本当に景気は回復したのか、
それとも、
見かけだけの回復なのか。
様々な議論が巻き起こる中、
人材不足だけは疑いようのない現実になってきた。
かねてから
人材不足だった外食産業やシステム系の企業はもとより、
商社、小売、金融とあらゆる業種で人材の争奪戦が繰り広げられている。
各企業は、
バブル崩壊後の採用枠縮小によって、
中間管理職の不足に悩まされているうえに、
団塊の世代の一斉退職も間近に迫っているからだ。
さらには、
少子化によるパイの縮小で、
採用戦線は今後益々過激になると予想される。
では、この状況はいったいいつまで続くのか。
その予想も極めて重要ではあるが、
我々経営者は、
その前にもっと根本的な時代の変化を認識しなくてはならないだろう。
バブル崩壊の直前、極限まで膨らんだ経済の中で起こった出来事。
それは現在の状況に酷似している。
人手不足による倒産、
そして異常なまでの人材争奪戦である。
仕事はいくらでもあるが、
それをこなす人材がいない。
一人採用しようと思えば、
文系で200万円、理系なら300万円の採用経費は当たり前だったという。
そのうえ破格の好待遇。
内定者に車を買い与え、海外旅行に連れて行くなど日常茶飯事。
バブル崩壊後に社会人になった人には、
想像もつかないような世界だった。
では、あの異常な事態が再び繰り返されるのか?
私はそうは思わない。
その理由のひとつは、バブルの崩壊により、
企業が数合わせの採用の無意味さを学習したこと。
そして、
最大の理由は、世の中が変化したことである。
今の日本は、十数年前の日本とは、まったく違う。
だが、この現実に気がついている経営者は、
あまりにも少ない。
経営者が順応しなければならないのは、
働く側の価値観の変化、
そして、
企業が求める人材像の変化である。
特に、人材像の変化。
これに順応できずに、
業績に連動した採用をやり続けると、
間違いなく崩壊への道を歩むことになる。
では、
企業が求める人材像はどのように変化したのか?
一言で言えば、
数から質に変化したということである。
現在の日本にあって、
バブル当時の日本にはなかったもの。
それは、企業間の競争である。
当時、企業競争がなかったとは言わないが、
そのレベルは、
とてもではないが現在の比ではない。
人口が増え続け、
マーケットが拡大し続ける中での競争である。
いいものを、できるだけ安く、大量に生産する。
そうすれば、
業績は拡大したのである。
当時のビジネスに、もっとも必要なもの。
それは、「ある程度」優秀な人材の数だ。
だが、
現在のビジネスはそんなに単純ではない。
今や日本の消費者は、
安いという理由だけでモノを買わない。
同じ商品を、同じターゲットに、
同じやり方で販売できるのは2年が限界。
もって3年というところである。
つまり、
毎年のようにビジネスモデルを高度化していく必要があるということだ。
求めるべきは、
新たなビジネスモデルを作り出せる突出した人材。
そして、
その高度なビジネスモデルを実行できる人材なのだ。
バブル時の人材不足倒産は人手不足によるものだった。
だが今後は、
人材の“質”不足による倒産が続出することになるだろう。

















