この作家、お気に入りなんだけど、なんとミチヲ以外読んでなかった。なので、怪談は今回がお初。さすが、読んでて小気味よいなあ。登場する人もSさんとかTさんとかじゃなくて、ちゃんとした名前。怖いの、悲しいの、よくわからんのと、いい感じの混沌状態。兄のある言葉がツボにはまってよく笑ってた弟。死んだ後に兄が気配を感じ、その言葉を発する。どこからともなく、聞き慣れた笑い声。なんか、いい話ではなかろうか。ファンファーレが頭の中で響くと必ず自分にとってよくないことが起こる。極めつけの響きを聞いたときには自殺してしまうのでは?うん、いいねえ、不条理だ。さささっと読み進み、後に何も残らない。うん、これぞ怪談。楽しみました。
さあ、新作。今回は2つの話が入ってる。1話目はパーキンソン症候群が出る赤ちゃんの話。すげえなあ、赤ちゃんの義理の祖母。義理の娘が分家の出で、しかも娘の姉が統合失調症だったということで、蔑む蔑む。こりゃひどい。終いには赤ん坊は狐憑きだからと祓い師を病室に呼ぶ始末。いつも通り、この症状の謎を凄まじい医療知識から解く展開には舌を巻く。でも、これ普通の医者でも推理できるもんなんだろうか。自分は医者じゃないので、感性と描写から、あ、犯人はこの人かなとかお気楽。そして、義理の母親を言葉でコテンパンにする鷹央先生。あー、すかっとした。2話目は全裸で青い血を流し、片足が切断された患者。小鳥遊の救急のもとにくるも死亡。うん、これはアニメの一作目だかでやった話だ。あとから原作をだしましたか。大丈夫、展開覚えてないから。うん、人は青い血になり得るのか。ヘモグロビンが変質しちゃうわけだから、えらくヤバい症状なんだ。これはブラックジャックの奇病なみだな。今回は2話とも舞ちゃんが加わった頃の話に遡ってるわけね。それでも、3人の関係も、ぼけとツッコミもいつもと変わらんのがとても、うれしいじゃないか。はい、おもしろかった。ところでこのタイトル、意味がまったくわからん。
可愛い動物たちにひどい虐待をし、命を奪った輩を自宅動物病院の地下室に監禁し、餓死させる若い女医先生と同僚の男性医師。うん、ダークだ。だけど、この作家で同じようなのなかったかな。医者が、悪いやつを鉄格子の中に監禁し、殺すって。ホラー扱いなので、ざまみろと思いつつ読むんだけど、つらいことがひとつ。そう、それぞれの動物の虐待の話になると、胸が詰まるんだよ。この本、表紙はこの作家の飼い猫だそうで、ということは彼もペットには並々ならぬ愛情を注いでるわけだろ。よく虐待シーンとか書けるよな。作家ってすごいよなあと、ちょっと引いてしまった。まあ、虐待エピ以上にたくさんの心温まるエピソードもあったのが救いだった。あれ、そう考えるとこれ、ホラーとはちょっと違うのかな。いずれ動物たちのほうが確実に先に死ぬ。だからそれまで持てうるかぎりの愛情を注がなきゃっていうテーマには同意。おもしろかった。
あらま、ちょっと素敵なラブストーリーじゃないか。それにしても婚活パーティの雰囲気がとても良くわかるわー。冷やかしの人が来てると困るわな。食事とかない場合もあるのか。え、飲み物だって麦茶だけ?そりゃあ、出会いのためで短時間により多くの会話をというのがメインだからとはいっても、流石に麦茶だけはねえ。パーティーを利用して詐欺めいた怪しげな誘いというのも、さもありなん。高齢者向けもあるのは知ってるけど、そこで昭和丸出しで恥ずかしがるおじいちゃんの姿が妙にリアルで微笑ましい。少しでも条件のいい人をつかまえようという発想はあまり感じられないな。真剣に末永く一緒に居たい人を探す意識のほうが強いんだ。ところでサイゼリアの間違い探し。立体視しても、浮き出てこないからその部分は左右一緒だ。つまり間違いじゃないって。おお、なんと斬新な確認方法だ。今度やってみよ。それと3分を 測る手段としてのタイマーとストップウォッチの違い。タイマーは減っていく。ストップウォッチは時間が溜まっていく。なるほど、良い発想だな。リズミカルで小気味よく、おもしろかった。あれ、遊覧船ミシガンがでてきた。成瀬でてくるかな。でてこなかったか。