ptureのブログ -2ページ目

3本目。全くテンション下がりません。休まる暇がない。蠱毒の中での戦いと、明治初期の不安な情勢が被さってくる。特に後者の方。なるほど、当時は省も長州とか薩摩とか派閥的なものがあったか。そりゃそうか。武家から即リセットなんてできないもんな。そうなってくると誰を信じてよいのかって緊張感がすごい。おお、中国というか清や台湾の最高の戦士がでてくるよ。みんな、キャラがよいなあ。強く、情に篤い。時々、各キャラを浮かび上がらせるエピソードが秀逸。それだけで立派な短編になりそうだよな。そして目玉。クライマックスの陸蒸気のシーンが熱い。当時は機関士は外人さんのみだったけど、前島密の秘密の司令により機関助士の日本人が独断で陸蒸気を走らせる。これで機関士となる夢が潰えるかもしれないのに。出発進行の掛け声にちと、うるっときてしまったよ。 

まさかの秘密、京八流は実は一子相伝ではないだと。じゃあ幻刀斎と朧流はなんのため?ここで更にぶっこんできたな。ところで京八流の技のどれも想像できないのがちと悲しい。はい、おもしろかった。 

だめだ、止まらない。残りは明日のお楽しみにしようと思ったのに止まらない。あー。エピローグも終わっちゃった。超凄腕で金にがめつく、自身に納得イカない仕事は請け負わない美容整形外科医と、助手のすっごい美人看護婦、垢抜けない童顔の麻酔科医のチームがあーだこーだいいながら仕事をこなしていく。お、ブラックジャックみたいじゃん。あ、天久鷹央みたいじゃん。いいノリしてるな。さすがのテンポだな。1話目は若い妻の顔を前妻の顔に整形してほしいという老実業家。2話目は孫のために不遜の息子を生かすために息子の顔を変えてほしいというヤクザの親分。3話目は整形を繰り返す落ち目の女優が患者。どれも人情派のいい話なんだよ。そしてこの小説の中心は、整形外科医の弟子が4人殺しのシリアルキラーで現在も逃亡中ということ。そのシリアルキラーが動き出す。何がどうなっているのか。真実は? なんだけど、まあ、想像通りなんだけど、ありえるかー。美容整形って大戦後に発達したんだ。顔を損傷し心を病んだ元兵士たちを救うためだそう。ああ、それはとても良くわかる。この本、お見事だったな。この3人チーム、また見たいな。おもしろかったー。 

料理を生業にして大成し、たくさんの評価を受けて、料理の業界を代表する人として責任を持つ人の言葉。でも、重苦しいことは全く無い。とにかくチャレンジしてみませんか。フレンチといっても身構える必要はありません。レシピを見ながらでいいです。適当でいいんです。ただ食べてくれる人が喜んでくれたら嬉しいなという気持ちだけは忘れないように。塩適量とよく書いてあるけれど、最後の味付けはあなた好みでということだって。なるほど。それにしても20歳でスイス日本国大使館の料理長ってすごいな。当時1974年ということでしょ。既に料理人たくさんいるよなあ。やっぱりすごい才能なんだろうなあ。大使館だもん、パーティなんかもたくさんあるだろうし。 

フランスでも日本でも素材が如何に大切かがよくわかった。走り、旬、名残か。なるほど。 

日本料理は引き算の料理、中国料理は掛け算の料理、フランス料理は足し算の料理だって。面白いな。日本は削いで素材の味を引き立たせ、中国は多彩な食材で一つにまとめ、フランスは素材に一つづつハーブなどを加えみたいな。文化だねえ。どれが優れてるなんてこともない。まずは美味しいこと。それで人は仲良くなれるって素敵だよなあ。おもしろかった。 

 

メニューはあっさりとこってりの2種類の味噌汁、ガスで炊いたご飯、そしてお取り寄せしたご飯のおとも。基本これだけ。カウンター5席だけで夜に開く小さな食堂。女将さんは元大手デパートの催事場担当主任さん。そこで出会った地方食品バイヤーさんのサポートもらってお店やってる。小さな物語が全部で十話。昔別れた娘の幸せそうな姿をみたバーのママの話や、ブラック企業に務める男性の話、実家を飛び出て長い年月がたった人その他諸々。みんな、ご飯を美味しく食べながら少しだけ幸せになって帰ったり、職場に向かったり。味噌汁は結構オーソドックスな感じ。こってりは肉が入ったり、バターが入ったり。あっさりは普通。そしてご飯のお供たち。写真入りなんだよ。ご飯の上に乗っかった写真だよ。なんと素晴らしい!どれもこれもよだれがでる。大きなお皿にいくつかのお供たちが盛り付けてあるのもある。これだよなあ。メインのおかずよりもこういうのがたくさんなのがいい。ホテルの朝ビュッフェの自分の皿みたい。素敵だなあ。おもしろかった。ところで一食いくらなんだろ。ご飯のお供良いお値段ですし。 

25作目。神奈川県警に脅迫というか、殺人予告。ネトウヨを世間の平和のために見せしめに殺すというもの。世間への開示はなし。ターゲットについての言及はなし。捜査本部にはなってないけど、織田は管理官と夏希に捜査を依頼。何もわからないまま、予告は完遂され、さらには犯人は自殺体で見つかる。さらには同様の事件が続く。次はターゲットと犯人はともに死ぬ。犯人はいずれも誇りをもって死にますと、あるメアドにメールを送っている。真犯人はいるのかというストーリー。おや、4人も死ぬんだ。これまでにないパターン。え、裏の存在にみんな気づかないの?そいつがターゲットを選定するくらいまでは考えて良いんじゃない?どうやら、この辺の練具合はちと弱いか。でも、犯人たちがAIに先導されていたという展開はついに着たって感じ。もちろん、AIが自立したとかじゃない。ただ人のとらまえ方か。AIは既存のものを改変したもの。でも改変した男は明確な殺人指示などしていないということで、逮捕できないで終わる。ついでにアリシアもでてこない。これ、途中で終わったよな。続き読みたい。どうやって罪に問うのかって点だ。類似の事件が海外で起きてるという。思ってた以上にAIにぞっこんしちゃう人っているわけかー。おもしろかった。 

これは大好きかも。本買ってもいいかも。結婚してるしっかり者の長女、大学生で頼りない長男、パリピー気味次女と委員長的三女は高三の双子、お調子者の次男は高一、自分の世界を持つ小学生の三男。見事に性格の違う姉弟たち。そしてその友達たち。やかましい。素直。それぞれ悩みあり。コンプレックスや決別できない過去がある。人に優しくしてもらって初めてその人が見えたり。人を見直してみたり。絶対的な大人が実は人間だったと気づいたり。各姉弟ごとにエピソードがあって、もちろん、それらはつながってて、一つの家族の物語になる。ちょっと悲しいところもあるけれど、これから先も絶対大丈夫、元気もらった、ありがとーっていいたくなる。未成年者も大人も人間ってこうだよなーって、改めて認識できる。それもすっごいみんなの世界で楽しみながら。にしても、店の作りもコーヒーも食い物もいずれもすっごいのに、なんでそんなに客こないかなー。なんでそこ、も少し始めから疑問視しなかったかなー。いや、おもしろかったわー。 

5作目。お、原発とヤクザか。どう絡むのかな。おー、なんと外国人や無職の日本人を原発に斡旋して保守業務とかやらせてる、そして原発反対派を町の議員からこっそり依頼されて抑え込むという仕事。今回も佐伯さん、暴れまくる。今までで一番、戦いまくってるかも。強いんだけど怖さも知ってるってあたりが親しみやすい。あら、超凄腕の殺し屋もでてきたよ。派手だなー 

反原発メッセージがえらく強いな。保守をやっている下請け社員は放射能汚染で実際死んでいる・本当は原発なんて必要ない、日本の政治家にメリットがあるから広めていて世界では下火だ。原発推進派には「全国エネルギー建設協会」から金が入ってくる。反対派は本気で原発差し止めができるとはおもっていない、活動することに意義があると思い込んでるなど。この作者、思い込みは強い感じでかくけど、今回は更に強い。と思ったら、昔、原発いらない政党から出馬したことがあったんだ。へー。おもしろかった。 

ANAの飛行機の中にある雑誌に連載されたエッセイの本。あれ系の雑誌好き。読む場所、これから旅行に行くとき、あるいは旅行が終わり帰るとき。いずれもちょっと窮屈だけど、普段とは別世界な飛行機の中。新幹線ともまた違うよ。飛行機なので、国内でのちょっとした話もあれば、海外での若いときの話もあったり。この作家のは、いかにもで、飾り気が全くない、あくまで自然体という感じ。本人が長崎出身だからか、九州の話が目立つ気がする。飛行機で博多もいいなあ。あ、沖縄の話もある。台湾が大好きみたい。富山では芝居による町おこしみたいのがあるのは知らんかった。やっぱ、文化的な仕事をしてると、そうしたイベントが寄ってくるのかな。なかなかにアグレッシブな作家さんだなあ。このシリーズは未だある模様。というか、これは最初の巻ではなさそうなれど、ま、関係ないか。おもしろかった。 

久しぶりの作家。相変わらずの情景の描き方がなんと秀逸なことよ。特別な言葉や文体なんてなく、きわめて普通の言葉を並べてるだけなのに、清らかで、草木が香りたってきて、どこか怖い。春夏秋冬どれもが待ち遠したくなるんだよな。内容は美奥という、山奥の美しい村というか集落の今昔の出来事が描かれる。そこで死ぬと別の生き物に生まれ変わる。究極の毒薬を飲むと生まれ変わる。幻の世界に作り出した街。究極の毒をつくりだし、復讐に使う。神様として集落の人たちの役にたつ。話のバラエティが多彩だよなあ。時代もちょっとづつ違うし。やっぱ、こういう世界観はなぜか安心するんだよ。ファンタジーであり現実ではありえないからって、肌で理解しちゃってるんだろうなあ、俺。時々、でてくる広々とした荒涼とした原野は、白いキャンバスみたいなもんだな、この作家にとって。おもしろかった。 

とても大きな商屋の旦那が余命半年ほど。彼に子供はいない。そこに前妻の弟夫婦、従兄弟の息子、今の妻の姉夫婦が醜い跡目争い。それと並行して2歳ほどの男の子の誘拐事件が多発。でも数日後には無事に帰ってくる。さて、この2つはどうつながるの?そして跡目争いはというお話。すげえよな、跡目争い。今なら奥さんにすべてだろうな。しかもみんな、微妙に全く関係ない他人じゃないか。財産はおよそ150億円。そんな金もがんばれば江戸時代、消費できたのだろうかねえ。 

さて、この本、出版されたのは2021年11月。そして裏表紙にはCOVID-19の文字。江戸時代よりも緊急事態宣言のころのほうが懐かしく感じてしまった。江戸に行くために7日間、自主的に自宅隔離してからの移動。なるほど、そうだよな。ありゃ、伝三郎さんのご先祖さんでしたか。おもしろかった。