『皆が揃ったわけではない。彼が足りない』
『見えざる敵と戦う恐怖』。
戦う者としては、これ以上に恐ろしいことはないはず。
このシーズン、モウリーニョに言わせれば、
マドリーにとっての「それ」は、審判の判定であり、
チャンピオンズリーグが絡む試合日程であり、
そして、グランドの芝の刈り込み具合だったのか。
時にサポーターやメディアをも敵に回すことで
まるで四面楚歌とも思える彼であったが、
そんな彼らにとっての真の敵とは、
紛れもなく”FC.バルセロナ”であったに違いない。
マドリーは、遡ること僅か数日前に直接対決を果たすことで
バルセロナという実体を肌身に感じ、
そして、その全貌をその目で掴み取ることに成功した。
引き分けだったこの試合で、
モウリーニョが勝ち得たものは計り知れない
もはや、かつての『見えざる強敵』バルサは、
実体を知る『目に見える敵』に過ぎなかった。
その結果、レアル・マドリードは、
この種のビッグゲームでは”無敵”と恐れてきたバルサを、
マドリーはモウリーニョのお見事な奇策で止めて見せた。
現地紙EL PAISは、
『バン・ゴッホに壁のペンキ塗りをさせたような感じ』
とその違和感を表現しながらも、
創造力に溢れた選手であるエジルによる
献身的かつダイナミックな守備を絶賛している。
エジル、ケディラ、ペペらによる
高い位置からの守備意識
トライアングルでのパス交換
これらの”決してオーソドックスとはいえない戦略”が
バルサが誇るシャビ、イニエスタ、メッシらの仕事を封じ込めた。
これによりビジャは陣取るスペースを限定され、
メッシはボールを受けるため後方に下がることを
選択する他なかったわけだ。
彼らによる破壊力も、創造性も感じられないバルサなど
恐怖には足りない。
このような劣勢から後半戦、メッシを核に攻勢に転じていた
バルサの底力はさすがではあるが、
『国王杯』と称された歴史的な大会において、
国王が姿を見せても、国歌が流れても、
指笛を吹き続けるサポーターを抱えるチームに
勝者となる資格など、感じられなかったというのが本音である。
ちなみにスペイン本国における
この試合の平均視聴率は67.7%。
瞬間最大視聴率であった試合終了の瞬間の視聴率は
77.8%であったという。
全てのバルセロニスタが落胆し、
マドリディスタ達が歓喜する。
誇り高きマドリディスタ達が、
真の誇りを取り戻したのは、一体何年ぶりのことだろう。
そんな彼らがシベレス広場で口にしていた言葉が
"No estamos todos, falta Raúl"
(皆が揃ったわけではない。ラウルが足りない。)
であった。
これこそが世に言う"Madridismo"。
彼らには、時に『見えざる敵』も存在するが、
ラウルにグティ、ベンチにいたチェンド、
そして、国営放送の中継席にいたサンチスしかり。
彼らは、過去のマドリーを支え続けた
『見えざる英雄達』が繋げた長い歴史の蓄積こそが、
それを成し遂げたことを、しっかりと理解している。
Si. Eso es nuestro REAL.
(そう、 これこそが我らのレアルだ。)零れ落ちた優勝カップ
イケル・カシージャスがフアンカルロス国王に支えられながら
堂々掲げた優勝カップ。
それから僅か数時間後、
よもやこのような悲劇を誰が想像したか・・・
『マドリーの優勝』
となれば、お決まりがシベレス広場でのお祭り騒ぎ。
AM3時すぎ。
平日の夜であることなど関係なし。
念願のタイトル獲得は、シベレスに駆けつけた
数万人のマドリディスタ達を歓喜させていました。
そんな歓喜に揺れる入場シーンで悲劇は起きました。
優勝カップに注目。
と思わず叫びたくなるようなシーン。
犯人はコチラ。
ラモス君、やってしまいました。
その後は、大破した優勝カップなしでの祝勝会を継続した
マドリーのみなさん
次は、欧州チャンピオンのカップをよろしく。
Hala Madriiiiiiiiiiiiiid!!
a por la decima copa
待ちに待ったバルサへの侮辱
朝っぱらから感極まってしまいました。
個人的には、現地にて2001年の決勝で味わった悔しさを
思い出しながらの歓喜。
そしてラモスは、去った彼を継承し、
全てのマドリディスタ達と喜びを分かち合いました。
ラウルはどこかでこのシーンを見ていたのだろうか。
前半、圧倒的にゲームを支配した印象のマドリーが
後半になると、別の試合に切り替わったかのように
攻め込まれたときには、どうなることかと思いました。
こんな試合で決めてくれるクリスティアーノ・ロナウドは
やっぱりスーパースター。
余計なコメントは必要ないですね。
このゴールを喜び過ぎたペペ君は、
勢い余ってバルササポーターを必要以上に煽ってしまい、
少々問題になっていますが、スタンドのマドリディスタによる
罵声に比べれば大したことはないでしょう。
表彰式の最中、選手たちの背後から聞こえてきた
”CABRON Barça!Saluda al CAMPEON!”
という歌声は、マドリディスタが長年発することができなかった
念願の侮辱であったことは間違いありません。
シベレスへ行こう
遂に今晩は国王杯決勝。
何せマドリーは、1993年にマノロ・サンチスが
このカップを掲げて以来このタイトルから遠ざかっています。
あれから18年。
奇しくも最後の国王杯制覇を果たしたバレンシアの地において
バルサに挑むマドリー。
MARCA紙は、モウリーニョ監督の”奇策”として
なんと
なんと
エジルのワントップを予想。
思えば、今シーズンはイグアインの故障に誘われるように
アデバヨールを獲得。
FWの工面こそがチーム最大の課題であったはずが、
ここにきて本当にエジルを起用するのか??
昨日の記事にしたように、
ボランチをトライアングルで配置するモウリーニョにとって、
残されたポジションに好調な選手を配置するには
苦肉の策であるといえるかもしれません。
ただ
いかなる手段を尽くしてでもバルサを倒して欲しい!!
その一心です。
この試合のマドリーが勝利すれば、
チームは午前2時半にはマドリード市街地に到着予定。
2万5千人を越えるマドリディスタが、
あのシベレス広場に集うのではないかと予想されています。
この3年間、シベレスでの歓喜を味わっていない白の集団。
地元テレビ局もマドリーのタイトル奪取に備え、
広場周辺の中継準備を整えているのだとか。
このタイトル獲得を待っているのは
決してテレビ局だけではありません。
全世界のマドリディスタ
そして、シベレス広場の女神像も、
きっとその瞬間を待っているはず。


























