ptureのブログ

特に大きな問題が起きることなく、新キャラが増えることもなく平和な日常という感じもよいなあ。1話目はちょっとだけ不穏?瑠美先生の教え子作家さんが要の会社に世話になりながら他の出版社に原稿をもってってちゃった。二話目はお新香の話。皐が凝り始める。3話目はケンさんの友人の柔道先生の離婚問題。4話目はお花見ホラ小噺大会。最後は昔常連だった棋士のお話。万里くんの曽祖父だって。ついに定食800円かあ。それはしょうがないにしても、カツカレーがワンコインだって?それはありえねーよなあ。エビフライは特大で1,200円とのことだけど、じゃあカツ、一切れだけじゃね?んー。うまそうだなあ。今回はやっぱお新香だなあ。甘くないたくあん、キャベツのぬか漬けなどなど。それらを喜ぶ若者男性が登場するんだけど、彼が名バイプレーヤー。うまさ、つきぬけ状態にしてくれたよ。ありがたいこった。お花見の、エイプリルフールにちなんだホラ話というか、フィクションでもなんでもいい話。ホラー系というか不思議系に話が寄ってるよ。かしこまってなにか小話となると、そっち系になるもんかな。笑える話って、実際話してみるとあんまり笑ってもらえないことはあるわなあ、などと思考をあちこちに飛ばしながら読んでしまった。おもしろかった。 

5作目。今回は引きこもりがキーワード。1話目は40代の引きこもり女性が部屋で餓死。2話目は50代男性が部屋で死亡。3話目は認知症の奥さんを老老介護してる夫が死亡。4話目は60代引きこもり男性が息子の90代男性が死亡。そして5話目は官僚を父に持つ30代引きこもり男性が殺人の上、死亡。さすがのストーリー。ストーリーは小気味良く進んで、ひねりもしっかりきかせて。特に2話目はくも恐怖症かよ。5話目は気づいた。このままじゃ終わらせないよな。よし。そして最後は1話目から4話目のまとめての回収。満足度高いぞ。キャシーさんの真琴ちゃんと古手川くんをひやかす言葉もしっかり堪能。でもついに光崎教授、セリフほぼなし。権威としての存在のみ。これはさみしいなあ。あらためて、引きこもりを考えた。本人が悪いのか、親が悪いのか。こんなになったのは親のせいという本人たちの言葉と暴力に、甘ったれんじゃねーってのが一般的な意見だろうけど、しょうがないじゃないか、生き方を知らないんだからとも思うし。ただねえ。それで社会を恨むというのはこれは自身のせいだとおもうけど。人は教えてもらうだけじゃない。やっぱり自身で学ぶ。そして学ぶことをめんどいと放棄することは、怠慢なのではないでしょうか。はい、おもしろかった。 

主人公が発達障害の症状を持つ特例判事補とは想像の上をいく設定だよ。じっとしていられない、それと味覚の感じ方が異なる。相手の感情が読めず、それ故に通常の反応ができないなど。これは大変なもんだし、発達障害ってほんのちょっと一般人と違うくらいの認識だったけど、決してそんなことはない。主人公は血のにじむような努力をして世間の枠にはまろうとしてる。知らなかったなあ。ストーリーは彼が受け持つ案件の真の顔はどんなだったかというもの。こちらの意外性も見事なんだけど、やっぱ発達障害そのもののインパクトのほうがはるかに上だった。裁判官がじっとしてられない、うっかり法廷にサンダルばきで行ってしまうなど、そりゃそっちにひっぱられるな。食事は常に行きつけの喫茶店のナポリタン。ときには白いご飯にケチャップかけただけとか。でも、それもこの小説の中では異常ととらまえてはいけない。判事をするうえでのハンデと考えてはいけない。あくまで人としての個性ととらえるべきということを強烈に訴えかけてくる。おもしろかった。 

理恵ちゃん、ついに告白。時間が欲しいとの麻野さんの回答だったけど、その時間って、ほんのちょっとという意味だったか。ほっこりしてしまった。よかったねえ。んで、露ちゃんのお友達のエピソード。え、小学生が付き合うのですか。まあ、さもありなんかとも思うけど、やっぱびっくりだあ。ちゃんとつきあってる宣言もしてるよ。でも中学生になれば告白だって普通になってくるわけだしと、理解しようとしてる自分が急に年取った気分だよ。露ちゃん、ほんといい子だなあ。友達想い、ここに極まれりだし、普段の行いがよいせいか周囲の人も露ちゃんを信頼し頼りにもしてる。それでいて小学生らしい無邪気、純粋でもあり。 

今回のお話は香木、しいたけによるみみずばれ、雫さんの女子高生に対しての暴力行為の真実、理恵ちゃんの沖縄旅行。雫さん暴力のお話ででてきた昭和初期の昆虫採集キットの虫を殺す薬品が青酸カリとはねえ。こりゃおそろしい。なかなかうまいミステリーになってたな。 

これらの話は時間がきれいに順並びになってるわけでなく、結構昔のことだったり、最近のことだったりというのが、ちょっとしたトリックみたいになってるけど、それ必要か、ちぃとばかし疑問。おもしろかった。 

東北の怪談集だって。いいねえ、遠野のイメージもあってどちらかというと妖怪のほうが強いけど、そんな中で幽霊というか怪異。よし。といきなりタイトルがなんかすごいぞ。作家のこだわり強そー。無嗣というのは相続する人がいないことらしい。中は30以上の小編が並ぶ怪談集。アルファベット表記の名前でも地名でもない。それぞれの時代背景もはっきりしてるし、時々でてくる方言も生々しい。いいねえ。没頭できちゃうじゃないか。八甲田での行方不明とか、成田三里塚闘争とかと昭和がずばんと入ってる話があるのがとても好み。怪談ではあるけれど、当時を匂わせてくれる題材であるのがうれしい。カミサマって巫女のことなのかあ。東北の巫女は本物っぽいなあ。恐山があるからそう思うのかな。林業とか山とかもでたくさん。全体的に、暗すぎはせず、人の営みを感じながらもふと寂しさがにじみ出てくる。これはよい怪談ではないでしょうか。しっかり読ませてくれるもんな。おもしろかった。 

海が見える家シリーズの続編。2年ぶりで、いつ読もうかなと思ってた。房総から一転長野。軽井沢の近くらしいけど、こりゃまたなかなかすごいところ。あばら家とまではいかなくても、虫の死骸や動物の糞だらけ、風呂は水漏れしちゃうし、畳もちょっとみたいな。んでもって、庭というか畑は雑草だらけでうわってる梅の木の存在もままならない。それでも主人公の文哉くんは200万で手に入れたと結構嬉々としてる。ちょーっと、俺とは感覚ちがうかもなあ。海の近くと山とではぜんぜん違うんだなあ。海のほうに一票だな、俺の場合。まあ、ご近所の関係もあるかも。海は別荘地でもあり、裕福な人種もいたけど、今回は完全な過疎地。年寄りしかいないし、なんかシークレットが至るところにあるような。へー。梅の実でお金を稼ぎますか。これには興味そそられる。なるほど、やっぱ品質重視なのね。大きくて、きれいなやつが最高だとか。一方でちょっとでも染みがあるとB級品だって。でも梅干しと梅酒くらいしか思いつかないけど、なにに使うんだろ。凪子ちゃん、文哉についてくために運転免許とったよ。なんてかわいい人なんだ!感動しちゃったよ。しかし、拝金主義を捨てる生活にときめきを覚えられるかどうか。これから何十年も体が資本のこの生活で不安よりも満足を得て生活し続けられるんだろうか。さて、次巻は少し生活がきれいになるといいなあ。おもしろかった。 

72年頃の小説だけど、全く時代を感じない。時代小説のよいところ。散々仕事人もテレビで見てるわけだけど、原作はどうでしょう。ああ、やっぱり期待したとおり。江戸の日常と、人の生きざまがまざまざとわかる。生活環境はさほど悪くはない、お金は大事、病気には今よりも重大事項、外食は素敵などなど。恨みをはらしましょうって感じじゃない。そも依頼人の声を聞くわけじゃないので。となると、ほんと仕事としてなんだなあ。一回の仕事で何十両も得るけれど、それはどうしてんだろう。銀行はないわな。こんな仕事だからいつ死ぬかもわからんから使っちまうってね。主人公の梅安と相棒というか仕事仲間の彦次郎。ずっと続くんかな。いくつかのエピソードがそれぞれ仕事になってるけど、いずれも不思議と印象は強くない。そこに恨みやらなにやらがまとわれてないからかな。じゃあ、淡白?いや、全然。梅安のキャラが強烈だもんなあ。意外に仕分してくる連中も情報ざるで騙され仕事みたいのも多いし。こわいけど、江戸時代の素朴さが垣間見える。1巻からお伊勢参りするのはちとびっくりした。江戸時代の旅ってもっと大変なことだろうに。でも、明日をもしれない命を表す最善な手法なのかしら。おもしろかった。 

お久しぶりの比嘉姉妹シリーズ。短編集らしい。そか、真琴には旦那ができたんだっけ。野崎くん。そして黒い手袋した凄腕退魔師のお姉ちゃんも登場。うん、怖いぞ。怪異現象もだけど、その元になるエピソードがしっかり恐ろしい感じ。手の平を引き裂かれて、腕も割けるとか。ああ、もう痛いし、それをただ一人の男に行う村人たちというシチュがもう暗黒でしょ。人が帰ってこない無人島は、昔はにぎわってたけど廃れた島というところが現実感ありすぎ。暗闇にいるもの、そして現実のように自分に語りかけてくるもの。これはちょっとミステリ的で、作者の技量ににやりとしたり。旅館で迷子になる話が今回一番好き。お金持ちの少女とともに旅館で迷子になるインチキ霊媒師。ここでは過去20年で7人が行方不明に。少女の吐く嘘がだんだん不気味に感じるようになる。そして実は少女が怪異。でもその怪異を憎めなくなるに至る霊媒師。すごい。タイトルは、料理教室の話だった。へー。それだけで読みたくなっちゃうよ。これもちょっと悲しい話だったな。全体通して、もう押しも押されぬ当世きってのホラー作家になったなあという印象。はい、おもしろかった。 

2作目。とはいいつつもほぼ覚えてないか。タイトルにある文字レベルだな。ステレオカメラとか。読み始めて少しずつ記憶が。若い男の人が店継いでて、若い女性がバイトで働く。たしか曰くありだったけどなんだったっけ。全体的に静かな雰囲気。ちょっとした問題や謎が解き明かされていく。その中でキーとなるのがレトロなカメラ。1話目は古いカメラを買い取ってくれという身なりが貧しげな少女。カメラはニコンの一眼レフ。作者の視線が優しいなあ。少女のたくましさが素敵だし。2作目は常連さんのとてもレアなライカが神隠しにあう話。これは奥さんに同情。心で思ってても、やっぱ旦那ひでえ。3作目は痴呆症を患ってるけど、カメラの生き字引みたいなおじいさんの話。3/14の撮影を大事にしてる真相が、娘の撮影。泣けるなあ。これ、いい話だなあ。んでもってマニア同士の会話の楽しさが染みてくるよ。という感じで中編に満たない短編が実に8編。どのカメラも触ってみたくなるし、そして焼かれたプリントをぜひみてみたい。そうだ、働いてる女性の来夏さん。未亡人でなくなった夫はずっとずっと歳上の人だった。最後に思い出した。おもしろかった。 

いつもKindle UnlimitedでBest10に入っているよな。んで、他の書評でもこの小説出てきた。んじゃ読んでみるかと。お、連続殺人だ。犯人が語る倒叙タイプ。女性を殺し、死体を損壊せざるを得ない犯人の心情、犯人を追う退職した元警部。薄々犯行に気づいてしまう犯人の母親。多少時間が語る人物により前後するの、変なのと想いつつもどんどん読み進む。この手の話は止まらない。時代は1992年くらい。タクシーが全くつかまらず、携帯がなく、タバコは普通に吸われ、専業主婦が普通の時代。そして連続殺人といえばで、宮崎勤事件がまだ新鮮なころ。犯人は盛んに愛と言う。殺すのは愛の究極の姿だそうで。狂ってるこの感じ、なんでだろう、作家の凄みを感じた。なんでこんな発想ができるのか、と。これまでにもいくらでも、イカレタように見せたキャラはたくさん出会ったのに今回はなんというか、違う。リアリティがあるのかなあ。母親の考えが怖いぞ。息子が殺害したとしても、それは精神異常という病気だから。なので罪に問われない。病気が治り、これ以上殺さなければそれで問題はないだって。被害者への謝罪、責任が放棄されてる。自分本位って思えばこの頃から顕著になってきたのかもな。そしてどんでん返しが用意されてる。なるほど。でもこれは毎度のことながら、ちとずるい。読者への挑戦のためだけだものなあ。俺の好きなやーらーれーたーではなかったな。おもしろかった。