師匠の励まし
先日、師匠が訪ねて来られた。
「そこまで、来たんでな」と、仰るが、師匠のご自宅は芦屋だ。
師匠は、うちが受けたネット被害を知ってらっしゃる。
そして、そんな時に気休めめいた事だけを言う方ではない。
雑談の中で、ポツリポツリと、直ぐに実行できるヒントを下さった。
話が一区切りついた所で、師匠が言った。
「kenさん、近々ワシに付き合わないか」
「それは構いませんが、何処まで行くのですか」
師匠はニッと笑って言った。
「ワシ、こんな事を考えてるねん・・・」
「ほぅ、面白いんじゃないですか」
「一緒にやってみるか」
「僕もですか?」
「一人でやってても面白ないがな。どや、やってみるか」
「勿論。でも材料の手配は?」
「材料は全て揃ってるねん。あとは、動くだけや」
ちょうど、そばにいた二男に向かって「yちゃんも手伝い」と、師匠。
帰り際に師匠が言う。
「kenさんの店はな、古本屋から方向性を変えて、3、4年程しか経ってないやろ。まだまだ基礎体力がないんや。
そやさかい、ちょっと何かがあると酸素不足の金魚のようになる。
まあ、みんな似たり寄ったりやけどな」
僕は頷いた。
「これがうまくいくかどうか分からんで。でも、動くことや。
食べ物がなくなったら、死に物狂いで手に入れるやろ。
おんなじこっちゃ。
光は差し込んでくるんやない。自分で探すもんや」
師匠、御年76歳。水泳をなさっている加減か筋肉隆々。よたよたしているお年寄りとはかけ離れている。
師匠の言葉の結びは決まっている。
「心身共に健康に気をつけなさい。
健康でありさえすれば、山も谷も乗り越えられる」
僕とは比にならないご苦労をなさった師匠の言葉は、ずんと心に響く。
よく食べ、よく寝る。そして、よく働く。
分かりもしない先の事を思い煩っていても何も生まれはしない。
兎に角、可能性を見出だしたら、やってみる事だな。