レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -36ページ目

騙される脳

体の揺れを感じて目が覚めたのか、目が覚めた時にたまたま揺れを感じたのか?

兎も角、しばらく小さな揺れが続いた。

起き上がって家内を見ると、家内はすやすやと眠っている。

ひょっとすると、僕が勝手に揺れていた?

時計を見ると、朝の4時。

スマホを開いて、地震速報を見たが、それらしきものはない。

しかし、あまりにもリアルな体の揺れだった。

神経の悪戯か?・・・何か釈然としないな。

寝転ぼうとした所に、近くのマンション?から警報が鳴り響いた。

やはり地震だったか?と、思っていると、けたたましくサイレンを鳴らして、消防車がやって来た。

少しして、消防車から何やらアナウンスがあったが、聞き取りれない。

サイレンで目を覚ました家内が「何やろ?」と。

家内に、「揺れへんかった?」と、間の抜けた事を聞いたが、やはり「全然」と。

子供たちの部屋を覗きに行ったが、みな爆睡していた。

やはり、地震ではなかったのか・・・

体の揺れ(本当に揺れたんだけどなあ)と警報、消防車は偶然だったのか・・・

と、唐突に、かつてこの状況とそっくりな経験をした事に気がついた。

所謂、デジャヴというものだ。

デジャヴも神経の悪戯だと言う。



まあ、どうでもいいが、落ち着くと、随分お腹が空いている自分に気がついた。

あまり好ましい事ではないのだろうけど、何かつまんでからもう一眠りする事にした。



9時前に目が覚めた。

子供たちがゴソゴソ起きだしてきたので、明け方、揺れなかったか?」と、聞いてみた。

やはり、「全然」と。

もう一度、地震速報を見たが、何もない。

やはり、少し寝ぼけていたのか。

目が覚めると同時に、大きく寝返りを打ってベッドが揺れた。

寝ぼけていて三半規管が誤作動した。

落ち着いて考えると、起き上がると同時に揺れが止まったような気もする。

結局、そんな事か。

寝転んで、そんなことを考えている内に、ウトウトとしてしまった。

はっと目が覚めると10時過ぎ。

やばい、店に行かなくちゃと、急ぎトーストを齧っていて、気が付いた。

今日は、店を閉じているのだった。しかも、仕事は昼からと決めていた。

明け方のおかしな出来事で、すっかりリズムがくるってしまった。

大昔、姐御のような先輩に「脳ってね、簡単に騙されるのよ。ほんとよ」と、言われた事がある。

僕は「まさに、おっしゃる通りで」と、齧りかけたトーストをみながら呟いた。