Saumur Blanc 2010 Domaine du Collier
ソーミュール・ブラン2010を開けました。造り手ははDomaine du Collier (ドメーヌ・デュ・コリエール)。
生産者のWeb Site によると、
このドメーヌは、Antoine Foucault(アントワーヌ・フーコー)とCaroline Boireau(カロリーヌ・ボワロー)によって、1999年、Brézé村に設立されたとのこと。所有面積は6haで、その多くはChenin Blanc(樹齢60~90年)、残りはCabernet Franc。完全無農薬栽培。石灰質土壌(rock of tuffeau)。2,3年の樽熟成。
このアントワーヌ・フーコーさんは、まさにサラブレッド。お父さんはあのClos Rougeard(クロ・ルジャール)のフーコー兄弟(おそらくシャルリー・フーコー氏)。母は、Chateau Yvonne(シャトー・イヴォンヌ)のフランソワーズ・フーコーさん。しかも、この若き醸造家は、Chateau LatourやDidier Dagueneauの下で修業してきたとのことです。サラブレッド+英才教育(笑)
中くらいの濃さのストロー・ゴールド。シュナンブランらしい色合い。
黄りんご、洋梨、メロン、オレンジ。八角などのオリエンタル・スパイス。樽由来と思われるロースト香。
口に含むと、まったりとしたオイリーなテクスチュア。オレンジのようなジューシーな果実。その直後に、滑らかながら鋭角な酸が出てきて舌の再度を刺激。2010年だからでしょうか?酸フェチにはたまらない・・・と思います(笑) ザクザクとしたミネラル。粘性はテクスチュアに感じたほどは高くないです。
そんな感じで味わいがぐーっと盛り上がり、緩やかに消えていきます。口中の位置は下位ですが、強力な酸がグイと上に持ち上げるかのようです。
Vouvrrayも好きなワインでしたが、Saumur Blancは、Saumurも手に入れるべきLoireだと思うようになってきました。だって、豚肉をよく食べますから、我が家。
豆と緑オリーブとフルーツトマトのサラダ
フルーツトマトは北海道産。豆とオリーブは近所のスーパーにて。
ワインとの相性は宜しいです(マリアージュ点7/10)。特にオリーブが合います。
ジャガイモ
和歌山県紀ノ川の男爵イモ。電子レンジで蒸かして、トリュフバターを少々。
ワインとの相性はこちらも宜しいです(マリアージュ点7/10)。ジャガイモとは口中の位置が合っているようです。
黒豚ひき肉とレンコンとニンジンのワイン蒸し
冷凍しておいた掛川完熟酵母黒豚のひき肉。これと生姜、レンコン、ニンジンを炒めて、最後にワインで蒸しました。
ワインとの相性はこちらも宜しいです(マリアージュ点7/10)。
飲んだ日:2015.8.12
入手日:2015.7.20
購入店:La Vinee
輸入者:恵比寿ワインマート
容量:750ml
購入価格:\4,860
品種:Chenin Blanc100%
アルコール度数:13%
甘さ:辛口
私達のお好み度: B++ (最高A++、最低C)
飲み頃度:今美味しいけれど、少なくとも3年以上は熟成させたい
Rebuy:Yes
Saumur Blanc is one of the essential items for Pork Eaters!
ブルゴーニュのヴィンテージ 気温と降水量 その2
前回、ブルゴーニュのヴィンテージ毎の味わいの指標として、平均気温と降水量に注目して、下記のグラフを書いてみたのでした。
(再掲)図2 Dijonにおける1983~2014年の年平均気温と年降水量(当年3月~9月)
そうしたら、図中のプロットの位置が近い組合せのいくつかに、下記の違和感が見えてきたのでした。
①1999年と2007年と2012年。三つのプロットは近いが、2007年の味わいは特に違う。
②1985年と1996年。これもプロットは近いのに味わいの印象が根本的に違う。
③1990年と2004年。'04はグレートヴィンテージ'90とはイメージが違う。
④2005年と2014年。今年の4月に樽試飲した'14から'05のイメージは湧かなかった。
前回、①について、月毎のデータを詳しく調べてみたら、2007年のみ収穫時期近くの7月以降の気温が下がっていること、6~8月の降水量が増加していることがわかり、2007年の味わいのイメージが異なることに納得がいきました。
今回は、上記の②③④についても、同様に調べてみました。
②1985年と1996年
両方ともCool & Dryのカテゴリーの中でも特に極端なところに位置します。しかし、'85ってもう少し温暖で凝縮感のある味わいだと思っているし、'96は酸が高く冷涼ではありますが相対的にもう少し緩い味わいと思っています。ですから、両者が似た味わいだとは思っていません。
図5 1985年と1996年の月平均気温(3月~9月)
このように、'85は6月までは気温が低かったのですが、7月、9月に平均以上に気温が上がりました。'96と比較すると、特に収穫直前の9月の平均気温が4℃も高くなっています。
では、降水量はどうでしょうか?
図6 1985年と1996年の月降水量(3月~9月)
月降水量はかなり違いました。特に7、8月は'96の降水量が多く、'85は6月~9月の降水量がかなり少ないことがわかります。
このように、'85は収穫直前でも気温が下がり過ぎず、また雨も少なかったヴィンテージであり、'96は収穫直前で気温が下がり、雨が多く降ったヴィンテージだったということになり、凝縮感のある'85、酸が高くて相対的に淡い'96というイメージと合うと思います。
③1990年と2004年
この二つが同じCool & Dryのカテゴリーにあるというのも違和感があります。'04は良いとしても、グレートヴィンテージの'90がこのカテゴリーとは到底思えません。
図7 1990年と2004年の月平均気温(3月~9月)
この図でも収穫直前に着目すると、7、8月の気温が'90は高く'04は低くなっており、'90が相対的に温暖であることがわかります。
続いて、降水量です。
図8 1990年と2004年の月降水量(3月~9月)
やはり、降水量にも差がありました。特に'90の7、8、9月の降水量は少なく凝縮した味わいであることを示唆していると同時に、'04は特に7、8月の降水量が多いので相対的に淡泊な味わいであるこをと示唆しています。
この二つのヴィンテージも、収穫時期直前の気温と降水量を見ることによって、納得できるものがあります。
④2005年と2014年
さて、まだ一般的には評価が定まっていない'14ですが、図2を見る限り、'05に類似したヴィンテージの可能性があります。本当でしょうか?でも、この4月にブルゴーニュを訪問してテイスティングした感じからは、'14は暖かい味わいながらも、'05ほどの凝縮した力強さは感じませんでした。さて、どうなっているのでしょうか?
図9 2005年と2014年の月平均気温(3月~9月)
これを見ると、収穫直前の7、8月の気温は、'14が'05よりも1℃程度低くなっていますし、全平均(1983年~2014年)気温と比べると、'14は若干低いようです。よって、'14は必ずしも温暖という訳でもなさそうです。
続いて、降水量です。
図10 2005年と2014年の月降水量(3月~9月)
これは明確な違いのあるデータでした。3、4、5月と、6、7、8月で大きな逆転現象が見られます。まるで6月を境に鏡面対象のようです。つまり、'05は収穫直前の降水量が少なく、'14は収穫直前に降水量が多かったのです。
そうであるなら、テイスティングした印象に近いように思います。つまり、'14は決して'05の再来ではないことが、データによっても確認できました。
⑤2003年と2015年
そして、明らかに高温で少雨の今年2015年はどんなヴィンテージなのでしょう?ご存知の方も多いと思いますが、あの'03に近いと言われています。そこで、現時点で入手できる7月までのデータでプロットしてみました。
図11 2003年と2015年の月平均気温(2015年は7月まで)
平年の気温に比べて、両年とも非常に気温が高いですね。6月と7月でちょっと数値が違いますが、どっこいどっこいの気温の高さ。8月の気温次第ですね。でも、Burgundyさんに教えて頂いたサイトによると、8月の気温は下がったようです。
降水量はどうでしょう?
図12 2003年と2015年の月降水量(2015年は7月まで)
確かに、この2年は降水量が少ないです。特に7月!ほとんど降っていませんね。8月にそれなりに振らないととんでもないことになりそうです。その8月ですが、フランスのサイトによると8/24時点で既に80mmを超える降水量を記録したようです。最後の最後で2003年とは違ってきたということですね。収穫予定の9月初め頃にドライになってくれたら、素晴らしい年になるかもしれません。
ここまで見てきて、収穫時期直前の気温と降水量こそが味わいに影響を与えるように思ったので、6月から9月の平均気温と降水量で図2のようなプロットをしてみました。しかし、図は敢えて載せませんが、これがまたよくわからない結果になってしまいました。やはり、各ヴィンテージによって収穫時期が異なることがポイントじゃないかと思います。つまり、各ヴィンテージの収穫日の情報を入手しないといけないということですね。今、探しているので、入手できたところで記事をアップしたいと思います。
まあ、あまり数字をこねくり回しても意味がなくなってしまうので、この辺で止めておきますが、こんな感じのことを、シャンパーニュとか、ロワールとか、ローヌとか、モーゼルとかラインガウでやってみると面白そうです。また、日本も面白いでしょうね。
いつか、暇を見つけて分析してみたいと思います。
ブルゴーニュのヴィンテージ 気温と降水量 その1
今回は久々にちょっと分析的なことをやってみました。お時間のあれば、ご笑覧ください。もしご意見、コメントなどがありましたら、頂ければ幸いです。
「何年のブルゴーニュはこういう味わいだ。」
なんてことが大まかにでもわかると良いなと常々思っていますが、それって結構難しいですよね。なぜって、ワインの味わいに影響を与えるヴィンテージの要素はさまざまで、すっきりと簡単に分かるものではないですから。
でも、この問いはワインにまつわるさまざまなシーンで常にある訳で、何とかその問いに答えたい場面があるのも事実。どうしたらいいのでしょう?まず最初の一歩はは何らかの指標をもつことではないでしょうか?別に完璧な指標である必要はありません。何らかの指標をもっていればある一定の理解ができるし、どうせ例外が出てくるでしょうから、その場合はそれを考察すればさらに理解が深まることになります。
それでは、指標として何を選べばいいのでしょう?とあるワインの本 を買って読んでみて、これだと思いました。それは各ヴィンテージの気温と降水量です。
・気温が低ければ酸が高く、気温が高ければ酸が低い。
・降水量が少なければ濃厚な味わいで、降水量が多ければ淡泊な味わい
ということです。これは良いポイントですので、もう少し詳しく調べてみることにしました。
ところで、そういうデータはどこのあるのでしょう?調べてみたら、なんと日本の気象庁にデータベースがありました。Climat View という世界の天候データツールです。
Climat Viewのページから借用
このデータベースには世界中の各都市の月平均気温と月降水量が記載されています。この中から、ブルゴーニュに最も近いDijon市を選びました(実はトロワとかトリアーとか選べば、シャンパーニュやモーゼルに関しても調査可能)。Dijon市のデータは1982年6月から現在まででした。そのデータを用いて、年平均気温と年降水量を算出してみました。その結果を図示したのが下の図になります。
図1 Dijonにおける1983~2014年の年平均気温と年降水量(前年11月~当年10月)
図1の期間の取り方は、前年の11月から当年の10月までとしてみました。例えば、1983年なら1982年11月~1983年10月までです。図1は左から右に行くほど気温が高く(Cool→Hot)、下から上に行くほど雨が多い(Dry→Wet)図です。また、図中の縦横に引いてある太い白線は、全ヴィンテージの平均値です。なお、このグラフでは元データの一部欠落により、4ヴィンテージ分の値が抜けています(1984, 1991, 1993, 1997年)。
まず、年代によって色分けしてみました。地球温暖化の影響が出るだろうと思ったからです。その通り、1980年代(青)や1990年代(緑)は、グラフの左側に寄っているのに対し、2000年代(橙)や2010年代(赤)はグラフの右側に寄っているように見えます。そのため、1980年代としては暖かかった1989年、1990年は全体でみると平均かそれ以下の気温ですし、最近において低温だった2008年、2010年、2013年は全体でみるとそれほど気温は低くはありません。このように、おそらく地球温暖化のせいで、ヴィンテージに対するイメージと実際の気温はずれているように思います。
ちなみに、降水量については各年代で片寄りはないようでした。
さて、各ヴィンテージを気温と降水量で分類してみました。全体の平均を示す白線によって4つに分類し、さらに平均に近いカテゴリーを加えて5つに分類してみました。
①温暖多雨(Hot & Wet)・・・1994、1995、2001、(2007) 2012、(2014)
②冷涼多雨(Cool & Wet)・・・1983、1986、1987、1988、1999、2008、2010、2013
③冷涼少雨(Cool & Dry)・・・1985、1989、1992、1996、2002
④温暖少雨(Hot & Dry)・・・1990、2000、2002、2003、2005、(2007) 2011、(2014)など
⑤平均的気温雨量・・・1998、2004、2006、2009
どうでしょうか?各カテゴリーと分類されたヴィンテージは、イメージ通りでしょうか?本当にざっくりとなら合っているような気がしないでもありませんが、2002年が低温だったり、2009年が平均的だったりと、とても違和感もありますね。
年平均気温や年降水量、つまり12か月というのは算出期間が長過ぎたのかもしれません。気温と降水量は、ブドウが生育している期間にこそ最も大きな影響があるはず・・・。そこで、算出する期間をブドウの生育期間として、芽吹きから収穫までを網羅する3月~9月の7か月間としてみました。もちろん、ヴィンテージによって収穫時期が違うので、平等な評価ではないのは承知の上ですが・・・。
図2がそれになります。こちらのグラフで抜けているヴィンテージは1984年のみです。
図2 Dijonにおける1983~2014年の年平均気温と年降水量(当年3月~9月)
先ほどと比べると、結構変わっています。まず驚くべき事実は2003年。他のヴィンテージに比べて大きくはみ出しています。わかってはいたけれど、改めてこんなに特異的なヴィンテージだっただと思い知りました。また、先ほどと同様に五つに分類してみると、下記のようになります。
①温暖多雨(Hot & Wet)・・・1999、2006、2007、(2009)、2012
②冷涼多雨(Cool & Wet)・・・1983、1986、1987、1988、1993、1995、2001、2008、2010、2013
③冷涼少雨(Cool & Dry)・・・1985、1990、1996、2004
④温暖少雨(Hot & Dry)・・・1994、1997、2000、2002、2005、(2009)、2011、2014、【2003は特別】
⑤平均的気温雨量・・・1989、1991、1992、1998
いかがでしょうか?ブドウの生育期間に絞った方が通年よりも味わいのイメージに近くなりましたでしょうか?私はなんとなくそう思いました。
ただ、まだまだ例外が沢山ありそうです。たとえば、図2の中でプロットが近いヴィンテージ同志を比べて、違和感がある組合せは下記のようなものがあります。もちろん、他にもありますが。
①1999年と2007年と2012年。三つのプロットは近いが、2007年の味わいは特に違う。
②1985年と1996年。これもプロットは近いのに味わいの印象が根本的に違う。
③1990年と2004年。'04はグレートヴィンテージ'90とはイメージが違う。
④2005年と2014年。今年の4月に樽試飲した'14から'05のイメージは湧かなかった。
皆プロットは近いですが、似ているというには違和感があります。そこで、①の1999年、2007年、2012年についてだけ、月ごとのデータを詳細に見てみることにします。
図3 1999年、2007年、2012年の月平均気温(3月~9月)
こちらは月平均気温です。点線は全ヴィンテージ平均です。細かいですが、この3年分の月平均気温を見てみると、1999年と2012年は比較的近いですが、2007年は異なります。2007年は6月までは高めだったのですが、7月以降気温が低めだったのです。トータルで見てしまうと同等なのですが、収穫時期に近い月で気温が異なるのであれば、味わいに差が出ることは容易に想像できます。となると、この中で2007年は相対的に冷涼な味わいということになり、イメージが合うということになります。
次に月降水量を見てみます。
図4 1999年、2007年、2012年の月降水量(3月~9月)
これは平均気温よりもずっと違いがはっきりしています。2007年は6、7、8月の降水量が多かったのです。その前の4、5月の降水量が少なかったから、平均的には同じだったのですね。2007年は8月末か9月頭に収穫したヴィンテージですから、6~8月の降水量が多いということは、濃厚な味わいではなく、淡泊側の味わいになるはず。そして、イメージはそれで合っていると思います。
ところで、1999年と2012年ですが、月平均気温も月降雨量も結構似ているのではないでしょうか?違うのは収量ですね。1999年は豊作、2012年は低収量でしたから。ということは、2012年は低収量であることも加わって、1999年以上の素晴らしいヴィンテージの可能性があるということだと思います。
こんな感じで、プロットが近いのに違う印象がある原因について深堀していくことで、理解が深まるような気がします。
長くなりましたので、続きは次回に。


















