レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -221ページ目

師匠の励まし

先日、師匠が訪ねて来られた。

「そこまで、来たんでな」と、仰るが、師匠のご自宅は芦屋だ。

師匠は、うちが受けたネット被害を知ってらっしゃる。

そして、そんな時に気休めめいた事だけを言う方ではない。

雑談の中で、ポツリポツリと、直ぐに実行できるヒントを下さった。

話が一区切りついた所で、師匠が言った。

「kenさん、近々ワシに付き合わないか」 

「それは構いませんが、何処まで行くのですか」

師匠はニッと笑って言った。

「ワシ、こんな事を考えてるねん・・・」

「ほぅ、面白いんじゃないですか」

「一緒にやってみるか」

「僕もですか?」

「一人でやってても面白ないがな。どや、やってみるか」

「勿論。でも材料の手配は?」

「材料は全て揃ってるねん。あとは、動くだけや」

ちょうど、そばにいた二男に向かって「yちゃんも手伝い」と、師匠。

帰り際に師匠が言う。

「kenさんの店はな、古本屋から方向性を変えて、3、4年程しか経ってないやろ。まだまだ基礎体力がないんや。

そやさかい、ちょっと何かがあると酸素不足の金魚のようになる。

まあ、みんな似たり寄ったりやけどな」

僕は頷いた。

「これがうまくいくかどうか分からんで。でも、動くことや。

 食べ物がなくなったら、死に物狂いで手に入れるやろ。

おんなじこっちゃ。

光は差し込んでくるんやない。自分で探すもんや」

師匠、御年76歳。水泳をなさっている加減か筋肉隆々。よたよたしているお年寄りとはかけ離れている。

師匠の言葉の結びは決まっている。

「心身共に健康に気をつけなさい。

健康でありさえすれば、山も谷も乗り越えられる」

僕とは比にならないご苦労をなさった師匠の言葉は、ずんと心に響く。

よく食べ、よく寝る。そして、よく働く。

分かりもしない先の事を思い煩っていても何も生まれはしない。

兎に角、可能性を見出だしたら、やってみる事だな。