レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -356ページ目

おにぎりに混じりしもの

数週前の土曜日夕刻。

機嫌よくおかかおにぎりを頬張っていた。

と、ガリっと嫌な音がなった。

「石が入ってるがな」と家内に言いながら、

口の中の石をもごもごと探した。

田舎から送って来る米には、

必ずと言っていい程白米と間違わんばかりの小石が入っている。

そしてそれを噛むのも必ずと言っていいくらい僕だ。

砂を噛むような人生というが、石を噛むような人生とはどのようなものか?

さらに悲惨なのだろうか?

さて口の中の石を取り出してまじまじ見たら、石にあらず。

僕の歯の一部だった。

舌先で一本一本、歯をさぐっていくと、見事欠けている歯が見つかった。

以前虫歯になって治していた歯の一部のようだ。


あ~あ、また歯医者通いか~

取り敢えず、僕は掛かり付けの歯医者に電話を入れた。

「あ~もしもし、KENです」

「あっ、こんにちは」

「歯が欠けましてん。一番早い予約とってくれはる?」

「ちょっと待って下さい。じゃあ、週明け月曜日でいいですか?

19時なら予約入れれますよ」と、受け付けのお嬢。

「ほんじゃ、その時間に行きますわ。先生に無痛治療をするように言っといてね」

「はい、はい。いつものようにね」

「いやいやいつも痛くないからねえ、なんて言いながら、ビンビンに痛いんだから。

今度痛かったら、七年殺しの浣腸するぞって伝えといて」

受付のお嬢は笑いながら受話器を置いた。


治療当日。

「KENさん、この歯の内側、空洞になってまっせ。

すでに神経は抜かれていますね。根管治療はきれいにされていますね。

今日コアの型取りをして、次回はクラウンの型どりをしましょか。

本物の歯に近い色のクラウンにしときますわ」

次に治療に行った時。

「KENさん、治療中の歯の歯茎が若干腫れていますわ。

今日はコアだけ装着して、クラウンの型取りはもう一週先にしましょう」

コアだけ装着してもらって「ほんじゃ」と言うと、

歯科衛生士のお嬢さんがニッと笑って再び診療台を倒しだした。

「KENさん、いつも来ないから今日は先に歯のお掃除しておきます」

「お掃除って歯垢の除去でしょうが。めっちゃ痛いんちゃいますの。やですよ」

「は~い、諦めてお口を開けて下さい」

僕は、少し笑ったような顔をした。

「はいはい、歯並びを見せても仕方ないですよ。お口をあんぐりと開けて」

僕は溜め息と共に口を開けた。

と、電光石火でキイイ~ンという不気味な音が。

アガガガガガ~~~・・・

10分後、疲れ果てて口中血だらけの僕は、力なく家路についた。

だから、歯医者っていやなんだ。


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