ptureのブログ -3ページ目

朝のモーニング屋さんがサンドのお持ち帰り専門になって、それをお昼くらいまで売って、昼のうどん屋はなくなって夜は相変わらずのスナック。商店街を舞台に女と男のいろんな関係が垣間見えるのは前回と一緒だけど、今回はちと三姉妹に試練って感じだったか。そしてその際に見せる感情は、ああ、女性ならではの感性だなあと感心した。処女作で賞をとってからずっと書けない作家。それでも作家の看板は外さない。うむむ。これ、苦しいだろ。付き合ってる男になんとなく心が離れられてることを実感する青年。これも苦しいだろ。等々、全体的に騒がしいように見えてその実、ちょっと息苦しいような作風はこの作家ならではだよな。楽しみました。 

6作目。密入国しようとしたロシア人が役人側に見つかり捕えられたけど、何者かにロシア人、誘拐される。何が目的で日本にきたのか、日本側に仲間というか彼を待ってる人間がいるはずだが、そちらの目的は?ってな感じで少しづつ紐解かれていくストーリー。ペリーがくる30年ほど前のお話。うん、海の向こうも絡んできたから壮大な展開に...ならんかった。まあ、現実的なのかもしれぬ。しかし、ロシア側は何を輸入するのかな。香辛料はないし、食料は持たないだろうし、そもそもロシアのほうが色々ありそう。美術品や工芸品、金銀といったところ?今ひとつぴんとこないな。浮世絵が評価されたのはヨーロッパだしなあ。リスクをおかすほどの利益がでるもんだろか?と考えてしまう。にしても、今回はおゆうさん、かなり歩くな。日々、駒込までの往復だとか、茨城の海250kmとか。いくらゆっくり、何日かにわけたとしても。改めて移動手段って進歩したんだなと思う。そして、その時間の使い方を羨ましくも思う。ある地点にいくために数日かけるわけだ。移動するためだけの時間。なんか楽しそうだな。今度、250km歩いてみるか?いや、そんな時間がとれないってわけだ。楽しみました。 

前半はログハウスやストーブといったインフラやツールの夢と現実がどっさり。部品や機構の名前がそのまま出てくるから雰囲気的にはわかるんだけど、きっちりとは理解できない。まあ、いいかとささっと進む。作者もそこは狙ってるんだろうな。わかる人はじっくりと読むだろうから作者も手を抜かない。山梨で八ヶ岳を望みながら生活をする。ちょっと良さげだけど、確かに生活は大変だあなあ。 

そして中盤以降。毒本たる所以は元からの住民との軋轢かと思ってたら、もっとディープ。野良的な猟師怖え。サンデーハンター、銃をもってると強くなったと勘違いしちゃうんかなあ。ひでえ水回りの業者、そして水を勝手に吸い上げる飲料メーカー、鳥獣避けのためとはいえ、全く意味がわからん電気網を貼る政策、その他諸々。放射能が漏れ出る薪。ほんと、怒りをエネルギーに変えられる人でないと、やってらんない。そして泣き寝入りは家族にとって多大な問題を残すことになる。ときには命だって危ない。最後まで読んで、この作家強いなあというのが一番の印象。リスクは都会も田舎も一緒?いや、田舎のほうがインフラ脆いし、人の目も行き届かないし、都会ぐらしのほうが楽だわな。おもしろかった。 

 

待ってましたの新作。今回は15日発売だけど14日に店に平積されてた。ラッキー。相変わらずの竜崎、かっこいいなー。今回は鎌倉に住む親子とも国会議員の家で小火が発生。息子の方は最近女優との不倫スキャンダルが発生してる。なので、その現場はユーチューバーを始め、自称ジャーナリストがわんさと集まる。鎌倉署は大変。殿と若君に粗相があってはならぬ、あるいはこれを機に取り入ろうと、なんとも汚い大人の社会ってやつですか。そんなに国会議員って偉いのか?そりゃ、古くからの政治家一家だとしてもだよ。警察まで顔色をうかがうなんてねえ。うええ、気持ちわるー。もちろん、そこは竜崎。意味わからんって感じ。周りからは挨拶に行ってこいだ、も少し日和れだの言われる始末。ブレねえな。んでもって、殿に妙に好かれちゃうってのもいいねえ。老獪な政治家は人を見分けるんだろうな。 

今回、サイバー犯罪課の三好という助っ人、ひょうひょうとしながらも、能力高!でこれからも出るんじゃないかな。いやー、おもしろかった。 

 

世界の終わり。青空はところどころ黒く割り込んでる。周囲200kmくらいで膜が覆われておりその向こうはもう滅亡している。もうすぐ世界は終わる、という背景。ただ死を待つのに耐えられない人用に安楽死の施設がある。ハリウッド的な設定なれど、どんな話が展開していくのか、期待高まる。 

4人の高校生たちのキャラがよい。絶望的な未来しかなくても、しっかり高校生してる。たとえ家族が現世を儚んで違う道を選んでも自身はしっかりその場に留まってる。そして、周りには道徳心を捨てた人間もいる中で、彼らは手に入れた友人を守ろうとする。やばい、めっちゃいい話。きっと最後の夏休み、きっと最後の文化祭かあ、切ないなあ。でも、後悔はしない。この世に生まれてきて本当によかったって。ああもう。そしてこの世界の本当の姿。はあ、びっくりだ。でも、これが本当の最後なのかあ。切なすぎるなあ。ああ、おもしろかった。え、これ自家出版なんか。すげえ。 

元々、民俗学に興味はなかった。なんか農耕器具とか祭りとかを研究したりするくらいの知識。それがホラーや伝奇系ミステリー読むうちに、主人公が結構民俗学に携わってる人が多く、いつのまにやら、一度どういうものか知りたいと思うように。そして今回のこの本だった。さて。なるほど。 

「民俗学の目的は何か。普通の人々の日々の暮らし、それが現在に至った来歴を解き明かすことである」か。んでいきなりが下着の話というか女性下着の歴史がでてくる。ちと、面食らう。たしかに解き明かしてはいるけれど。実に現在までの詳細な流れというか経緯を製品名やコピーまで含めて記載してあるけれど。うーん。ここから何か未来が変わるのだろうかなあ。 

「未来をよくするためには、現状が如何にして生み出され、問題はどこにあるかを知ることが不可欠」衣食住、血縁、地縁、社縁その他、人に関わることすべて。これはなかなか途方もない学問というか、研究対象だとわかっただけでもめっけものか。そして資料は時に人。つまり、タイミングを逃すと資料つまり知識ある老人が死んでしまうこともあるわけか。うーん、小説なぞるくらいのほうがいいかな。楽しみました。 

「煩瑣」という言葉がたくさん出てきた。9回。民俗学でよく使う言葉なんかな。 

5作目でシリーズ最終作。みんな成長したなあ。特に3年生の希衣と千穂。カヌーと今後どう付き合うか、そして相棒の判断を腹に落とすことができるか。そしてそれは他の学校の少女たちにも当てはまる。なんかすごいリアルに感じてしまった。真剣に取り込んできたこそ、そのスポーツとの関係を一度客観的に考えてみることができるんだろうな。今回は恵梨香ちゃんの絶望があり、チームの友情があり、そして成長と勝利があった。ついでに舞奈ちゃんのお兄ちゃんがまさかのライバルキャラの彼氏になるとは。これは滅法サプライズだった。 

そしてなによりも。舞奈ちゃん。ベタだけど、楽しければそれでいい、から、勝ちたいと思うようになった気持ち。それがなによりうれしくなってしまった。もちろん、普段は楽しければ派なんだけれども。そんだけ、カヌーが好きでたまらなくなったんだろうなあ。はい、よいエンディングでした。おもしろかった。 

お、なんか珍しい構成だな。作家の主人公さんのラジオ番組が舞台。本のかなりの部分がリスナーからの印象深かった一日の紹介という体。これがなんたる偶然!とかちょっと不思議だったりとか、昔の出会いと今とか、切なかったり、ニヤッとしたり、感動したり。これ、短編集じゃん、それも上質の。ただそれだけにとどまらなくて、実はこの作家、7歳の頃にホームレスみたいな人に誘拐され、拉致されて、その間素晴らしい物語を話してもらって、でも、父親が殺されてという記憶を持つ。すべてがおぼろげで事件の真相は全くわからない。それが全般をかけて解決に至っていくという物語。なんか豪華だなあ。長編小説と短編を同時に読んでる感じ。そうそう、ラジオ番組なんで、出だしの天気の話がまた、うまいなあと。日本語きれいだなあ、と感心しきり。はい、おもしろかった。 

結構このシリーズ、気になってたんだよな。タイトルがいい。人様からお金をいただく料理と酒までは及ばない、なのでいっそぼったくりという名前にしちまえみたいな江戸っこがいかにもいいそうな。お店は主人公の美音さんと馨さんの姉妹で。美音さん、いいじゃないか。優しいし、料理上手だし、創作意欲もあり、お客さんを大事にする。そして奥ゆかしいし、時には勇ましい。そして常連の人達。ただカナで、ウメさん、アキラ、カンジとか。お店で談話してる最中になんとなく名前を拾うから、ちゃんとした名前はわからん。でも忘れない。いい店だな。お話はほぼ人情話。生活の大変な家族の長女に、うなぎ1枚だけを使ってお腹いっぱいになる、土用の丑の日用の料理を考えて一緒につくるなんてエピソード、やばい泣けてしまう。この作家、いくつかの物語読んでるけど、これ一番趣味かも。おもしろかった。 

このミス受賞作家の本。タイトルがなんか呑気。日常に起こる些細な事件かしらなどと読み始める。とある郵便局が舞台で話のたびに主人公が変わる。事件解決の鍵をわたすのは郵便局の食堂のおじさん。ほほう。1話目は友人の婚約者は果たして誠実か否か。梅の柄の切手と消印から真実が明らかに。なんと消費税10%の日に引っ掛けてきたか。2話目は宛先不明で局に保管されている郵便物。中身はお手玉というけれど、なんかおかしい。3話目はゆうパックの配達員が襲われる話。4話目は漫画家へ送られるファンレターの中身が誰かに読み取られてる話。それぞれ、登場人物もたってるんだけど、からくりに絡んでくるのは宛先変更。まあそうなるか。読んでて、郵便というのはその昔飛脚の時代から、情報保全が如何に重要だったか、そしてそれを守るための制度は実に厳密であるってのを改めて実感した。にしても、金のインゴットもゆうパックで送るのか。なんかびっくりだよ。最後に読者にだけ教えられる食堂のおじさんの正体。ふふふ。なるほどねー。おもしろかった。でも、シリーズ化するのは難しいだろうな、郵便制度を利用したトリックってもう、なさそうだし。