レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -34ページ目

遠雷

 


台風が去ったあと、妙な天候が続いている。

東に見える山々が、白く霞んだかと思うと、稲光が走り雷鳴が響き渡る。

空を見上げる間も無く、半時間程叩きつけるような雨が降る。

一昔前の夕立ちとは質が違う。

何処ぞの軒下に逃げ込んで、「夕立ちですな。ちょっと涼しくなりますかな」と言った、風情のあるものではない。

道路の側溝が詰まり、雨水が店内に流れ込んでこないだろうかと、ガラス戸に顔をくっつけて、その様子を見る事になる。

うちの店は緩やかな坂の途中の角地にあり、その角の側溝に雨水が流れ込む。

まあ、滅多な事はないのだろうけど・・・

数年前の集中豪雨?の時、うちの店をさらに下った所の側溝から、雨水が噴水の如く噴き上がった事がある。

その雨水が渦を巻くように道路を沈めて行った。

この時ばかりは、ちょっとヤバいなと焦った。

たまたま、その隣がかなり深く幅広い用水路だったので、大事に至らなかったが、

自然のチカラの前では、人のなんとちっぽけな事かと思った。

古の人々は、その問答無用のチカラに、得体の知れない畏怖を感じたのではないか。

雷にしても、それは天の怒れる鉄槌だったのだろう。

そう言ったアミニズムの中から、多くの伝説が生まれたのかも知れない。

幼い頃、風神雷神図を目にして、「雲の上にはこんな化け物が居るのか」
と、本気で怖かった。

加古さんの「だるまちゃんとかみなりちゃん」という絵本に出会っていたら、印象も随分違っていただろうに。



子供の頃の夏休み。

田舎の山々では、日々のように夕立があった。

遠雷が聞こえると、従兄弟と慌てふためいて川遊びや虫捕りから引き上げた。

日々、飽きもせずそんな事を繰り返したものだ。

ふと、もう一度、そんな頃に戻れたらと思う。

朝晩、暑さも気持ち緩やいだように感じますが、皆様、お体の方ご自愛ください。