レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -277ページ目

嵐のような一週間

時として人は信じ難い経験をするもののようだ。・・・良くも悪くも。


人というものは、自分の見たいようにしか物事を見ない。

それだけならまだよい。

僕も、見たいようにしか物事を見ていないのだから。

しかし、それを正義でもあるかのように我に剣を振りかざしてきた時には、

孤高の剣士としては真っ向から受けて立たねばなるまい。

父母には「理不尽な目に遭っても呆けておけ」と、よく言われた。

そう言う割りには、父は怒涛天を突くように、怒っていた。

まあ、そんな器用な事ができれば、

今頃、僕は世界を股に掛けるビジネスマンになっていたはず。

いやいや、それはないか。

実をいうと、僕が新卒で入社したのは、書店ではない。

ある商社だった。

それは僕にとって、喜々として進みたい道という訳ではなかった。

今にして思えば、随分失礼で人を蔑ろにした行為だったと思う。


父母はでかしたと大喜びしたが、

それを僅か一月足らずで落胆に変えた。

親子の血は争えないという事だ。


兎も角、この一週間、ある出来事に翻弄された。

台風一過。悪天候の後には、空は晴れ渡るものだ。

病み上がりの母に会いに行った時も、

自分もこの施設で頑張るから、お前も頑張れと、励まされた。

帰り際、母は「たまには、年寄りの話もええもんやろ」と、笑った。



僕は、まだまだ、精一杯やっていない。

問題も先延ばしにしてきた。

母のこの一言で、僕の中でカチッとスイッチが入るのをはっきりと感じた。

人はこうしながら、少しずつ強くなっていくのだろうか。