さすがにNSGは力強さがあります。面白かったのは、このワイン、口の中での位置はかなり高く、軽やかだったこと。
(13) Vosne-Romanée Les Quartiers de Nuits 2015
前半でさんざん説明したレ・カルティエ・ド・ニュイです。2015年は確かに美味しい。ふっくらとしています。ヴォーヌ=ロマネらしいシェイプ。ただ、このころになると、かなり酔いが回ってきていたので、テイスティングの精度が今一つだったかもしれませんが。
(14) Nuits-Saint-Georges 1er Cru Aux Chaignots 2015
樽試飲の最後はオー・シェイニョ。テイスティングの精度は鈍ってきてはいましたが、これはかなりレベルが高いと思いました。これも購入したいアイテム。
ちなみに、このオー・シェイニョが最後に発酵が終わって10.9にプレスされたそうです。
最後にシルヴァンが持ってきてくれたのは、2014年産のボトル。
思い出しました。インスタグラムでシルヴァンが紹介していて、そこに「いいなあ」と書き込んだら、「それじゃあ、今度来たときにね」とレスしてくれた、あのキュヴェ。
(15) Bourgogne Maison Dieu Vieilles Vignes 2014 Sans Soufre
強い酸化のニュアンス(ただしシェリーではない)。香りや味わいのアタックは慣れないと厳しいかもしれませんが、ワインの柔らかさは比類がありません。SO2は間接的にワインに厳しさや硬さを与えていたのかと思うほど、柔らかくて優しい。そしてエネルギー感。ブルゴーニュ・メゾン・デューの2014年のとき、ただ一樽だけSO2を入れずに造ったのです。いわゆる、サン・スフル。これは自然派の生産者が昔から実施していますが、最近は「自然派」ではない多くの生産者が試験的にやり始めているようです。ここのドメーヌはこれが初めて。SO2は人為的添加はゼロですが、ブドウの果皮などに付いていて自然に混入する分は当然あり、それが22mg/Lとのことでした。
いやあ、楽しかった。相も変わらず、素晴らしいデギュスタシオン。シルヴァンには本当に感謝!
怒涛の試飲もこれで終わり、外に出ます。これからデジュネに行くのです。シルヴァンがどこかのお店を予約してくれていました。デギュスタシオンの途中で、シルヴァンが「さあ、あと何分しかないのに何種類も残ってるよ~」と急かしたのは、そのデジュネの時間が迫っていたからでした。デジュネの時間は12:30なのに、もう既に12:40(苦笑)
ドメーヌの中庭
ドメーヌを中から見たところ。左手が事務所で、左右の後ろ側に醸造所やカーヴがあります。
シルヴァンの車に乗り込んで、デジュネに出発です。といっても、ボーヌ・サントルの中ですので、とても近いです。場所は、La Buissonniere(ラ・ビュイッソニエール)という、Rue Maufoux(モーフォー通り)にある新しいレストラン。シルヴァンも初めてとのことでした。
デジュネなので、プラだけにしました。Puligny妻はグリーンアスパラのサラダ。Puligny夫はポーク。シルヴァンはビーフだったかと思いますが、どれもとても美味しく、なかなかのレストランだと思いました。
話題は多種多様でした。秘密の話もあったし、こちらの仕事の話も・・・。また、お互いの将来像についてなんかも、大雑把に楽しくおしゃべり。それで、話に夢中になってしまったせいで、お店の写真はもとより、料理の写真など全く撮影しませんでした。唯一撮ったのはグラスで飲んだサン=ロマンのボトル。
Christophe Buissonって初めてかと思ったら、我が家のセラーに赤(オークセイ=デュレスの'11)がありました。このサン=ロマン、結構行けましたよ。
ゆっくりと話をしていたら、そろそろ次のドメーヌに行く時間に・・・。時間を十分に取ってもらい、しかもお昼までご馳走になり、その上、サヴィニーにある次のドメーヌまでの足までお願いしてしまいました。
今回の訪問もとても思い出に残りました。ありがとう、シルヴァン!!来年は、CdBの畑巡りに連れて行ってくれると約束してくれたので、また必ず訪ねたいと思います。
つづく・・・。
Domaine Meunevaux à Aloxe-Corton
ドメーヌ・ロベール・ジブールにやってきたタクシーの運転手はギイさんではない女性。
タクシーに乗り込むと、「パトリシアよ。」と挨拶してくれる運転手さん。あれ?もしかして、ギイさんの奥さん?
そうであることを確認するのにかなり時間がかかったのは、我々のフランス語能力がないため。だって、パトリシアさん、英語を全く混ぜもしないんだもの(笑)。そして、助手席に座っている若い女性は・・・娘さんでした。17、8歳くらいでしょうか。きっと、お母さんが娘さんをどこかに送っていくところだったに違いありません。ブルゴーニュ(だけじゃないんでしょうけど)のタクシーは、結構プライベートなことにも使うんですよね。2009年にPuligny-Montrachet村の宿に戻る際に来てくれたワンボックスのタクシーには、8歳の可愛い女の子が乗っていたっけ。でも、その女の子も愛想が良いので、乗っている方も悪い気がしないのです。一石二鳥とはこのことですね(笑)。今回の娘さんも恥かしそうにしながらも、我々との会話に加わってくれました。
次のドメーヌまでの道中、純フランス語でおしゃべり(苦笑)。パトリシアさんは、南フランスっぽいラテン系の風貌の明るい女性で、感情を織り交ぜながら話します。いつも我々の訪問のアレンジをしてくれる日本人の方のことをよくご存知で、その方のエピソードを話してくれたたり、我々の名前は何ていうの?と聞いて復唱してみたり・・・。こちらは、いかにギイさんにお世話になったかとか、ギイさんの運転のときはこんなこと話してるんだよとか・・・。とにかく、単語だけで相互理解に努めます。でも、とても楽しい会話でした。
そうこうしているうちに、目的地に到着。ここがこの日最後のドメーヌ。
Domaine Meunevaux(ドメーヌ・ムヌヴォー)。
その昔、Didier Meunevauxというドメーヌ名だったこの蔵は、お父さんのディディエさんの一人体制から、息子さんのフレディさんとの二世代体制となり、名前を変更したようです。
この日、我々の相手をしてくれたのは息子のフレディさん。
カーヴ1
新しい建屋内にあるカーヴ。
カーヴ2
こちらは昔からの建物の中にあるカーヴ。
カーヴ3
古い建物内のカーヴの続き。この辺りにはボトルの熟成庫も。
テイスティング・テーブル
デギュスタシオンはこちらのテーブルで。
(1) Chorey-les-Beaune 2014
この蔵のエントリーモデル的なキュヴェ。ある程度のタンニンはありますが、早くから飲めそうなキュヴェと言えそう。蔵出し価格(書きませんが)も村名としてはかなり格安です。
(2) Aloxe-Corton Village 2014
ショレイに比べるとボディが大きく、力強さがあります。南西から南東向きの斜面を有するアロースにはありますが、村名区画の多くはショレイと同様に平地。Lieu-ditは4つで、北側からLes Bruyères、Cailettes、Les Cras、Les Boutières。皆国道に面しています。
(3) Aloxe-Corton 1er Cru 2014
こちらはプルミエ・クリュ。二つのクリマをアッサンブラージュ。一つはLes Fournières(南東向き)、もう一つはLes Vercotsでこちらは平地。ひとつ前の村名に比べると、味わいの広がり、規模とバランスが一枚上手。単一クリマで出すよりもベターなのだろうと思います。もちろん収穫量が少なくてブレンドせざるを得ない可能性もありますが。フレディさんによると5~7年で飲み頃になるとのことです。
(4) Corton Perrières 2014
そして、グラン・クリュ。ペリエールはコルトンの丘の南東向きから南向きに変わる辺りの斜面中腹にある小クリマ。ノーズは大人しいのですが、口に含んでみるとスケール感があります。複雑さとフィネスをもち、グラン・クリュの風格を感じます。
続いて白。この蔵も赤から始まり、白に移行するデギュスタシオン順です。
(5) Bourgogne Chardonnay 2014
まずはACブルゴーニュ。ショレイ=レ=ボーヌ村の区画。こちらも白のエントリーモデル。非常に飲みやすいと思います。
(6) Corton Blanc 2013
この蔵はコルトン・ブランを持っているのです。これはお願いして出して頂きました。2013年ヴィンテージです。南西向きのクリマであるLes Chaumesで造るシャルドネ。Le Charlemagnesと村名のLes Combesに挟まれた非常に細長い三角形の区画。実はこの区画は収穫タイミングを計るのが難しくて、他の区画に比べて10~15日早く収穫しなければならないとのこと。この2013年は、わかってはいたけれど収穫が遅くなってしまったとのこと。確かに、コルトン・ブランとしての力強さは当然としても、どうしても酸の不足感は否めず。ということもあり、フレディさんはこれを出すのに気乗りしない様子でした。フレディさんの正直な告白によると、2013年だけでなく2014年も上手くいかなかったとのこと。しかし、2015年は成功したとのこと。これはよく覚えておきたいと思います。
設備の一部
水平圧搾機(プヌマティック=空気圧式)とラベル貼り機。奥に見えるのはタンク(イノックスではない)。
デギュスタシオンの後はフレディさんとおしゃべり。
色んな話をしましたが、何故かブルゴーニュの畑の価格の話になりました。具体的な価格を記載するのは避けますが、1ウーヴレ当たりの価格は、ヴィラージュを1とするとグラン・クリュが5、そしてモンラッシェが30だそうです。それぞれ、どこのクリマか区画かがわからないと、ワインの価格との関連まではわかりませんが、まあそんな相対的な関係だそうです。
最後にフレディさんに質問。
(1)最近のヴィンテージで、自分にとって最も良いあるいは印象的なのは?
⇒2012年、2014年、2015年
(2)目指しているのは長期間熟成か、早飲みか?
⇒フルーツを重視(つまり、早くから飲めるワインと解釈)。ただ、2015年は除梗せず、異なるスタイル(長熟ワインと解釈)。
(3)どのキュヴェが一番自分らしく造れているか?
⇒コルトン・ブレッサンド。そして、アロース=コルトン・ヴィラージュ。
(4)他の生産者と違うところは何か?
⇒規模が小さく、生産量が少ないこと自体。父親と自分が一緒に運営していること。
若いフレディさん。訪問者の対応はまだあまり慣れていなかったのかもしれませんが、一生懸命なひた向きさと、自分が知っていることを包み隠さずに話してくれる気前の良さに好感を持ちました。今二人の子供の育児に専念している奥さん(ボルドー出身でフレディさんと大学で一緒だったとか)が復帰したら、きっと二人で運営するようになり、例えば"Freddy et Daisy Meunevaux"というドメーヌ名に代わるのではないかと密かに予想しています。これからがとても楽しみな生産者です。
気が付いたら、もう19時を回っていました。この後、フレディさんが我々を宿まで送ってくれると言います。でも、車の中がゴミゴミしているからちょっと待っててと、我々のために綺麗にしてくれ始めました。ちょうどそのとき、別の車が敷地に入って来ました。フレディさんは一言二言話すと、そっちの車で送るよと。その車に乗っていたのはフレディさんのお母さん。ということで、我々は「フレディ・ママ」に送って頂いたのでした。
フレディ・ママはとても気さくで英語も少し話せる方でした。道すがら、この日にフレディさんと楽しいデギュスタシオンができたこと、期待の生産者と思っていること、見た目もハンサムだねと感想を伝えました。フレディ・ママのレスポンスからは、我々の感想に同意するどころか、我々以上にそう思っているということが伝わってきました。やはり、どこの国もママは息子を誇りに思っているんですね。
我々が宿に戻ったのは、もう20時近く。もうお店は開いていないので、どこかで外食することにします。そうだ、一度行ってみたかったブラッスリーがあったんだ。ということで、脇を通るたびにいつも満席のそちらへ。
それはボーヌ市街の中心部にある、Brasserie le Carnot(ブラッスリー・ル・カルノ)。
Salad Carnot
こちらはPuligny妻がオーダー。お店のオリジナルサラダ。ジャガイモ、カマンベール他のフロマージュ、ジャンボンなど。ヴォリュームのあるサラダ。
Pluma de Porc
Puligny夫が注文した豚肉のロースト。プルマは部位の名称で、ロースの頭の部分だそうです。赤身肉でスペインでは高級部位だとか。でも、こちらのプルマは結構硬くて今一つ。
Deux Verres de Vin
ワインはグラスで。あのボタンを押して一定量が出てくるワインサーバーで。白がSaint-Romain、赤がPernand Vergelesses。うーん、味わいは今一つ。沢山飲んだ日だからあまり味がわからないかと言うと、そうでもないんですよね・・・。明らかな酸化はないけれど、躍動感の全くないワイン。このサーバーって、酸素は遮断できているのでしょうが、ワインの品質を維持できているかどうかは疑わしいと思いました。結局ボトルで出してくれるところの方が信用できるということか・・・。
これで1日3軒訪問の月曜日が終了。火曜と水曜は1日2軒ずつ訪ねていきます。そして、火曜日午前中は、今回のメインイベントとなる蔵への訪問なのです。
つづく・・・。
































































