母を想う
体調不良、容態急変、心肺停止、蘇生と思いもよらぬ経験をした母。
その後、何度かの山があったが、
ある時点から、担当医も驚くほどの回復力をみせはじめた。
手術の検討がいるという事だった心臓の弁も
投薬で大丈夫だという所まで治癒しているらしい。
僕は体の回復とは別に、痴呆が進まないか心配だった。
しかし、それも治ってしまったかと思うくらい話はしっかりしている。
そんな事で、先日退院となったが、
行き先は自宅ではなく、やはりグループホームである。
母の願いは届かず、天に召されるまでグループホームで暮らす母。
グループホームに戻ってきて、母はぽつりといった。
「助からなくてもよかったと思う」
誰しも自宅で思うままに暮らしたいだろう。
帰り際に淋しげに手を振る母。
僕は、何度も何度も、ごめんな、と呟く。
病というものは、細々とでも平穏に暮らしたいという、
そんなささやかな願いでさえ奪いとってしまう。
こんな事を書くと、心ない人間と思われるだろうが、
それを悟ったとき、人は死を願うのかも知れない。
今の母に何がしてあげられるのだろう?
どうすれば、生きる希望を見いだせるのだろう?
どうすれば、母の笑顔がみられるのだろう?
僕が母の立場になった時、どうしてほしいだろう?
母よ、僕はまだ何一つ親孝行をしていない。
もう少し、元気でいてくれないか。
輪の中をぐるぐる走るハムスターのように、
同じことを繰り返し考えている。
そこには母の願いを叶えてあげられない僕がいる。
その後、何度かの山があったが、
ある時点から、担当医も驚くほどの回復力をみせはじめた。
手術の検討がいるという事だった心臓の弁も
投薬で大丈夫だという所まで治癒しているらしい。
僕は体の回復とは別に、痴呆が進まないか心配だった。
しかし、それも治ってしまったかと思うくらい話はしっかりしている。
そんな事で、先日退院となったが、
行き先は自宅ではなく、やはりグループホームである。
母の願いは届かず、天に召されるまでグループホームで暮らす母。
グループホームに戻ってきて、母はぽつりといった。
「助からなくてもよかったと思う」
誰しも自宅で思うままに暮らしたいだろう。
帰り際に淋しげに手を振る母。
僕は、何度も何度も、ごめんな、と呟く。
病というものは、細々とでも平穏に暮らしたいという、
そんなささやかな願いでさえ奪いとってしまう。
こんな事を書くと、心ない人間と思われるだろうが、
それを悟ったとき、人は死を願うのかも知れない。
今の母に何がしてあげられるのだろう?
どうすれば、生きる希望を見いだせるのだろう?
どうすれば、母の笑顔がみられるのだろう?
僕が母の立場になった時、どうしてほしいだろう?
母よ、僕はまだ何一つ親孝行をしていない。
もう少し、元気でいてくれないか。
輪の中をぐるぐる走るハムスターのように、
同じことを繰り返し考えている。
そこには母の願いを叶えてあげられない僕がいる。