ptureのブログ -3ページ目

前巻では出てこなかった薬局のシンゾウさんが今回はたくさん出てきた。古くからのご意見番で、最古参の常連さんなので、なんか話が落ち着いていいわな。なるほど、この商店街は駅から離れてるんだ。珍しいな。いや、そうでもないか。団地の商店街はそんな感じだし。でもだから新しい客が増えないし、お店も客も高齢化していって、購買力も落ちるわけか。そのあたりを考えると、古い商店街の若かりし頃に特にノスタルジーを感じる意味がわかるな。おや、要さんのお母さんの世話を美音さんしちゃったよ。これはもう急接近か?どこかでみたような展開。あ、同じ作家の江戸のきよちゃんか。となると、しばらくひっつかないか。なんだかんだでこういう話好きなんだよな。結局、新ショッピングセンターと、スーパー呉竹の閉店は次巻に持ち越しになっちゃった。珍しいパターンだな。おもしろかった。 

いいぞ、なかなか怖いよ。大きな屋敷の廃屋に入ってしまうと、窒息して無惨に死んでしまう。その怪異はあかづめとされ、その怪異を詳細に知る者はいない。知ってしまったら自身に襲いかかる怪異だから。怪異にあった犠牲者たちは、一様に閉ざされた空間の中で顔を紫にうっ血させ、爪が剥がれるまで壁や扉をかきむしり死んでいる。その悲惨な状況がなんともゾッとするし、怪異の源が人身御供であり、その状況もまた目を背きたくなるなる。だから怖い。異なる時代のエピソードが連なり、最後に怪異の真実を知るわけなんだけど、これはおまけといっていいのかな。各話がどの時代か、パズルのように答え合わせがある。確かにそれぞれヒント部分は読みながらひっかかったけど、そこまで気にはしなかった。これがなくても、本筋はぶれないんだけど、まあ読み終わった後の恐怖落としみたいな感じなのかな。サービス精神あるなあ。よいホラー作家さんだよな。 

短編が4つ。1話目は会社の先輩さんの独白。自分は餓鬼である。愛を求めても手に入れられない種類の餓鬼。字面だけを見ると品のない歌詞みたい。でも読んでると、さもありなんと素直に受け入れちゃう。もちろん、怪異の話として。2話目は夢か現実か、瞬間移動と認知症が入り乱れそうな不思議。3話目はオーディオの話も満載の幻の女性オペラ歌手の話。4話目はわかりやすいこっくりさんサスペンス。どれも濃いなあという印象。これは薄っぺらいの逆という意味で。表現がさりげに凝ってて、よくよく考えるとどういう意味なのかと悩むけど、読んでる間は染み込んでくるんだよ。空気感がすごく伝わるんだよな、この作家は。だからか。本気のホラーは怖いもんなあ。今回のは怖いというよりもまさにタイトルのような、秋のちょっと冷たいしっとりと濡れるような雰囲気の話。今回は特に3話目が好み。音、音楽をこういうふうに表現するのかあ。聴いてみたい欲が存分に高まっちゃうよ。おもしろかった。 

4作目。文壇を取り巻く業界を舞台に今回も短編の数だけ死者発生。さすがにちょっと安直だなあと思うし、犬養刑事も出ては来るけど、すぐ毒島に任せちゃうしで、事件の筋的にはありえねーんだけど、出版の周囲のキャラたちが生々しいんだよ。1話目は小説講座を開く作家と受講生の話。2話目は企画モノとして、ネットのなろうサイトからデビューした作家の話。3話目はベテランの書評家の話。4話目は直木賞を欲しがるほぼ一発屋的な作家の話。5話目は新興宗教の教祖のゴーストライターの話。こう見ると意外に業界というか、関連が広いと言うか。 

自分は売れる小説をかけるはずと思い込める人達の気が全くわからない。そしてあの仕事をしたいと思う気がしれない。溢れんばかりの創造力なんて思いもつかんし。書評家って大変だったんだなあとすでに過去形。今って仕事があるんだろうか。新興宗教ってか創価学会そのままじゃん。ありゃ、教祖死んでたかって、いいのか?もう、毒島さんすげえよ。厭味ったらしくちょっとでも甘えてるやつはぶった切る。関わりたくないけど、主人公としては最高な人。他の七里先生のキャラと絡んでもほしいなあ。ヒポクラテス先生とか。おもしろかった。 

この本、すごいな。とある映像ディレクターがオウムへの社会の反応にひっかかりを覚え残された信徒たちのドキュメンタリーを撮る話。荒井浩って懐かしいな。気づきその1。俺もあまり意識してなかったけど、社会悪となった存在への集団的なしめだし。言い訳も何も許されない。オウムの教義を信じてる輩は悪である。反証は一切許さない。確かにおかしい。まるで中世暗黒時代の魔女裁判が横行していたころの民衆心理のよう。人という動物はそういうものなのかと変に納得してしまった。気づきその2。教祖や幹部が悪いことをしたことはわかっている。一方で教祖は真理を説いていて尊敬の念はゆるがないという信徒たち。ずっと、なぜ信じられるんだろうとこの本を読むまでわからなかった。なにかを求め、それに対する答えもしくはヒントを提示しているわけだ。作者の感性すごいなと感じてしまう。でも他にもそう感じた人はいただろうに。視聴率のためのマスコミが染めていった感もまた怖いよなあ。もちろん、今でもオウムは解散すべきだとは思ってるけど。おもしろかった。 

報復絶倒みたいな説明がついてたので、選んだ。んで読み始める。んー、笑かそうとしてるけど、なんか少ししらけちゃうみたいな雰囲気。ストーリーはメロスが故郷から王都に友人のために必死に戻る途中でいくつもの難事件に巻き込まれ、それを解決し、最後に自身に罪をなすりつけた犯人を見つけ出す話。立派にミステリーではあるんだけど、メロスそしてこの時代の話に当てはめるのにはどうかなー。哲学者プラトンが実はマッチョで偉く強いじじいというキャラだけは意外だったかな。この時代の国というのは小さかったんだ。日本の戦国時代はもとより、きっと世界中、社会の大きさは似たりよったりだったのだなという印象がぽんと浮かぶ。普通でした。 

7作目。今回も実はすごい事件。河原で男が餓死状態で見つかる。捜査の結果、ある新興宗教で出家してる人物であり、他の信徒が関わっていることが垣間見える。んで、真実がわかるんだけど、最終的にはなんと、20人以上の殺人。指示による信者による殺人。これ、オウム以上の大事件なんですけど。このシリーズ、最終的には歴代級の大事件となるくらいの被害者数がでるんだよな。それでも、事件が解決すれば、場末の居酒屋で乾杯とかって、まず、ありえないよな。マスコミが騒ぐだけじゃない、国が動くレベルの事件なんすけど。小説とはいえ、さすがにちと派手すぎかなと流石に今回は思ってしまった。そんな大事件でなくても、十分小説は成り立つし。これだけの被害者数だと、犯人のことは全否定せざるをえないしなあ。ところで今回はキャバクラ好きの西野にどうやら彼女ができた?学生時代の腐れ縁的友人で、看護師さん。さばさばした性格で情に篤く、どうやら西野のことが好き。あらまあ、いい娘だねえ。それを僻むライバル刑事の綿貫くん、それはもう悔しそうなのが笑える。これで次から新しい展開かな。でも、いとも簡単に別れて、やっぱキャバクラという展開でもいいですよ。おもしろかった。 

さて、今回はどんなでしょう。読む前の気分は学生の頃に夢中だった洋物冒険小説の頃と一緒。おお、いきなり厳重武装された核化合物が何者か奪われた。いきなり血みどろ。そして自衛隊の情報部の堅物主人公と2名の部下が襲った連中は何者かを探せと指令を受ける。どんな手段をとっても構わんだそうで。主人公、ふざけるな、俺は法律に背かないと言うも、むりくり。絵に書いたようなパワハラですな。読んでてむかむかしてくる。すっかり作家の手中で踊ってるわけだ。中盤も自衛隊の偉い人が襲われたり、襲った犯人の一人が捕まり病院に収容されたけど、即爆破されたり。怪しいNPO法人が皇居の近くで襲われ殺されたり。バイオレンス凄まじい。そしてクライマックス。北朝鮮の仕業か。いや、どうやら複数の組織が絡んでる。なんと!そうきたか。核化合物の移送は戦後オイルショックの頃に始まった秘密プロジェクトの一部だった。結局、これのせいで死ななくてもよい自衛隊の精鋭達が多数死ぬ。うん、凄まじかった。今回の発想はさもありなんだったなあ。はい、おもしろかった。 

およそ160年前の哲学者、詩人、環境科学者である、ヘンリー・ディビット・ソローという人物についての本。財産や地位を追いかけることは人にとっての幸せじゃない。幸福は違うところにある。心の充足がどこにあるかを問いかけてきた。また、自分の信ずるところを曲げるのはできないとして、この時代の奴隷制度や、罰重視の教育体制、戦争を是とする国と、身を顧みずに否定、避難していく。とてもわかり易い内容で、きれいな森と湖のある環境で、静かに、楽しげに生活している描写が主題にもつながり、なんだかとて。も豊かな気分。もちろん、時代に抗うわけなので不幸もあるけれど、信条を曲げない堂々とした姿に目を見張っちゃう。ああ、こういう人がいるんだなあ。そういえば、南北戦争のころのアメリカの話は映画でしか関与したことないかも。今度本、読んでみようかな。楽しみました。 

7作目。タイトルの通り、今回はイベントが主軸。最後の話がイベント本番。最初の話はイベント参加してほしいパン屋さん。次の話は参加してほしいおにぎり屋さん。3話目は参加してトークしてほしいインフルエンサーさん。4話目は最終的に会場提供してくれるカレーが売りの喫茶店の店長さん。見事つながってるんだけど、本番のお話は、宝石泥棒が紛れ込んで、てんやわんやの展開。ありゃー、平和におもいっきり朝食イベントを楽しみたかったなあ。どうやら、これまで登場したキャラたちもたくさん来てるみたいだし。スープは春菊とか、タラの芽とか、マジかって食材がおもしろ。もちろん、全部美味しいで片付いちゃうんだけど。でも、うまいんだろうな。そうそう、サンマのポタージュってのもあった。サンマだから大根が入ってて、すだちの代わりにライムを絞るとか。想像つかん。はい、ご馳走様。おもしろかった。